THE HANDMAID'S TALE
1985年 マーガレット・アトウッド
なにジャンルの小説なんでしょうね?
政治的なものなのか、フェミニズムなのか、娯楽小説… ってことはないか?
『1984年』っぽい感じもするし、『愛の嵐』的な雰囲気もありそうだし…
ともあれ、いろいろな側面から読めるおもしろい小説でした。
あらすじは長〜くなりそうなので、やめときます。
どうしてこんなことになったか… っていうのだけ書いてみますね。
舞台は旧アメリカ合衆国です。
大統領が暗殺されたり、町に軍服の人間がやたら増えたりと不穏な空気が漂い始めていた
ある日突然、女性は銀行口座を凍結されて仕事も解雇されます。
つまり、完全に男性の所有物になることを強いられたわけ。
どうやら原因は、出産率の低下と人口の激減にあったようです。
さらに、新たに “ ギレアデ ” となった国家の主導者はキリスト教を盾に、というか
新解釈で、人々を厳しい戒律と制度のもとに支配し始めます。
文字は読んでも書いてもダメで、雑誌・新聞禁止はおろか標識・店の看板も絵のみ。
男性と女性が勝手に会ったり結婚したり、それどころか目を合わせてもダメ
軍での功績をたたえられた人とか特権階級の男性たちのみが
男性から隔離されて育った白い服の “ 花嫁 ” をあてがわれることになります。
では、結婚していた人たちは?
指導部や特権階級の人たちはそのまま結婚生活を送ります。
妻が着るのはブルーの服で、未亡人になると黒い服を着ます。
貧しい人たちの妻は “ 便利妻 ” と呼ばれ、赤青緑のストライプの服を着ています。
独身女性で、年配だけど働ける者は、緑の服の “ 女中 ” になります。
働けないと “ 不完全女性 ” となってコロニーに送られます。
さて、“ 侍女 ” なんですけど、彼女たちは若くて子供が生めそうな女性、あるいは
生んだことがある女性です。
主人公の “ わたし ” 通称オブフレッドは、夫と幼い娘とカナダに逃亡しようとして捕まり
家族と引き離され、赤いセンターに送られて教育を受け、侍女になりました。
侍女が何するか? っていうと(もうわかったと思いますが)子供を産むわけさ。
それも相手の軍上層部とか特権階級の人の家に部屋を与えられ、女中に世話をしてもらい
食事には良いものを食べさせてもらい… いい身分に思えますね。
けれど、好きなものを食べたり好きな所へ出かける自由は無く
父親になる相手とは二人きりで会ってはならず、決められた日に、服は脱がず
(年配の)妻の上に仰向けになり…
まさに “ 種を入れさせ、腹の中で育てる ” というのが仕事なのね。
子供を生む時は、やはり妻の前に座って産み、子供はすぐに妻に渡されるという仕組み。
バーカーバーカーしぃー! でも規則でちゃんと決められてるわけさ。
この話しが恐ろしいのは、ほんの数年前まで、この国は “ あの ” アメリカだった…
というところではないでしょうか?
だから十代ぐらいの子まで、自由で男女平等なアメリカを覚えてるし
好きな雑誌を読み、好きなだけ情報を手に入れていたことを忘れていないわけですよね。
でも、ほんの数年でプロパガンダが功を成し、密告や公開処刑が行われる状況で
みんなすっかり(表向きは)従順で禁欲的で清貧になってしまってるのね。
こわいよぉぉぉ… 人間てけっこう弱い生き物なのね。
こんな世の中がいいわけない! と思ってる人はいっっっっぱいいるわけで
この物語、どうなっていくんでしょう? と思いながらワクワク読んでいましたが
残りのページ数が少なくなっていくとともに、読めない展開に不安と焦りが募りました。
で、ラストにいきついても、本当のところどうなったのかわかんないんだけど
勝手に想像するしかないので、わたしはハッピーな方に解釈します。
女性をこんなに差別的に扱うとは! と怒り心頭の方も多いかもしれませんね。
フィクションですってば! 作り話ですから、ね!
ただ、ぜったいあり得ない話って思えないのが不安だわ…
まあ、私は侍女になることはないのだが…
侍女といえば、愛妾コーナーで出てくる愛妾が、けっこう王妃とか王女の侍女をしてて
王様の愛人になってるのよね。
この小説の侍女は、まったくもって宮廷の侍女とは仕事が異なるわけですが
近からずとも遠からず… って感じでしょうか?
さらに付け加えとくと、世界から見てもおかしな状態の国に、日本人観光客が訪れ
侍女に「写真撮らせてくれる?」とか聞いちゃうあたり…
当時よっぽどイメージ悪かったのね〜
こんな世の中が来るのか来ないのか…
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね
ひとこと科学の進歩っておそろしいコーナー
うかうかとピースサインができないなんて… スマホで写真がきれいに撮れるからって喜んでばかりもいられないっすね
だからって裏ピースも国によってはタブーみたいだし… これからは小さい♥でいくしかないね!
1985年 マーガレット・アトウッド
なにジャンルの小説なんでしょうね?
政治的なものなのか、フェミニズムなのか、娯楽小説… ってことはないか?
『1984年』っぽい感じもするし、『愛の嵐』的な雰囲気もありそうだし…
ともあれ、いろいろな側面から読めるおもしろい小説でした。
あらすじは長〜くなりそうなので、やめときます。
どうしてこんなことになったか… っていうのだけ書いてみますね。
舞台は旧アメリカ合衆国です。
大統領が暗殺されたり、町に軍服の人間がやたら増えたりと不穏な空気が漂い始めていた
ある日突然、女性は銀行口座を凍結されて仕事も解雇されます。
つまり、完全に男性の所有物になることを強いられたわけ。
どうやら原因は、出産率の低下と人口の激減にあったようです。
さらに、新たに “ ギレアデ ” となった国家の主導者はキリスト教を盾に、というか
新解釈で、人々を厳しい戒律と制度のもとに支配し始めます。
文字は読んでも書いてもダメで、雑誌・新聞禁止はおろか標識・店の看板も絵のみ。
男性と女性が勝手に会ったり結婚したり、それどころか目を合わせてもダメ
軍での功績をたたえられた人とか特権階級の男性たちのみが
男性から隔離されて育った白い服の “ 花嫁 ” をあてがわれることになります。
では、結婚していた人たちは?
指導部や特権階級の人たちはそのまま結婚生活を送ります。
妻が着るのはブルーの服で、未亡人になると黒い服を着ます。
貧しい人たちの妻は “ 便利妻 ” と呼ばれ、赤青緑のストライプの服を着ています。
独身女性で、年配だけど働ける者は、緑の服の “ 女中 ” になります。
働けないと “ 不完全女性 ” となってコロニーに送られます。
さて、“ 侍女 ” なんですけど、彼女たちは若くて子供が生めそうな女性、あるいは
生んだことがある女性です。
主人公の “ わたし ” 通称オブフレッドは、夫と幼い娘とカナダに逃亡しようとして捕まり
家族と引き離され、赤いセンターに送られて教育を受け、侍女になりました。
侍女が何するか? っていうと(もうわかったと思いますが)子供を産むわけさ。
それも相手の軍上層部とか特権階級の人の家に部屋を与えられ、女中に世話をしてもらい
食事には良いものを食べさせてもらい… いい身分に思えますね。
けれど、好きなものを食べたり好きな所へ出かける自由は無く
父親になる相手とは二人きりで会ってはならず、決められた日に、服は脱がず
(年配の)妻の上に仰向けになり…
まさに “ 種を入れさせ、腹の中で育てる ” というのが仕事なのね。
子供を生む時は、やはり妻の前に座って産み、子供はすぐに妻に渡されるという仕組み。
バーカーバーカーしぃー! でも規則でちゃんと決められてるわけさ。
この話しが恐ろしいのは、ほんの数年前まで、この国は “ あの ” アメリカだった…
というところではないでしょうか?
だから十代ぐらいの子まで、自由で男女平等なアメリカを覚えてるし
好きな雑誌を読み、好きなだけ情報を手に入れていたことを忘れていないわけですよね。
でも、ほんの数年でプロパガンダが功を成し、密告や公開処刑が行われる状況で
みんなすっかり(表向きは)従順で禁欲的で清貧になってしまってるのね。
こわいよぉぉぉ… 人間てけっこう弱い生き物なのね。
こんな世の中がいいわけない! と思ってる人はいっっっっぱいいるわけで
この物語、どうなっていくんでしょう? と思いながらワクワク読んでいましたが
残りのページ数が少なくなっていくとともに、読めない展開に不安と焦りが募りました。
で、ラストにいきついても、本当のところどうなったのかわかんないんだけど
勝手に想像するしかないので、わたしはハッピーな方に解釈します。
女性をこんなに差別的に扱うとは! と怒り心頭の方も多いかもしれませんね。
フィクションですってば! 作り話ですから、ね!
ただ、ぜったいあり得ない話って思えないのが不安だわ…
まあ、私は侍女になることはないのだが…
侍女といえば、愛妾コーナーで出てくる愛妾が、けっこう王妃とか王女の侍女をしてて
王様の愛人になってるのよね。
この小説の侍女は、まったくもって宮廷の侍女とは仕事が異なるわけですが
近からずとも遠からず… って感じでしょうか?
さらに付け加えとくと、世界から見てもおかしな状態の国に、日本人観光客が訪れ
侍女に「写真撮らせてくれる?」とか聞いちゃうあたり…
当時よっぽどイメージ悪かったのね〜
こんな世の中が来るのか来ないのか…
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね
ひとこと科学の進歩っておそろしいコーナー
うかうかとピースサインができないなんて… スマホで写真がきれいに撮れるからって喜んでばかりもいられないっすね
だからって裏ピースも国によってはタブーみたいだし… これからは小さい♥でいくしかないね!