THE COAST OF CHICAGO
1981〜1990年 スチュアート・ダイベック
例によって紀伊国屋書店で衝動買いしてしまった一冊ですが、すごく不思議な読後感です。
すごーく面白いか? 好きな話か? と聞かれたら、そうでもないのですが
良い後味が残っています。
内容云々というより、印象に残る一行が多い… という感じでしょうか?
アル中、ヤク中、暴力的な映画やら男に襲われそうになって死んだ娘などなど
決して美しいものがテーマではないのに、なんだかきれいな詩を読んだみたい。
吟味に吟味を重ねた単語をつなげて書いているというわけでもなさそうなのですが
なぜかいちいち心にひっかかりました。
六つのショートショートと六つの短篇、二つの連作から構成されていて
どれが一番好きとかそうでもないとかいうのは難しいのですが…
気になったものをいくつかあげてみますね。
『荒廃地域(Blight)』
朝鮮戦争とベトナム戦争の間のある年、町が公認荒廃地域に指定された。
バットで頭を殴られてから有名人や聖人を見続けているジギー、
モリーナに恋をし続けているペパー、完成しない小説を書き続けているディージョと
4人でバンドを結成し、荒廃団(ブライターズ)と名付けた。
これは以前、『and other stories』で読んだ時には、特に良いと思わなかったのですが
この短篇集で読んだらとても印象的だったのよね。
訳者(柴田元幸氏)も同じなのに… やはり同時掲載作品とか掲載順て重要なんですね。
若者がアメリカ的無茶をやっているようで、かなりせつない物語に思えます。
『夜鷹(Nighthawks)』
これは九つのお話しから成る連作で、各々に関連性はないけれど
主に夜中の風景・眠れない人たちがテーマになっています。
特に好きだったのは『不眠症』という話で
これはもう、完全にホッパーの “ ナイトホークス ” の世界!
これね! これがこのまんま頭の中に浮かびます。
『熱い氷(Hot Ice)』
これも五つのお話しからなる連作で、こちらは続き物です。
ええっとですね、これは、最初に書いたアル中、ヤク中、死んだ娘云々に加えて
刑務所に入ったイッちゃってる人が登場する話で、けっこうワイルドな内容なのですが
たとえば、娘が死んでいる情景がオフィーリアの絵画みたいに頭に浮かんだりして
おとぎ話的にキレイな印象が残っています。
『ペット・ミルク(Pet Milk)』
インスタントコーヒーにペットミルクを入れて飲んでいる。
ペットミルクがコーヒーの中で描く渦を見るのが好きだ。
ガールフレンドと通ったチェコ料理店のカクテルで見た渦を思い出す。
貧しいわけではないの、渦が好きなの。
コーヒーではなく、ミルクの渦にこだわる… 違いがわかる人ではないが詩的ではある。
私は “ ワル ” とかダーティーさを全面に押し出す話はあまり好きではないのですが
この一冊はまったく不快感を感じずに読み通せました。
話の中に垣間見える風景や情景が美しく儚く感じられたのが大きかったような気がします。
それが文章によるものだとしたらまさにペンによるミラクル!
柴田元幸さんは(背表紙によると)これまで訳した中で最高の一冊と断言していらっしゃる。
申し訳ないことに、私にとっては最高の一冊ではないのですが
ダイベックがとても気になる作家になったことは間違いない! と断言できます。
ひとことK-POPコーナー
BSで東方神起の日産スタジアムのライブやってたのを録っていたので観てみました。 さすがにすごーい迫力!
ところで 日産スタジアムって何人入るの? 後ろの方の人見えるのかしら? ドームだって小さ〜いのに
1981〜1990年 スチュアート・ダイベック
例によって紀伊国屋書店で衝動買いしてしまった一冊ですが、すごく不思議な読後感です。
すごーく面白いか? 好きな話か? と聞かれたら、そうでもないのですが
良い後味が残っています。
内容云々というより、印象に残る一行が多い… という感じでしょうか?
アル中、ヤク中、暴力的な映画やら男に襲われそうになって死んだ娘などなど
決して美しいものがテーマではないのに、なんだかきれいな詩を読んだみたい。
吟味に吟味を重ねた単語をつなげて書いているというわけでもなさそうなのですが
なぜかいちいち心にひっかかりました。
六つのショートショートと六つの短篇、二つの連作から構成されていて
どれが一番好きとかそうでもないとかいうのは難しいのですが…
気になったものをいくつかあげてみますね。
『荒廃地域(Blight)』
朝鮮戦争とベトナム戦争の間のある年、町が公認荒廃地域に指定された。
バットで頭を殴られてから有名人や聖人を見続けているジギー、
モリーナに恋をし続けているペパー、完成しない小説を書き続けているディージョと
4人でバンドを結成し、荒廃団(ブライターズ)と名付けた。
これは以前、『and other stories』で読んだ時には、特に良いと思わなかったのですが
この短篇集で読んだらとても印象的だったのよね。
訳者(柴田元幸氏)も同じなのに… やはり同時掲載作品とか掲載順て重要なんですね。
若者がアメリカ的無茶をやっているようで、かなりせつない物語に思えます。
『夜鷹(Nighthawks)』
これは九つのお話しから成る連作で、各々に関連性はないけれど
主に夜中の風景・眠れない人たちがテーマになっています。
特に好きだったのは『不眠症』という話で
これはもう、完全にホッパーの “ ナイトホークス ” の世界!
これね! これがこのまんま頭の中に浮かびます。
『熱い氷(Hot Ice)』
これも五つのお話しからなる連作で、こちらは続き物です。
ええっとですね、これは、最初に書いたアル中、ヤク中、死んだ娘云々に加えて
刑務所に入ったイッちゃってる人が登場する話で、けっこうワイルドな内容なのですが
たとえば、娘が死んでいる情景がオフィーリアの絵画みたいに頭に浮かんだりして
おとぎ話的にキレイな印象が残っています。
『ペット・ミルク(Pet Milk)』
インスタントコーヒーにペットミルクを入れて飲んでいる。
ペットミルクがコーヒーの中で描く渦を見るのが好きだ。
ガールフレンドと通ったチェコ料理店のカクテルで見た渦を思い出す。
貧しいわけではないの、渦が好きなの。
コーヒーではなく、ミルクの渦にこだわる… 違いがわかる人ではないが詩的ではある。
私は “ ワル ” とかダーティーさを全面に押し出す話はあまり好きではないのですが
この一冊はまったく不快感を感じずに読み通せました。
話の中に垣間見える風景や情景が美しく儚く感じられたのが大きかったような気がします。
それが文章によるものだとしたらまさにペンによるミラクル!
柴田元幸さんは(背表紙によると)これまで訳した中で最高の一冊と断言していらっしゃる。
申し訳ないことに、私にとっては最高の一冊ではないのですが
ダイベックがとても気になる作家になったことは間違いない! と断言できます。
ひとことK-POPコーナー
BSで東方神起の日産スタジアムのライブやってたのを録っていたので観てみました。 さすがにすごーい迫力!
ところで 日産スタジアムって何人入るの? 後ろの方の人見えるのかしら? ドームだって小さ〜いのに