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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『終わりなき夜に生まれつく』やっぱりミステリーだったのかぁ

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ENDLESS NIGHT 
1967年 アガサ・クリスティ

題名がステキじゃない? と思って買いましたけど…
メアリ・ウェストマコット名義で書かれたものだとばかり思っていたのですが
読んでみるとクリスティ名義なのかなぁ?
今のハヤカワ文庫のクリスティシリーズは表紙がまぎらわしいと思うの。

かいつまんで書いてみますね。

マイケル(マイク)・ロジャーズという若者がいます。
彼は転々と職を変えていて、今は金持ちのお抱え運転手をしています。

マイクは何気なく行った町で競売にかけられていた朽ち果てた屋敷〈ジプシーが丘〉の
景観に惹かれ、再度訪れた時にフェニラ(エリー)という女性に出会います。

マイクはエリーに〈ジプシーが丘〉がどんなに美しく生まれ変わるか語り
知人の天才建築家サントニックスの話をします。

マイクとエリーは約束を交わして別れ、その後頻繁に会うようになります。
若い二人の想いは膨らむばかり…

ある日エリーが「〈ジプシーが丘〉を買った」と言います。
実はエリーはアメリカの大富豪の一人娘で、成人に達したら莫大な遺産を手にします。

ものすごーく身分違いの二人なのですが、韓流ドラマ的すったもんだも何もなく
あっさり結婚することになりました。

今までのデート、そして結婚に際して二人のためにお膳立てしてくれたのは
エリーの世話係をしているグレタという女性です。
マイクはエリーがあまりにもグレタを信頼しすぎていると危機感を覚えます。

二人は至る所に旅行に行き、マイクは贅沢を満喫します。
そうこうしている間に〈ジプシーが丘〉の立て替えは終わり
新しい生活がスタートします。

しばらくすると、幸せな二人にいくつかの不安が影を落とします。
まずはグレタの登場… ロンドンで再就職すると言っていたグレタを
怪我をしたエリーが呼び寄せ、滞在は長引いていきます。
グレタについてはエリーの信託管理人リッピンコットも警戒していました。
マイクはグレタと怒鳴りあいまでおこしてしまいます。

次にジプシーの老婆エスター・リーの出現。
彼女は最初に〈ジプシーが丘〉でマイクに会ったときも、次にエリーに会った時にも
二度と近づくなと警告したのに二人がやってきたことに怒っていて
呪いの言葉をかけて脅します。
エリーはとても怯えていました。

その他の登場人物もあらすじもごっそり省きますが、エリーは亡くなってしまうのね。
落馬事故なんですが、どうやらエスターがからんでいるようです。

ここまで読んでいて「あれれ…?」って思いました?
そうなんですよねぇ、『愛の探偵たち』の『管理人の事件』にソックリなのよね。
私も途中で結末がわかってしまいました。

内容は『管理人の事件』、展開は『アクロイド殺し』という感じでしょうか。
あ! クリスティ好きにはもう見えちゃいましたね!!

クリスティの推理小説には同じ話が数バージョンあったり
短篇を膨らまして中篇・長篇にしたりということがよくありますが
何度読んでも面白いというのが持論でした。

でも、これはなぁ… なんだか違和感があります。
どうしてだか自分でもわからないのですが、敢えて言うなら
ミステリーではないという先入観が強かったせいかもしれません。
私の読書姿勢によるもので、けっしてクリスティのせいではないと思うけど…

それから、クリスティらしいユーモアみたいなものがあまり感じられなかったかな?
似ているだけに、『管理人の事件』とのギャップが気になりました。
ま、これも、二つの作品を別物として考えられない私が間違っているのかもしれません。

ところでさ、リッピンコット氏もマイクのお母さんも
何かを察知していたなら教えてあげたらいいんじゃないかと思うわ。
そうしたら若い娘が命を落とすこともなかったんじゃないの?

ひとことK-POPコーナー
録画していた『アメトーーク』のハードロック芸人を見ていたら、やっぱりハードロックはいいよねぇ
久々に聞いてみようと思っているのですが、昨日SHINeeの『EVERYBODY』がきたもので… リピってしまうのね

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