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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『片恋・ファウスト』話はここからじゃないのぉ?

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АСЯ,ФАЧСТ 
ツルゲーネフ

表題の2篇がおさめられている一冊ですが、『片恋』は以前書いたので割愛します。

で、『ファウスト(ФАЧСТ)/1855年』ですけど…
うーん… ものたりない、というのが正直な感想です。

物語は、9年ぶりに領地のM村に戻ったBという青年が
ペテルブルクにいるVという友人に宛てて書いた手紙の形式で進んでいきます。

長閑な村に帰って感傷に浸り「なにもやる気なーい」という手紙から始まり
6日後の手紙には、ばったり大学時代の同窓生に出会った話が書かれています。

大学時代の友人プリイームコフは、人は善いのですが頭からっぽ、という人物で
その彼から、妻がヴェーラ・ニコラーエヴナだと聞かされBはビックリ!

Bは若い頃ヴェーラと結婚したいと考えたことがありました。
そこで彼女の母親に結婚の許しをもらいに行ったのですが
バッサリ断られたという過去があります。
ヴェーラは当時から、母親に畏怖の念を抱いていて言いなりでした。

「もう過去だしのことだし…」というわけでプリイームコフの邸を訪ねたBは
三人の子の母になっても初々しい、少女のようなヴェーラと再会します。

最初はどちらかというとヴェーラを客観的に見ていたようなBの手紙の内容が
どんどん変化していくわけなのですが、それは書かないよ〜。
たぶん、誰もが思う通りに進んでいくと思いますが…

そして、思ったほどのすったもんだが無いまま、悲劇的なラストが訪れるわけですが
私としては、ここからが楽しそうなのに! と歯ぎしりせずにはいられません。
ここまでは序章でしょ?

いや、ここで終わるからこそ悲恋小説なのだ、ということなのかしら?
そりゃあ私は若くはありませんが、やっぱり現代人なので、もう少し刺激がほしいですね。

ツルゲーネフは、奔放な女性が好みのタイプのような気がしてましたが
清純で敬虔な女性の方が理想的だと考えていたのでしょうか?
『貴族の巣』のリーザもそんな感じだけど…

そういえば、『貴族の巣』にはワルワーラ、『春の水』にはマーリヤという
主人公の対極にいる女性が登場して、それが面白かったのよね。
今回はそういう女性がいないのが、面白味が欠けた要因のひとつかも。
なんにでも魔性の女を登場させりゃいいと言っているわけではありませんが…

あ、なんで『ファウスト』かっていうと、主人公がドイツから持ち帰った本で
本を一冊も読んだことがないというヴェーラに読み聞かせてあげるのね。
で、ヴェーラがファウストのある場面に自分を重ねちゃう、
重ねちゃって取り乱しちゃう、というわけなのですが
私は『ファウスト』を読んだことないので、なぜそうなるのかよくわかりませんでした。
だから、解説終わり

ひとことRobiコーナー
無趣味に近いうちの旦那さんが、週刊Robi再刊行版を買って来ました
第一号で造るのは目ん玉だけ! 先は長そうですが、どうか最後まであきらめないで造りあげてほしい
Robiってこの子です 

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