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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『窓から逃げた100歳老人』強運と幸運が長寿をつくる!

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HANDRAARINGEN SOM KLEV UT GENOM FONSTRET OCH FORSVANN 
2009年 ヨナス・ヨナソン

人間って、何も病気をしなければ120歳ぐらいまで生きられるらしいですね。

この物語は、そんな病気知らずの100歳の老人アラン・カールソンが主人公。
病気知らずでまだまだ元気ってだけでもすごい幸運なのに
このじいさん、ちょー幸運というか、度を超した幸運の持ち主です。

物語は、100歳の誕生日をむかえたカールソンが、老人ホームで開かれる
自分の誕生パーティの直前に窓から逃げ出すところから始まります。
題名どおりですね。

着の身着のままで出て来たカールソンは、何か着るものが入っているかも…と
バス停で会った若者がトイレに入っている間に彼のスーツケースを持って
出発直前のバスに乗り込みます。

しかし、そのスーツケースに入っていたのは着るものや靴ではなくて…
カールソンは悪の組織に追われることになります。

カールソンが追われながらいろいろな人に出会って逃げ回る約2ヶ月の日々と
これまで生きてきた100年の出来事が交互に描かれながら物語は進むのですが
どっちもラッキーすぎる!!

まず現在のカールソンですが、最初のスーツケースの置き引きなんてかわいいもんで
その後はもっと犯罪がエスカレートしていくわけよ。
しかもすべてうまい具合に偶然が重なり、警察やマスコミの目をすり抜けていきます。

そしてこれまでの100年!
フランコ将軍、トルーマン、宋美鈴、江青、チャーチル、スターリン、金日成
金正日、毛沢東、ド・ゴール、リンドン・ジョンソン などなど
そうそうたるメンバーと渡り合い、何度も危険に遭いながら生き延びてきた!!

運が強い! 強すぎる!!

しかもカールソンがいなかったら、ナガサキ・ヒロシマはなかったかもしれないし
スペイン革命は違う方へ動いていたかもしれないし
中国と台湾も今みたいな関係になっていなかったかもしれないとは…
おそるべき老人カールソン… そばでこんな過去を語られたら病院に入れちゃいそうだ。

私は常々 “ 抱腹絶倒 ” とか “ 涙が止まりませんでした、笑いで ” みたいなオビは
信用しちゃならんね! と思っていましたが、今回ほど痛切に感じたことはありません。

ナンセンス小説だからと目くじらをたてなければ面白いのかもしれませんね。
でも、私は「フィクションだ!」と開き直られちゃってるみたいに思えて
なんだかバカにされたみたいな悔しさを感じています。
100歳の老人が世に出て織りなす含蓄のあるストーリーを期待した私がバカでした。

ユーモアがわからない私が読んで悪かったよ。
最後に、失礼を承知で言えば、1,500円返してほしい…

ひとことクラフトコーナー
こないだホビーショーに行ってワークショップでがま口作りました
私はがま口あんまり得意じゃないんだけど20分でできた! 針も糸も使わないでできるなんて! 勉強になったわ~

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