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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『永すぎた春』恋する二人に優しい物語

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1956年 三島 由紀夫

うーんと… 私は三島由紀夫という作家の性格や主義、私生活については全く知りません。
最期が印象的だっただけに、けっこうラディカルな思想の持ち主なのかしらん、などと
想像はしてみるものの、特に知りたいとは思わないので調べたこともありません。

だから、ほんとぉぉぉに、この一冊だけから受ける印象を書くと、すごく優しい人みたい。

“ 永すぎた春 ” と聞くと、恋人に訪れた倦怠期とか、待ちくたびれてお別れ…的な
印象を受けませんか?
私はそのつもりで、恋人たちを襲ううんざり状態がどのように描かれているのかと
わくわくしながらこの物語を読み始めました。

宝部郁雄というT大法学部の学生がいます。
もちろん頭はいいですよね? 父親は財界人で裕福な家の一人息子です。
性格も良く、素行も良く、しかし適度に遊ぶことも知っていて、どうやら顔も良いらしい。
一昔前のドラマや漫画の王子様タイプですよね!!
今だとツンデレ主人公の恋敵っぽいけど… 「いい人なのに〜」フラれるタイプ。

その郁雄が大学門前の古書店の美しく聡明な娘、木田百子に恋をしまして
母親の反対を押し切り婚約までこぎつけたところから物語が始まります。

ドラマ好きとしては母親の反対がどれほどのもので、どんな邪魔をしたかが知りたい所。
しかし、それはさら〜っと数行で終わっちゃいます。

でも若い二人に試練はつきもの!
婚約に際して郁雄の父親は「結婚は郁雄の卒業を待ってから」という条件を出しました。
郁雄の卒業までは1年3ヶ月です。

もちろん、この1年3ヶ月は平穏ではすみません。
まずは、百子の親戚に逮捕者が出て郁雄の母大激怒&婚約破棄を画策。
そして婚約の喜びも色あせてきた郁雄を誘惑する年上の美女つた子の登場、揺れ動く郁雄。
百子の兄で唯一の跡取り東一郎が望む身分違いの結婚。
そんな時に現れた郁雄の友人、デンジャラスガイ吉沢。
吉沢は恋人と別れ百子にアタックしてきます。
そんな吉沢に加勢しようとするある女性の陰謀。

もう書いてるだけで楽しいよぉ
来るべき別れに向かってまっしぐらって感じでしょ?

で、あらすじを書くとそうなんですけど、作者三島由紀夫は優しいですよ。
これはドラマにならないね!

恋する主人公二人を応援しようという気持は、読者(視聴者)にはもちろんあります。
ありますけど、苦しい〜時期を乗り越える姿を見るのも好きなもの…
そんなわけでドラマでは「え、そこまで?」という無理くりなシチュエーションまで
創りだして恋人たちを苦しめるじゃないですか?

そこまでしてほしいとは思いませんけど(文芸作品だしね)
作者は若い二人をあまり傷つけたくなかったみたいです。
痛手を受けそうになると作者の救いの手が見える… そんな気がする物語でした。
主人公二人はたぶん No damage 、青春っていいよね!

三島由紀夫は何冊か持っているのですが、他に読んだのは『女神』だけです。
『女神』は違った作風で、二冊のうちのどちらが三島文学らしいのかわかりませんが
女性の純潔や男性の正義感を守っていきたいという考えの作家なのかなぁ…
などと感じています、今はね。

結論としては、わたくし “ 永すぎた春 ” の意味を取り違えていたことに気がつきました。

ひとことK-POPコーナー
良かったよ〜! BIGBANG!! もちろんみんな素敵だったけど、テソンが素敵すぎる
そんなわけで来年3月のソロライブ予約してみました… 抽選に当たるといいなぁ

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