THE CAT WHO HAD 14 TALES
1988年 リリアン・J・ブラウン
今さら…ですが、あけましておめでとうございます。
年明け早々インフルエンザに罹り寝込んでおりました。
初めて罹ったけど苦しいね… 皆様もお気をつけ下さい。
そんなわけで、今年一回目のアップは、大好きな猫のお話しがつまった
こちらの一冊の感想文にしてみました。
リリアン・J・ブラウンという方はミステリー作家だそうで
猫ちゃんが謎解きをするシリーズを書いていらっしゃるそうです。
そちらは読んだことがないのですが、古本屋さんで見つけて購入しました。
猫嫌いの人は、猫のことを「わがまま」とか「三日で恩を忘れる」なんて申しますが
この本を読んだらそんなことは言わせませんよ。
恩や愛を忘れない立派な猫が登場するお話しがいくつかありました。
いくつか紹介しますね。
『黒い猫(The Dark One)』
ダク・ウォンは、人里離れた地で飼い主のヒルダの愛を受けて幸福に過ごしていました。
しかし、週末にヒルダの夫ジャックが帰って来ると家は居心地の悪い場所になりました。
ある晩、ヒルダとジャックの口論はピークに達しました。
家を飛び出たヒルダをジャックが「殺す」と言って追って行きます。
ダク・ウォンは自分に力が無いことを自覚しているし、とても怯えているのね。
でも、どうにかして自分を愛してくれたヒルダを救いたいと思うの。
“ 自己犠牲 ” という概念が猫にあるのかどうかは別として
とにかく助けたいと言う一心がとらせたギリギリの行動に目頭が熱くなります。
『ススと八時半の幽霊(SuSu and the 8:30 Ghost)』
ススは同じ階に越して来たばかりの風変わりの老人ミスター・ヴァンをすっかり気に入り
ミスター・ヴァンもススが気に入ったのか、頻繁に訪ねて来るようになりました。
しかし、ある日、老人は精神病院に入れられたと不気味な介護人から聞かされました。
飼い主は面倒な客が来なくなってホッとするのですが、ススはそうではなかったのね。
お客がやって来たようにはしゃぎまわる猫の行動に、飼い主はハッとします。
そこからある疑問が浮かび、そしてそれは確信へ…
可愛がってくれた人を慕う猫の思いが通じたってことでしょう、きっと。
『マダム・フロイの罪(The Sin of Madame Phloi)』
猫としてのプライドを失わないマダム・フロイは、息子のサプシムを溺愛していました。
ある日隣の部屋に粗野で乱暴そうな、猫嫌いの男が越して来ました。
家人の留守中窓から外の桟に出たマダム・フロイとサプシムを隣の男が呼びます。
すぐ人間や食べ物にじゃれつくサプシムは男に近づき、そして10階から落下しました。
ペット問題が起こした悲劇なわけですが、ややこしくなるのでそれはおいときます。
猫ちゃんにも親の愛はある!ってことで、マダム・フロイは復讐に乗り出します。
一昔前なら猫の復讐と言えば、呪いとか化け猫…という展開でしょうが現代は違う!
持ち前の冷静さと知性を総動員して男のもとへ… 上手くいくんでしょうか?
題名からわかるように14篇のお話しが収められています。
作家ならではのミステリー仕立てのものもありますが、猫ちゃんが解決するというより
まわりにいる人間に訴えかけるようにして謎への注意を促すって感じでしょうか?
いずれにしても、愛する人や優しくしてくれた人への思いがそうさせています。
他にも、敵対する群れに属する二匹の猫が恋に落ちる悲劇的なお話し
その名も『イースト・サイド・ストーリー』ですとか
酒場の店主が猫をめぐって役所と戦うお話し『ディプシーと公衆衛生局』など
良いお話しがありました。
主人公になっている猫は、ほとんどが作者が飼っているシャム猫でして
どちらかというとクールでプライドが高いタイプ。
だから猫ちゃんの可愛いしぐさの描写はあまりありません。
でも、じゃれつかないのに、相手をしてくれないのに、気の向く時しか見つめてくれないのに
愛おしくて仕方が無いというのが猫なのです。
じーっと部屋の隅を見つめている猫の、視線のその先の不気味さより
猫ちゃんに何が見えているのか、何を考えているのかが気になります。
そんな飼い主の思いもまた、謎解きに繋がっているのかもしれません。
さしあたりシャム猫ココシリーズを購入する気はありませんが
他にこういう短篇集があるなら読んでみたいな。
ひとことK-POPコーナー
INFINITEのソンギュのソロ『60秒』のMVを見ました。
ソンギュの「寝ているような目(by 序列王)」って、歌っている時、セクシーでオーラがありますよね
1988年 リリアン・J・ブラウン
今さら…ですが、あけましておめでとうございます。
年明け早々インフルエンザに罹り寝込んでおりました。
初めて罹ったけど苦しいね… 皆様もお気をつけ下さい。
そんなわけで、今年一回目のアップは、大好きな猫のお話しがつまった
こちらの一冊の感想文にしてみました。
リリアン・J・ブラウンという方はミステリー作家だそうで
猫ちゃんが謎解きをするシリーズを書いていらっしゃるそうです。
そちらは読んだことがないのですが、古本屋さんで見つけて購入しました。
猫嫌いの人は、猫のことを「わがまま」とか「三日で恩を忘れる」なんて申しますが
この本を読んだらそんなことは言わせませんよ。
恩や愛を忘れない立派な猫が登場するお話しがいくつかありました。
いくつか紹介しますね。
『黒い猫(The Dark One)』
ダク・ウォンは、人里離れた地で飼い主のヒルダの愛を受けて幸福に過ごしていました。
しかし、週末にヒルダの夫ジャックが帰って来ると家は居心地の悪い場所になりました。
ある晩、ヒルダとジャックの口論はピークに達しました。
家を飛び出たヒルダをジャックが「殺す」と言って追って行きます。
ダク・ウォンは自分に力が無いことを自覚しているし、とても怯えているのね。
でも、どうにかして自分を愛してくれたヒルダを救いたいと思うの。
“ 自己犠牲 ” という概念が猫にあるのかどうかは別として
とにかく助けたいと言う一心がとらせたギリギリの行動に目頭が熱くなります。
『ススと八時半の幽霊(SuSu and the 8:30 Ghost)』
ススは同じ階に越して来たばかりの風変わりの老人ミスター・ヴァンをすっかり気に入り
ミスター・ヴァンもススが気に入ったのか、頻繁に訪ねて来るようになりました。
しかし、ある日、老人は精神病院に入れられたと不気味な介護人から聞かされました。
飼い主は面倒な客が来なくなってホッとするのですが、ススはそうではなかったのね。
お客がやって来たようにはしゃぎまわる猫の行動に、飼い主はハッとします。
そこからある疑問が浮かび、そしてそれは確信へ…
可愛がってくれた人を慕う猫の思いが通じたってことでしょう、きっと。
『マダム・フロイの罪(The Sin of Madame Phloi)』
猫としてのプライドを失わないマダム・フロイは、息子のサプシムを溺愛していました。
ある日隣の部屋に粗野で乱暴そうな、猫嫌いの男が越して来ました。
家人の留守中窓から外の桟に出たマダム・フロイとサプシムを隣の男が呼びます。
すぐ人間や食べ物にじゃれつくサプシムは男に近づき、そして10階から落下しました。
ペット問題が起こした悲劇なわけですが、ややこしくなるのでそれはおいときます。
猫ちゃんにも親の愛はある!ってことで、マダム・フロイは復讐に乗り出します。
一昔前なら猫の復讐と言えば、呪いとか化け猫…という展開でしょうが現代は違う!
持ち前の冷静さと知性を総動員して男のもとへ… 上手くいくんでしょうか?
題名からわかるように14篇のお話しが収められています。
作家ならではのミステリー仕立てのものもありますが、猫ちゃんが解決するというより
まわりにいる人間に訴えかけるようにして謎への注意を促すって感じでしょうか?
いずれにしても、愛する人や優しくしてくれた人への思いがそうさせています。
他にも、敵対する群れに属する二匹の猫が恋に落ちる悲劇的なお話し
その名も『イースト・サイド・ストーリー』ですとか
酒場の店主が猫をめぐって役所と戦うお話し『ディプシーと公衆衛生局』など
良いお話しがありました。
主人公になっている猫は、ほとんどが作者が飼っているシャム猫でして
どちらかというとクールでプライドが高いタイプ。
だから猫ちゃんの可愛いしぐさの描写はあまりありません。
でも、じゃれつかないのに、相手をしてくれないのに、気の向く時しか見つめてくれないのに
愛おしくて仕方が無いというのが猫なのです。
じーっと部屋の隅を見つめている猫の、視線のその先の不気味さより
猫ちゃんに何が見えているのか、何を考えているのかが気になります。
そんな飼い主の思いもまた、謎解きに繋がっているのかもしれません。
さしあたりシャム猫ココシリーズを購入する気はありませんが
他にこういう短篇集があるなら読んでみたいな。
ひとことK-POPコーナー
INFINITEのソンギュのソロ『60秒』のMVを見ました。
ソンギュの「寝ているような目(by 序列王)」って、歌っている時、セクシーでオーラがありますよね