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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『ボートの三人男』ダルッダルの川上り

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THREE MEN IN A BOAT 
1889年 ジェローム・クラプカ・ジェローム

やーっとポーランド王妃シリーズが終わったので、久々に感想文です。

この『ボートの三人男』は、面白くないわけではないのですが
もしも私がイギリス人、もしくはイギリスで暮らしていたらもっと面白かっただろうし
19世紀に生きていたらさらに面白く読めたはず。

“ ぼく ” という語り手と、ジョージとハリスという友人が、どうも体調が優れないので
休息が必要だという結論に至ります。
そこでいろいろ検討した結果、テムズ川で2週間の休暇を過ごそうということになります。

物語の大筋は、行程や持ち物や食事の計画を立て準備をして、いざ出発。
ボートをこぎながらオクスフォードへ向かい、ロンドンへ戻って来るまで。
以上です。

川岸にある歴史的な土地の名前とエピソードが英国感を煽ります。
当時在位中のヴィクトリア女王のことから、遡ってエリザベス1世やチャールズ1世、
チャールズ2世、ジェイムズ2世のエピソードや、もっともっと遡ってウィリアム1世や
サクソン王にまつわる土地の話しなどもちりばめられていますし
町の名所や見どころも紹介されています。

しかし、これがボートでテムズ川を下ろう(上ろう)としている人々の
良いガイドブックになり得たかというと、そうでもなさそうです。

三人の男性が、皆自分が他の二人より勝っていると思っていることと
できるだけ他の二人より楽をしようとする姿勢が、この旅をおもしろ可笑しくしています。

それから、かなり多くちりばめられている、語り手、ジョージとハリス、その他知人の
失敗談やおもしろエピソードが、しばしば「川の話しだった」ってことを忘れさせます。

ただ、19世紀には、そこそこお金を持っている家庭の少年たちは
ボートを習うのが当たり前だったんだな… ということはわかりました。

それから、やはり都市は川の側から出来て、川の側で繁栄してきたんだなぁ… と
再認識しました。 思い出すわぁ… チグリス・ユーフラテス川

ロンドンから地方の都市へ列車で移動していると、テムズ川の支流というのが現れて
なんの変哲もないものから屋根がついた可愛らしいものまで、ボートが浮いていた光景を
思い出しました。 ただそれがどこだかは知らないのだが…
現代でもイギリスの方々にとって、テムズ川は特別な川なのでしょうね?

ラストは、この三人ならではの終わり方、って感じです。
お気楽… たぶん、いいとこのお子さんだったんでしょうね。

ひとことラグビーコーナー
私はたいがいのメジャースポーツは(テレビで)観戦&応援した経験があるのですが、アメフトとラグビーは
無かったのねぇ… だけどさすがに今回のラグビーは応援したんだけど… ボーナスポイントってなんなのよぉ!

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