THE ASSISTANT
1957年 バーナード・マラマッド
今まで短篇ばかり読んできたマラマッドの長篇を初めて読んだ感想は…
この本、感想を書くのが難しい〜
短篇でグッときた、まっすぐで我慢強いユダヤ人たちを凝縮したような主人公の
頑張って生きているのに上手くいかないことの悲しさが全篇に溢れている一冊でした。
あらすじを書きますね。
60歳のモリス・ボーバーという男性がいます。
彼は若い頃アメリカに渡ってきたユダヤ人で、食料品店を営んでいます。
ボーバーの食料品店は良い時も悪い時もありましたが、生活はずっとカツカツでした。
そして今はどん底… 近所に新しいドイツ人経営の食料品店がオープンして
少なかったお客までもっていかれました。
口やかましい妻アイダはそんな亭主をあきらめていますが
やはり人並みの生活がしたいのよ!というわけで
店を売りたがり、娘には良い相手と結婚してもらいたいと望んでいます。
一人娘のヘレンは23歳の美しい女性ですが、大学をあきらめて就職し
同じことを繰り返す毎日と悪くなる一方の家の状況に、絶望さえ覚えていました。
ボーバーが店を開いているブロックはユダヤ人街ではありませんが
隣ではジュリアス・カープというユダヤ人が酒屋を営んで繁盛しています。
そしてドイツ人に近所の店を売ったのはこの人、ってわけで、ボーバーは彼が嫌いです。
その隣ではサム・パールというユダヤ人がキャンディ・ショップをやっています。
商売はそこそこですが、競馬にめっぽう強くてそちらで食べているという噂です。
アイダは、羽振りの良いカープの跡取り息子ルイスか
奨学金で大学に通い、ゆくゆくは弁護士になるであろうパールの息子ナットと
ヘレンを結婚させたがっています。
物語冒頭、ボーバーの貧しい暮らしと哀しいやりくりが細か〜く描かれていて
読んでるこっちまでドーンと落ち込みそうな雰囲気
いい人なんだけどね…
その上、ボーバーは強盗にあって大けがをする始末… とことん不運。
ただでさえ稼ぎの無い店で怪我人抱えてどうするの? というところで
ふらりとフランク・アルバインという青年が現れます。
彼はたびたび店に来るうちに、どーにもこーにも強引に店員になってしまいます。
将来店をやりたいから、ただでもいいから、モリスがよくなるまで…
でも、これは本音じゃないらしい… では目的はなんでしょうね?
はしょりますけど、物語はこの後もボーバー一家をおそう不幸と不運のオンパレードで
けっして楽しい展開ではないです。
だからあらすじはおいといて気になったことだけ書いちゃうわね。
しつこいほど書いてますけど、私は韓国ドラマ大好き!
見どころは、なんといってもヒロインに献身的な男性陣です。
特に、 “ 影からヒロインを見つめる ” 攻撃と “ 好きだ!って言い続ける ” 攻撃、
“ どこへでもついて行く ” 攻撃なんですけどね。 羨ましいったらありゃしない。
とにかくいつも近くにいるのよぉ、旦那に言わせりゃストーカーってことになるんですが…
なんだけど、映像で観てると素敵なことが、文字で読むと恐ろしいぞ…
ご想像通り! フランクはヘレンを想うようになりまして
店員になった時同様の粘り強さと強引さを発揮するんだけど、そしてとても献身的なんだけど
これが(私は)かなり気持ち悪かったんですよね。
騎士道精神とか、人生を捧げる愛とか、だぶんハーレクィン・ロマンスなんかにもあって
ときめく内容になってるのでしょうけど、これはそうじゃない…
なぜだかはわかりません。
ただ、フランクという人のキャラクターにその行動が似会わないような気がしています。
どうなんだろう? 映像になったらフランクの行動も「これこそ愛 」って思えるかしら?
確かに、映像は文章よりストレートに心にうったえかけられるしね。
でも文章は映像より細かい心の動きが感じられそうだし… 難題です。 今後の課題にします。
暗い、暗いと書きましたが、けっして面白くないわけではないのでね。
なんだかんだ言ってするする読み終えました。
街の片隅で生きる名も無き一家をテーマにして、ほぼその家だけが舞台になっているのに
ちゃんと読み応えがある物語になっているあたり、さすがです。
それから、登場人物の箇々のパーソナリティーが明確で入り込み易かったです。
こんな終わり方ってひどい〜… と思った後も物語は続きまして
最後は少しだけ明るい未来、いや、微々たる光が見えるラストが訪れます。
この一家の今後に幸あれ! と祈るばかりです。
ところでこの本、表紙も銀の箔とか使っちゃって立派なんですが
中面に光沢の真っ白い紙使ってるんですよね。
紙は普通でいいからもう少し安くしてくれるとありがたいんだけどなぁ…
ひとことK-POPコーナー
SHINeeのオニュが『ミス・コリア』のOSTで歌ってるじゃないですかぁ『Moonlight』
ここ何日かずーっと聞いてるんですけど、やっぱりきれいな声ですよねぇ… 癒されるわぁ
1957年 バーナード・マラマッド
今まで短篇ばかり読んできたマラマッドの長篇を初めて読んだ感想は…
この本、感想を書くのが難しい〜
短篇でグッときた、まっすぐで我慢強いユダヤ人たちを凝縮したような主人公の
頑張って生きているのに上手くいかないことの悲しさが全篇に溢れている一冊でした。
あらすじを書きますね。
60歳のモリス・ボーバーという男性がいます。
彼は若い頃アメリカに渡ってきたユダヤ人で、食料品店を営んでいます。
ボーバーの食料品店は良い時も悪い時もありましたが、生活はずっとカツカツでした。
そして今はどん底… 近所に新しいドイツ人経営の食料品店がオープンして
少なかったお客までもっていかれました。
口やかましい妻アイダはそんな亭主をあきらめていますが
やはり人並みの生活がしたいのよ!というわけで
店を売りたがり、娘には良い相手と結婚してもらいたいと望んでいます。
一人娘のヘレンは23歳の美しい女性ですが、大学をあきらめて就職し
同じことを繰り返す毎日と悪くなる一方の家の状況に、絶望さえ覚えていました。
ボーバーが店を開いているブロックはユダヤ人街ではありませんが
隣ではジュリアス・カープというユダヤ人が酒屋を営んで繁盛しています。
そしてドイツ人に近所の店を売ったのはこの人、ってわけで、ボーバーは彼が嫌いです。
その隣ではサム・パールというユダヤ人がキャンディ・ショップをやっています。
商売はそこそこですが、競馬にめっぽう強くてそちらで食べているという噂です。
アイダは、羽振りの良いカープの跡取り息子ルイスか
奨学金で大学に通い、ゆくゆくは弁護士になるであろうパールの息子ナットと
ヘレンを結婚させたがっています。
物語冒頭、ボーバーの貧しい暮らしと哀しいやりくりが細か〜く描かれていて
読んでるこっちまでドーンと落ち込みそうな雰囲気
いい人なんだけどね…
その上、ボーバーは強盗にあって大けがをする始末… とことん不運。
ただでさえ稼ぎの無い店で怪我人抱えてどうするの? というところで
ふらりとフランク・アルバインという青年が現れます。
彼はたびたび店に来るうちに、どーにもこーにも強引に店員になってしまいます。
将来店をやりたいから、ただでもいいから、モリスがよくなるまで…
でも、これは本音じゃないらしい… では目的はなんでしょうね?
はしょりますけど、物語はこの後もボーバー一家をおそう不幸と不運のオンパレードで
けっして楽しい展開ではないです。
だからあらすじはおいといて気になったことだけ書いちゃうわね。
しつこいほど書いてますけど、私は韓国ドラマ大好き!
見どころは、なんといってもヒロインに献身的な男性陣です。
特に、 “ 影からヒロインを見つめる ” 攻撃と “ 好きだ!って言い続ける ” 攻撃、
“ どこへでもついて行く ” 攻撃なんですけどね。 羨ましいったらありゃしない。
とにかくいつも近くにいるのよぉ、旦那に言わせりゃストーカーってことになるんですが…
なんだけど、映像で観てると素敵なことが、文字で読むと恐ろしいぞ…
ご想像通り! フランクはヘレンを想うようになりまして
店員になった時同様の粘り強さと強引さを発揮するんだけど、そしてとても献身的なんだけど
これが(私は)かなり気持ち悪かったんですよね。
騎士道精神とか、人生を捧げる愛とか、だぶんハーレクィン・ロマンスなんかにもあって
ときめく内容になってるのでしょうけど、これはそうじゃない…
なぜだかはわかりません。
ただ、フランクという人のキャラクターにその行動が似会わないような気がしています。
どうなんだろう? 映像になったらフランクの行動も「これこそ愛 」って思えるかしら?
確かに、映像は文章よりストレートに心にうったえかけられるしね。
でも文章は映像より細かい心の動きが感じられそうだし… 難題です。 今後の課題にします。
暗い、暗いと書きましたが、けっして面白くないわけではないのでね。
なんだかんだ言ってするする読み終えました。
街の片隅で生きる名も無き一家をテーマにして、ほぼその家だけが舞台になっているのに
ちゃんと読み応えがある物語になっているあたり、さすがです。
それから、登場人物の箇々のパーソナリティーが明確で入り込み易かったです。
こんな終わり方ってひどい〜… と思った後も物語は続きまして
最後は少しだけ明るい未来、いや、微々たる光が見えるラストが訪れます。
この一家の今後に幸あれ! と祈るばかりです。
ところでこの本、表紙も銀の箔とか使っちゃって立派なんですが
中面に光沢の真っ白い紙使ってるんですよね。
紙は普通でいいからもう少し安くしてくれるとありがたいんだけどなぁ…
ひとことK-POPコーナー
SHINeeのオニュが『ミス・コリア』のOSTで歌ってるじゃないですかぁ『Moonlight』
ここ何日かずーっと聞いてるんですけど、やっぱりきれいな声ですよねぇ… 癒されるわぁ