NINETEEN EIGHTY-FOUR
1949年 ジョージ・オーウェル
恐ろしい小説ですが、ただの独裁国家批判小説とは思えない… というか
批判してるんですかね?
最初に言っとくとハッピーエンドではありません。
舞台はオセアニア国の首都ロンドン。
主人公ウィンストン・スミスが暮らしているのが勝利マンションズで勤務先は真理省。
話す言葉は “ 新語法 (ニュースピーク)” 、一息つきたくなったら “ 勝利ジン ”
国では “ 憎悪週間 ” を迎えようとしていました。
オセアニア国は常にいずれかの隣国と戦争中で国威発揚が叫ばれています。
党の最高指導者B.Bのポスターとスローガンが至る所に貼られています。
ウィンストンたちの暮らしは屋内に取り付けられたテレスクリーンで完全に監視され
朝の体操から煙草の銘柄、出かける場所などありとあらゆる面で管理されています。
なんていうか… 「こうすれば独裁体制は安泰!!」っていう教科書みたいよ。
ウィンストンは39歳の男性で、記録局というところで働いています。
政府の刊行物を政府に都合良く修正(改ざん)するのが仕事です。
両親と妹は第一次大粛正の時に姿を消したようですがはっきり覚えていません。
物語はウィンストンが決死の覚悟で日記を書くところから始まります。
これはものすごく危険なことで “ 思想警察 ” に知られたら大変なことになります。
同僚も友人もいつ密告者に変わるかわからず、誰も信用できません。
ウィンストンは地下組織として国家転覆を図る “ 兄弟同盟 ” に入ろうとします。
兄弟同盟に実態はありませんが、噂は広くはびこり公然の敵とされています。
けれども信じた相手が悪かった…
ウィンストンは逮捕され、洗脳され、釈放されて… 過去の政治犯と同じ末路をたどります。
主な登場人物を書きますね。
誰がウィンストンを陥れたのでしょうか?
魅力的な女性でありながら “ 青年反セックス連名 ” の活動をしているジューリア。
けれども彼女はいきなりウィンストンに愛を告白します。
ジューリアは国の体制になんら疑問はないようですが、実は快楽が好きな女性でした。
“ 党内局 ” で重要なポストを占めているオブライエンは、どこかユーモラスで魅力的です。
ウィンストンはオブライエンが自分と同じような考えを持っているのでは…と
思うことがあります。
仕事熱心な同僚のチロットソンは口をきいたこともありませんが
彼はウィンストンに敵意のある視線を送ります。
夢見がちで頼りない同僚アンプルフォースは詩の改ざん版を制作しています。
彼は過去のイギリスの詩について語る時幸せな表情を見せます。
サイムはウィンストンの友人で調査局に勤めています。
政府には忠実で新語法にのめりこんでいます。
しかし、ウィンストンはサイムがすぐに密告者に変わるタイプだと気づいています。
マンションの隣人パーソンズは政府のために骨身を惜しまず活動しています。
気の弱そうな妻と、政府のプロパガンダを完全に信じている子供たちがいます。
ウィンストンとジューリアが人目を忍んで会うために借りた部屋がある
“ プロレ街 ” の古道具屋の主人チャリントンは過去の遺物のような人です。
粛正以前のことを覚えていて、懐かしそうに話します。
以上、主だったところを書いてみましたが、この中の何人かはまさに思想警察の中枢で
ウィンストンのような政治犯に容赦はしません。
手順に従って徹底的に潰します。
逆に何人かはウィンストンが収容所で会うことになります。
皆不安げで、“ 101号室行き ” を心底恐れています。
ウィンストンも最後には101号室に行かされるんですけどね…
でもそれが終わりじゃないの… 怖いわぁ。
『メトロポリス』的なラストを予想していましたが、全く違ったですよ。
確かに『メトロポリス』は政治というより経済格差が焦点だったけど…
しかし… 私は最初にハッピーエンドじゃないと書きましたが、もしかして…
こういう社会を当然視していて、謳歌していて、何も不自由を感じていない人には
反逆者が哀れな末路をたどって社会秩序が保たれるって、良いことかもね?
民主主義が正解で、共産主義・独裁が誤り、というのはこっちサイドの見方であって
国家にとって何が良いのかは、学者さんによって見解が異なるんでしょうね?
私はやっぱり、自由にものが言える世の中が好きですね。 好きですが…
こうもトップが入れ替わり、どいつもこいつも長続きしない(させない)政府を見てると
「もう! 独裁者でもいいから長続きする指導者が欲しいよ!」なんて思っちゃうけど
国民が自由な独裁体制ってあるんだろうか?
1949年 ジョージ・オーウェル
恐ろしい小説ですが、ただの独裁国家批判小説とは思えない… というか
批判してるんですかね?
最初に言っとくとハッピーエンドではありません。
舞台はオセアニア国の首都ロンドン。
主人公ウィンストン・スミスが暮らしているのが勝利マンションズで勤務先は真理省。
話す言葉は “ 新語法 (ニュースピーク)” 、一息つきたくなったら “ 勝利ジン ”
国では “ 憎悪週間 ” を迎えようとしていました。
オセアニア国は常にいずれかの隣国と戦争中で国威発揚が叫ばれています。
党の最高指導者B.Bのポスターとスローガンが至る所に貼られています。
ウィンストンたちの暮らしは屋内に取り付けられたテレスクリーンで完全に監視され
朝の体操から煙草の銘柄、出かける場所などありとあらゆる面で管理されています。
なんていうか… 「こうすれば独裁体制は安泰!!」っていう教科書みたいよ。
ウィンストンは39歳の男性で、記録局というところで働いています。
政府の刊行物を政府に都合良く修正(改ざん)するのが仕事です。
両親と妹は第一次大粛正の時に姿を消したようですがはっきり覚えていません。
物語はウィンストンが決死の覚悟で日記を書くところから始まります。
これはものすごく危険なことで “ 思想警察 ” に知られたら大変なことになります。
同僚も友人もいつ密告者に変わるかわからず、誰も信用できません。
ウィンストンは地下組織として国家転覆を図る “ 兄弟同盟 ” に入ろうとします。
兄弟同盟に実態はありませんが、噂は広くはびこり公然の敵とされています。
けれども信じた相手が悪かった…
ウィンストンは逮捕され、洗脳され、釈放されて… 過去の政治犯と同じ末路をたどります。
主な登場人物を書きますね。
誰がウィンストンを陥れたのでしょうか?
魅力的な女性でありながら “ 青年反セックス連名 ” の活動をしているジューリア。
けれども彼女はいきなりウィンストンに愛を告白します。
ジューリアは国の体制になんら疑問はないようですが、実は快楽が好きな女性でした。
“ 党内局 ” で重要なポストを占めているオブライエンは、どこかユーモラスで魅力的です。
ウィンストンはオブライエンが自分と同じような考えを持っているのでは…と
思うことがあります。
仕事熱心な同僚のチロットソンは口をきいたこともありませんが
彼はウィンストンに敵意のある視線を送ります。
夢見がちで頼りない同僚アンプルフォースは詩の改ざん版を制作しています。
彼は過去のイギリスの詩について語る時幸せな表情を見せます。
サイムはウィンストンの友人で調査局に勤めています。
政府には忠実で新語法にのめりこんでいます。
しかし、ウィンストンはサイムがすぐに密告者に変わるタイプだと気づいています。
マンションの隣人パーソンズは政府のために骨身を惜しまず活動しています。
気の弱そうな妻と、政府のプロパガンダを完全に信じている子供たちがいます。
ウィンストンとジューリアが人目を忍んで会うために借りた部屋がある
“ プロレ街 ” の古道具屋の主人チャリントンは過去の遺物のような人です。
粛正以前のことを覚えていて、懐かしそうに話します。
以上、主だったところを書いてみましたが、この中の何人かはまさに思想警察の中枢で
ウィンストンのような政治犯に容赦はしません。
手順に従って徹底的に潰します。
逆に何人かはウィンストンが収容所で会うことになります。
皆不安げで、“ 101号室行き ” を心底恐れています。
ウィンストンも最後には101号室に行かされるんですけどね…
でもそれが終わりじゃないの… 怖いわぁ。
『メトロポリス』的なラストを予想していましたが、全く違ったですよ。
確かに『メトロポリス』は政治というより経済格差が焦点だったけど…
しかし… 私は最初にハッピーエンドじゃないと書きましたが、もしかして…
こういう社会を当然視していて、謳歌していて、何も不自由を感じていない人には
反逆者が哀れな末路をたどって社会秩序が保たれるって、良いことかもね?
民主主義が正解で、共産主義・独裁が誤り、というのはこっちサイドの見方であって
国家にとって何が良いのかは、学者さんによって見解が異なるんでしょうね?
私はやっぱり、自由にものが言える世の中が好きですね。 好きですが…
こうもトップが入れ替わり、どいつもこいつも長続きしない(させない)政府を見てると
「もう! 独裁者でもいいから長続きする指導者が欲しいよ!」なんて思っちゃうけど
国民が自由な独裁体制ってあるんだろうか?