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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『地図にない町』SFって幅広いのね

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THE COMMUTER AND OTHER STORIES 
1953 フィリップ・K・ディック

SFをあまり読まない私なんですが、P・K・ディックは何冊か持ってます。
しかし完全に内容を覚えていないのだが…
村上春樹さんに凝った時に「読んでる」って書いてあったからだと思うのね…

P・K・ディックは宇宙でドンパチ…という印象が強いんですが
この一冊からはもう少し親しみ易さを感じました。
内容はともかく、とりあえず地球が舞台の話が多かったのでね…

好きだったお話しをご紹介します。

『おもちゃの戦争(The Little Movement)』
ボビィ少年は町でおもちゃの兵隊をひとつ買ってもらいました。
しかし、家に持ち帰ると兵隊は豹変し、ボビィ少年に命令するようになります。
兵隊は仲間の兵隊たちと人間社会を乗っ取る気です。

ASIMOとかムラタセイサクくんがある今、「ありえない」 とは言えないですよね!
明晰な頭脳を持つ小さな兵隊に攻められるって、怖いような可愛いような…
兵隊をやっつける正義の味方もかなり可愛いです。

『名曲永久保存法(The Preserving Machine)』
ラビリンス博士は名曲を後世まで遺したいと思い名曲保存器を製造します。
モーツァルト、ベートーベン、バッハなどの楽譜を奇妙な生物に変えて森に放ったところ
生物たちは野生化して、森はとんでもないことになります。

ものすごい良音で場所もとらずに音楽が保存できる今、そんな回りくどいこと…と
思いがちですが、昔の人々にとっては夢みたいなことだったんでしょうね?
でも1950年代って蓄音機は無かったのかしら?
現代には100年前の人から見れば魔法みたいな商品が山のようにありそうですね。

『ありえざる星(The Impossible Planet)』
アンドリュウ船長の船に350歳になるゴードン夫人がやってきて
死ぬ前に伝説の星、地球へ行きたいと言います。
大金に目が眩んだ船長は、地球によく似ているエムファー3星を選び向かいました。
しかしその星の没落ぶりにゴードン夫人は…

地球の寿命ってあと何年でしたっけ? その後にはこんなことがおこるのかしら?
星の最後は粉々に砕け宇宙に飛び散るんだと思っていましたが
廃墟になったうら寂しい星のたたずまいを想像すると
一種のロマンを感じないでもないですね。

未来の戦争や宇宙の駐屯地をテーマにした話もあれば、不思議な機械の話あり
ギリシャ神話をモチーフにしたもの、怪奇小説のような話、超能力など
一般人が不思議に感じるものを幅広く描いております。

本当にあったら東スポが黙っていなそうな内容が盛りだくさん!!で
面白かったですよ。
あと2冊短篇集があるのでいつか読んでみます。

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