TEN SELECTED LOVE STORIES
村上春樹さんが集めたラブストーリーをおさめている短篇集です。
あ! 「編者の意図をまったくわかってない!!」と叱られたくないので
村上春樹さんファンは読まないで飛ばしていただいた方がお互い幸せかと…
最初にちらっと見た時、表紙が竹久夢二だったので
てっきり村上春樹さんの新刊かと思ったのですが翻訳本でした。
ギャップを漂わせつつ『恋しくて』感を醸し出していますね? 違う?
実はおさめられているのはアメリカの作家の小説だけではありません。
ロシア、カナダ、スイスの作家の作品が1篇づつと
村上春樹さん自身の書き下ろしが入っています。
恋や愛をテーマに集められた10話ですが、各作品の印象はかなり違います。
私はアリス・マンロー以外の作家は読んだ記憶が無いのですが
どの方の物語もかなり面白かったです。
特に印象が強かったいくつかをご紹介します。
『愛し合う二人に代わって(The Proxy Marriage)/マイリー・メロイ』
ウィリアムはハイスクール時代にブライディーに恋をしました。
けれども自分に自信が無くなかなか告白することができません。
イラク戦争が始まりました。
ウィリアムはブライディーの父親から代理結婚の相談を持ちかけられ
ブライディーと二人で何回も代理結婚式を挙げました。
この物語は何年にもわたっていて、途中主人公二人は離ればなれになるのですが
帰省中とかクリスマス休暇に代理結婚式を挙げています。
戦地に赴いた若者の切実な思いが二人を忙しくさせているわけで…せつないですね。
それはさておき、私はこれが10篇の中では一番単純明快なラブストーリーだと思います。
『L・デバードとアリエット_愛の物語
(L.Debard And Aliette-A Love Story)/ローレン・グロフ)』
1918年のニューヨークで、43歳の水泳の元メダリストで詩人のL・デバードは
病気で足が悪い16歳の資産家令嬢アリエットの水泳コーチをすることになりました。
水泳の上達とともにアリエットの足は良くなり、二人は愛し合うようになります。
アリエットが妊娠したことがわかると二人は資産家のもとを逃げ出しました。
生まれた息子にはコンパスという名前をつけたいとアリエットが言います。
韓国ドラマが好きだったりするわりに “ 永遠の愛 ” に懐疑的なんですよね。
信じられます? いつまでもいつまでも一人の相手を想い続けるなんてねぇぇぇ
ま、そうでないとドラマは面白くないわけなんだが…
この物語は短篇とはいえけっこう長いお話で、ハッピーエンドではない(と思う)のですが
後日談がとても美しい一篇でした。
『ジャック・ランダ・ホテル(The Jack Randa Hotel)/アリス・マンロー』
ゲイルは、若い演劇人サンドラと逃げて行った夫ウィルを追うため
ブティックを売り変装してオーストラリアまでやって来ました。
すでに死亡していた見知らぬ女性にウィルが送った手紙を手に入れたゲイルは
その女性の部屋を借り、女性に成りすまして返事を書きます。
ストーカーみたいに思えるかもしれないけど、そうとは言えない興味深い内容。
初老の捨てられた妻の奮闘ぶりをそんなふうに思ってもらっちゃ困るのよ。
書かれている通りにラストを迎えるのであればバンザーイ(ザマミロ)! なんだけど
終わらなそうな余韻があるんですよねぇ。
夫の母、夫と若い女性の現在、下の階の住人のことを隠し味のように効かせていて
一番多面的な物語に思えました。
アリス・マンローがノーベル文学賞だってね! さすが!! って思える一篇。
あとはさらっと気になる二篇を…
『恋と水素(Love And Hydrogen)/ジム・シェパード』は
有名なヒンデンブルク号を舞台にしている物語です。
愛と爆発事故がどうリンクしているんでしょうか? 気になるでしょ?
『恋するザムザ(Samsa In Love)/村上春樹』
一行目で笑っちゃったんですけど、笑っていいとこですよね?
ただ物語が進むにつれてしんみりしちゃいました。
今後の二人をものすごく応援したい… せめて再会して!
村上春樹さんが各小説に解説をつけていて、恋愛甘味度というのを☆で示しています。
これはブログを書くまでは見ないようにしようと思ってまだ読んでいませんので
どう考えていらっしゃるかは不明… まったく違ってたらどうしよう〜 恥ずかしいな。
思春期の少年のほろ苦い片思い、発展したらドロドロになりそうな淡い三角関係、
同棲を始めたばかりの若いカップル、不倫を終わらせようと思っている男女、
ぜったいにバレてはならない状況下での同性愛など、恋愛のパターンはいろいろ。
どちらかというとドラマチックな盛り上がりはない物語が多いですが
実際のの恋愛はわりと淡々と進むものよね?
恋愛中の人もそうでない人も、ハルキストじゃない人も読んじゃって下さい。
短篇集としてとても面白いです。
こういうふうにテーマ別で短篇をまとめてくれるとありがたいですね。
表現する人によってどれだけ違う印象を与えてもらえるのか考えるだけでわくわくします。
今思い浮かぶリクエストとしては、子どもが主役の短篇集と酒飲みが主役の短篇集ですね。
ひとことK-POPコーナー
『EVERYBODY』のしおり可愛いね! ちなみに私はオニュでした
ポスターとトレカはあきらめるけど、しおりはコンプリートしたい気分…
村上春樹さんが集めたラブストーリーをおさめている短篇集です。
あ! 「編者の意図をまったくわかってない!!」と叱られたくないので
村上春樹さんファンは読まないで飛ばしていただいた方がお互い幸せかと…
最初にちらっと見た時、表紙が竹久夢二だったので
てっきり村上春樹さんの新刊かと思ったのですが翻訳本でした。
ギャップを漂わせつつ『恋しくて』感を醸し出していますね? 違う?
実はおさめられているのはアメリカの作家の小説だけではありません。
ロシア、カナダ、スイスの作家の作品が1篇づつと
村上春樹さん自身の書き下ろしが入っています。
恋や愛をテーマに集められた10話ですが、各作品の印象はかなり違います。
私はアリス・マンロー以外の作家は読んだ記憶が無いのですが
どの方の物語もかなり面白かったです。
特に印象が強かったいくつかをご紹介します。
『愛し合う二人に代わって(The Proxy Marriage)/マイリー・メロイ』
ウィリアムはハイスクール時代にブライディーに恋をしました。
けれども自分に自信が無くなかなか告白することができません。
イラク戦争が始まりました。
ウィリアムはブライディーの父親から代理結婚の相談を持ちかけられ
ブライディーと二人で何回も代理結婚式を挙げました。
この物語は何年にもわたっていて、途中主人公二人は離ればなれになるのですが
帰省中とかクリスマス休暇に代理結婚式を挙げています。
戦地に赴いた若者の切実な思いが二人を忙しくさせているわけで…せつないですね。
それはさておき、私はこれが10篇の中では一番単純明快なラブストーリーだと思います。
『L・デバードとアリエット_愛の物語
(L.Debard And Aliette-A Love Story)/ローレン・グロフ)』
1918年のニューヨークで、43歳の水泳の元メダリストで詩人のL・デバードは
病気で足が悪い16歳の資産家令嬢アリエットの水泳コーチをすることになりました。
水泳の上達とともにアリエットの足は良くなり、二人は愛し合うようになります。
アリエットが妊娠したことがわかると二人は資産家のもとを逃げ出しました。
生まれた息子にはコンパスという名前をつけたいとアリエットが言います。
韓国ドラマが好きだったりするわりに “ 永遠の愛 ” に懐疑的なんですよね。
信じられます? いつまでもいつまでも一人の相手を想い続けるなんてねぇぇぇ
ま、そうでないとドラマは面白くないわけなんだが…
この物語は短篇とはいえけっこう長いお話で、ハッピーエンドではない(と思う)のですが
後日談がとても美しい一篇でした。
『ジャック・ランダ・ホテル(The Jack Randa Hotel)/アリス・マンロー』
ゲイルは、若い演劇人サンドラと逃げて行った夫ウィルを追うため
ブティックを売り変装してオーストラリアまでやって来ました。
すでに死亡していた見知らぬ女性にウィルが送った手紙を手に入れたゲイルは
その女性の部屋を借り、女性に成りすまして返事を書きます。
ストーカーみたいに思えるかもしれないけど、そうとは言えない興味深い内容。
初老の捨てられた妻の奮闘ぶりをそんなふうに思ってもらっちゃ困るのよ。
書かれている通りにラストを迎えるのであればバンザーイ(ザマミロ)! なんだけど
終わらなそうな余韻があるんですよねぇ。
夫の母、夫と若い女性の現在、下の階の住人のことを隠し味のように効かせていて
一番多面的な物語に思えました。
アリス・マンローがノーベル文学賞だってね! さすが!! って思える一篇。
あとはさらっと気になる二篇を…
『恋と水素(Love And Hydrogen)/ジム・シェパード』は
有名なヒンデンブルク号を舞台にしている物語です。
愛と爆発事故がどうリンクしているんでしょうか? 気になるでしょ?
『恋するザムザ(Samsa In Love)/村上春樹』
一行目で笑っちゃったんですけど、笑っていいとこですよね?
ただ物語が進むにつれてしんみりしちゃいました。
今後の二人をものすごく応援したい… せめて再会して!
村上春樹さんが各小説に解説をつけていて、恋愛甘味度というのを☆で示しています。
これはブログを書くまでは見ないようにしようと思ってまだ読んでいませんので
どう考えていらっしゃるかは不明… まったく違ってたらどうしよう〜 恥ずかしいな。
思春期の少年のほろ苦い片思い、発展したらドロドロになりそうな淡い三角関係、
同棲を始めたばかりの若いカップル、不倫を終わらせようと思っている男女、
ぜったいにバレてはならない状況下での同性愛など、恋愛のパターンはいろいろ。
どちらかというとドラマチックな盛り上がりはない物語が多いですが
実際のの恋愛はわりと淡々と進むものよね?
恋愛中の人もそうでない人も、ハルキストじゃない人も読んじゃって下さい。
短篇集としてとても面白いです。
こういうふうにテーマ別で短篇をまとめてくれるとありがたいですね。
表現する人によってどれだけ違う印象を与えてもらえるのか考えるだけでわくわくします。
今思い浮かぶリクエストとしては、子どもが主役の短篇集と酒飲みが主役の短篇集ですね。
ひとことK-POPコーナー
『EVERYBODY』のしおり可愛いね! ちなみに私はオニュでした
ポスターとトレカはあきらめるけど、しおりはコンプリートしたい気分…