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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『美しきカサンドラ』18世紀の少女の目に映るシビアな恋愛

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JUVENILIA 
ジェイン・オースティン

副題が『ジェイン・オースティン初期作品集』となっていて
長短とりまぜ、18編の作品がおさめられていますが、初期っていっても、あなた!
オースティンが12歳から18歳にかけて書いた物らしいです。

だから、いきなり恋に落ちたりとか、唐突に “ 終わり ” と書かれていたりとか
幼く見える部分もありますが、皮肉たっぷりの人物描写やセリフ
当時の上流社会のおつきあいの難しさや軽薄さの描き方はすごいっす!

恋愛や結婚についても、容姿だけでなく、階級とか家柄含め、すごくシビアで
十代がこんなこと考えて毎日過ごしてたら恐ろしーわ! と思えます。

これが、18世紀の上流の少女たちなら当然持ち得ていた処世術を素直に書いたものなのか
オースティンならではの、おませな観察力によるものかは、正直わかりません。

とは言っても十代の少女が、そんなに広く世間を見ていたとは思えないので
モデルになる女性や、近所のウワサが反映されているはず…
子供だからって、油断して目の前でなんでもおしゃべりしちゃいけないわね。

どの作品でも、後年オースティンの名を世に知らしめた『分別と多感』とか
『高慢と偏見』などに登場する、イヤ〜な感じの人物の、イヤ〜なところを強調した人が
主人公になっていると思っていただいていいと思います。
そうねぇ… 悪口が好きで、うぬぼれてて、条件の良い男性ばかりを気にしてる感じ?
まぁ、女性は本来そういうタイプが多いと思うし、自分がそうでないとは言いません。

オースティンは、それを目一杯、ユーモアたっぷりに描いてます。
小説、書簡小説、戯曲といくつかのタイプがありますが、内容のほとんどが
他の女性の悪口か、結婚相手になりそうな男性の自慢と言えます。
そんなわけで、けっこう笑えます。

とても短い作品も多いので、紹介は省きますが、ひとつだけ気になったものを…

『イングランドの歴史(The History of England)/1790年』
ヘンリー1世からチャールズ1世までの王を、オースティンなりに説明している作品。
書かれていることが本当だとしたら、オースティンは、ランカスター家とテューダー家が
大嫌いで、ヨーク家びいき、ということになります。
また、スコットランド女王メアリー・ステュワートにとても同情的で
エリザベス1世を嫌悪していたということになります。

エリザベス1世のことを書いたところを少し書いてみるね。

“ ヘンリー(8世)の唯一のとりえは、娘のエリザベスほどのひどい悪者ではなかった… ”
“ 人類に対する侮辱、あるいは社会に対する災いともいえるエリザベスによって王位が… ”
ね! 激辛でしょ?

ただ、この作品の中で、オースティンはカトリックをひいきにしていると書いていてますが
お父様とお兄様は牧師なのよね? 牧師はプロテスタントの聖職者ですよね?
だから、どこまで本気かよくわかりませんし、マルッと嘘かもしれないです。

以前読んだ『サンディトン』は、構想メモ的な要素が高かった気がしますが
こちらの一冊におさめられているのは、家族や親しかった人々に捧げられていて
いちおう “ 終わり ” まで書いていますので、少女時代のオースティンが
頭をひねって完成させた、将来のための習作の数々だと考えたいです。

オースティンを研究する方がにとっては好材料だと思いますが、
読み物としてどうなのかという点も含め、よい作品集なのかどうかはわかりません。
でもとても楽しい一冊でした。

ひとこと韓流コーナー
ぜんぜん知らなかったんですけど、ドラマ『深夜食堂』に韓国版があったと知って興味しんしんよぉ!
キム・スンウ様が出てるっていうじゃないのぉ! なぜ視聴率が悪かったんでしょう? BSでやってくれないかな…

ノルウェー王エイリーク2世妃 イサベラ

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           そしてこれはイザベラではなく、14世紀の貴婦人像です

王の未亡人というポジションを選んだ王妃
エイリーク2世妃 イサベラ・ブルース

1272~1358/在位 1293~1299

エイリーク2世は2回結婚しています。
一人目の妃は、スコットランド王アレグザンダー3世王女マーガレットです。

二人目もやはりスコットランドから、後の王ロバート(1世)の姉イザベラを選びました。
目的はスコットランドとの関係改善です。
          
1293年に父親とともにノルウェーに渡り結婚しました。
この時イザベラはものすごくゴージャスなドレスや宝石、金銀の装飾品を持ってったらしく
ノルウェー貴族がびっくりして記録に残しちゃってるぐらいですが
スコットランドってそんなにお金持ち? しかもブルース家はまだ王家じゃないし…

しかし、結婚から6年後、エイリークは亡くなりイザベラは未亡人になります。
イザベラは24歳で、まだまだ再婚ができる年です。
でもイザベラは再婚しませんでした。
しかもスコットランドには帰らず、ベルゲンで余生を送っています。

イザベラは、王妃でいた間はたいして記録が無いらしいのね。
ところが! 未亡人になってからは、けっこうアクティブに暮らしていた様子が
記録されているそうです。
たとえば、王の未亡人として儀式やイベントに参加したりしたそうで
1305年の、ベルゲンの新司教叙任式には王夫妻とともに登場したりしてます。
ホーコン5世とは特に繋がりが見出せないのだけど、仲良かったんですかね?
         
ベルゲンで暮らしていたイザベラは、日頃から寄附を怠らず、お告げをもらったりして
聖職者たちとも良好な関係を築いていたそうです。

旦那さんが亡くなってからやけに元気になっちゃう未亡人王妃がここにもいましたね。
エイリーク2世って亭主関白だったのかしら?

それより、エイリーク2世とイザベラの王女に注目!
       
この家系図、もうスウェーデンとノルウェーが共治に片足つっこんでますね。

娘のインゲボルグは、ホーコン5世の王女インゲボルグとともに
マグヌス7世の摂政を務めています。
だからなのか、1339年にマグヌスはイザベラの要請を聞いて服役者たちに恩赦を与えてます。
実の祖母でもないのにこの影響力!

エイリーク2世も、ホーコン5世も王女しか生まれてないのね。
ノルウェーは女性の王位継承を認めていなかったので、王座はとうとうスウェーデンへ…
この、スウェーデンの用意周到な感じがたまりませんね。

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことテレビコーナー
キーワード検索で出てきた『イラっとくる韓国語講座』を録画したので見てみました! 河本シ、韓国語忘れてない〜! 
スゴーイ! 4回だか5回放送されるそうで楽しみ〜。とりあえず早く夏服を買ってあげて!!

ノルウェー王ホーコン5世妃 ユーフェミア

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自分の好みだからって、そんな…
ホーコン5世妃 ユーフェミア・アフ・リューゲン

1270~1319/在位 1299~1312

これから長々とスウェーデン、あるいはデンマークと共治になる前の最後の王
ホーコン5世妃ユーフェミアは、リューゲン領主ヴィツワフか
アーネスティン伯ギュンターの娘さんだと言われていますが
とりあえずリューゲンの方で話しを進めていきたいと思います。

1299年にホーコンと結婚した直後にエイリーク2世が亡くなり
ホーコン5せいの即位とともに王妃になりました。
        
ユーフェミアは、芸術面に造詣が深かったことで有名だそうです。
また、読書を愛し、膨大な蔵書を抱えていて、そのコレクションは
当時のヨーロッパでは最大級クラスだったそうです。

また、騎士文化を愛していて、ノルウェーで騎馬試合のトーナメントを開きました。
騎士を描いたいくつかのバラッドをノルウェー語に訳しています。
“ ナイト ” が好きだったってことね?
かなりロマンティストな方だったんじゃないかしら?
ハーレクィンシリーズ的な読み物があったら、すごくハマっていたかもしれませんね。

ステキな男性を夢みるっていうのは、いくつになってもウキウキするものです。
まったく問題ないんだけどさ…

ユーフェミアは、スウェーデン王マグヌス3世の王子エリクの
騎士っぽいたたずまいが大好きで大好きで、自分が嫁げないなら…と考えたかどーかは
知りませんが、一人娘インゲボルグのお婿さんに選んでしまいました。
娘より20歳も年上ですよ!
まぁ、自分が浮気に走るよりはいいのかもしれないけど…
でも大好きな人が娘婿っていうのもどーよ?

で、上の肖像画ですけど、お母さまの大好きな人に嫁がされてしまった
娘さんのインゲボルグでございます。

そして、ここからの道のりですが
マグヌス4世妃ブランカ・アフ・ナミュールはこちら
ホーコン6世妃マルグレーテはこちらをごらん下さい。

その後、デンマーク王妃が2人続いた後は、カール1世妃カタリーナ&クリスティーナ
そしてクリスティアン2世妃ドロテア・アフ・ブランデンブルクからはずーっとデンマーク
カール2世妃ヘドヴィク・エリザベットからは、しばらくスウェーデン…
ノルウェー王妃編なのに…

でも、安心して下さい。
次回ノルウェー単独王が登場しますよ!

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことマグロコーナー



今日だんなさんとお出かけした帰りに日吉東急に寄ったら、黒山の人だかりが… マグロ解体ショーだって!!
ベスポジではないけれど初めて目の前で見ました。 でかいよね! 部位争奪ジャンケンには参加しませんでした

『ゴーリキー短篇集』時は革命20年前

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マクシム・ゴーリキー

ゴーリキーは、『世界短編名作選 ロシア編』を読んで
絶対他の物語を読もうと思っていて、以前、長篇『母』を読んだのですが
短篇集も一緒に買っておきざりにしていました。

20代の頃の短篇が、7篇おさめられているのんですが
『零落者の群』というお話しはかなり長いので、別でご紹介します。

ゴーリキーが、いったいどの階級に属していたのかは知らないんですが
そして今後もたぶん調べないのですが、労働者、それもどちらかというと、季節労働者や
日雇いの貧しい労働者、放浪者などをテーマにしたものが多かったです。

その他6篇の中で『秋の一夜(ある秋のこと)』は、『世界短編名作選』で読んでいますが
やはり、とっても良い話しでした。

その他印象に残ったお話しをいくつか…

『イゼルギリ婆さん/1895年』
仕事を終えて次の仕事へ移動する間、ベッサラビヤの夜の海岸で
干からびたようなイゼルギリ婆さんの話しを聞く。
何千年も生き続けなければならない暴漢ラルラ、若い頃の婆さん、愛したポーランド人
青い炎になった若者の英雄など、婆さんの話しは尽きない。

解説によると、ゴーリキーは若い頃放浪したそうで、こういう不思議な話しや
土地に伝わる話しをたくさん聞いたのでしょうね。
そういうのはいいのだが、老人の若い頃の話しを聞いてあげるなんて… エラいわぁ…

『チェルカッシ/1895年』
埠頭の中を、ボロを纏って歩き回るチェルカッシは、名うての泥棒で
その夜の相棒を探していた。
そんな彼に、やはりすり切れた服を着た若者が声をかけてくる。
金持ちの農家の娘が待つ田舎へ帰って結婚するために、大金を手に入れたいと言う。

この話し、前半はあんまり好きじゃなかったんですよね。
でも後半、チェルカッシの男前ぶりが炸裂します。
ある意味、英雄伝と言えそうですが、その後の彼がどうなったか気になるところ…

『二十六人の男と一人の少女/1899年』
暑く暗い地下室で、一日中機械のようにパンをこしらえる、貧しい二十六人の男たちの
唯一の光は、毎朝パンをもらいにくる、十六歳の小間使いターニャだけだけで
誰もが彼女を崇め、敬い、言うことを聞いてあげた。
ある日、待遇のいい白パン製造場に、兵隊上がりの洒落者が入ってきた。

うぅぅぅむ… 女性側から言わせてもらうと、ターニャを責められない気がします。
自分を崇拝してくれるからって、付き合うのにいい人とは限らないものね。
まぁ、そのオシャレな男もどうかと思うけれども、何事も経験ということで…

たぶん、ゴーリキーは、貧しい人々の怒りや哀しみとともに
逞しさと崇高さを描く作家のように思えます。
私が読んだ数少ない作品にに限っていえば、ということになりますが、
面と向かって、政府や社会に反感をぶつけているようには思えません。

それが、検閲とかそういう政治的理由に因るものか、あるいは
ゴーリキーの作風に因るものかはわかりませんが、私は、それがかえって好きですね。

ドストエフスキーみたいに、いきなり内容に関係なく、延々と改革論とか語られたりすると
どうしてもそこを飛ばして読みたくなっちゃうのよね。
当時の庶民には、切実で重要なことだったのかもしれないですけど…

これらの物語が書かれた約20年後にロシア革命がおこって、帝政は倒れます。
若きゴーリキーは、そんな空気を感じ取っていたのかしら? どうかしら?

ひとこと通販コーナー


運動神経悪い芸人で見てからものすごく踏んでみたくて、とうとうAmazonで買ってしまった! ブツブツマット
まさかあそこまで… と思っていましたが、芸人さん並みに苦しむだんなさんを見て、嘘じゃなかったんだと納得しました



効果があるのかどうかは別として…

ノルウェー王ホーコン7世妃 モード

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勝手知ったる母の実家に嫁いだ王妃
ホーコン7世妃 モード・アフ・ノルジ

1869~1938/在位 1905~1938

一気に時代がとびますよぉ

スウェーデンとの共治時代が終わり、やっっっと、ノルウェー単独王登場です。
ノルウェーの独立は、スウェーデン王オスカル2世が理解を示し、尽力してくれて達成され
本当はスウェーデン王家から王をむかえたかったそうなんですが
結局デンマーク王フレデリク8世の次男カールを王にむかえることになりました。

カールはホーコンに改名してノルウェー王に即位しました。
ちなみに母親はスウェーデン王女ルイーセです。 入り組んでますわね。

そんなホーコン7世の妃は、イングランド王エドワード7世王女モードです。
お母さまはデンマーク王女アレグザンドラで、ホーコン7世とモードはいとこ同士ですね。

        
モードは、エドワード7世とアレグザンドラからかなり自由に育てられ
元気旺盛な王女で、ハリーというあだ名がついていました。

モードは、毎年のように里帰りしていた母アレグザンドラと一緒にデンマークを訪れていて
いとこのホーコンとはよく会っていたでしょうね?
ホーコンの方が3歳年下なので、お姉さんぶっていたかもしれませんね。
もしかして恋愛結婚なのかしら?

27歳の時にバッキンガム宮殿で結婚式を挙げています。
ホーコンはまだカールという名で、デンマーク海軍の将校でした。
なので、結婚後はデンマークで暮らしていました。
毎年訪れて慣れ親しんでいる場所へ嫁ぐのって、まったく知らない国へお嫁に行くより
気が楽かしらね? それとも未知の世界へ踏み出してみたかったかしら?

1905年、カールがにホーコン7世として即位し、ノルウェーで暮らすようになりました。
モードは、いつまでも故郷イングランドを愛していましたが
素早くノルウェー王妃という立場に順応していきました。

少女時代はおてんばだったモードですが、王妃になってからは
シックな女性だと評判だったようです。

子供と動物のための協会を設立するなどの慈善活動に精を出し
音楽家や芸術家への奨学金をだすなどしています。

嫁いだ時には、夫は次男だし、王になることはないかも… なんて思ってたかもしれませんね。
でも、さすが王女、ちゃんと王妃としての勤めを果たしました。

しかしやはり故郷は恋しい、ってことで、オスロの宮廷に
イングリッシュ・ガーデンを造ったりしています。
ちょこちょこ里帰りはしてたみたいですけどね。

モードは、1937年に甥のジョージ6世の戴冠式に参列しましたが
それがイングランドの公式行事で見られた最後の姿でした。
翌年、誕生日の6日前にロンドンで亡くなりました。 69歳でした。
戴冠式からずっとイングランドにいたのか、たまたま里帰りしてたのかわかりませんが
遺体はオスロに運ばれ埋葬されました。

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
INFINITE 6TH MINI ALBUM ONLY 到着〜! The Eye はすでにMVで見てましたけれども
相変わらずピシピシっとキマって気持ちいいわ〜 でも、いつも痛そう… ケガに気をつけてね、とか思っちゃう

『零落者の群』貧しき者たちの英雄

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1897年 マクシム・ゴーリキー

この物語は、じつは『ゴーリキー短篇集』の中におさめられている一編なのですが
かなり長いお話で、印象深かったので、一編として紹介しようと思います。

舞台はウェズジャヤ街という、山の手の下にある貧民街で
そんな中でも、特に落ちぶれた感が強い、木賃宿の住人が主人公です。

クヴァルダという、退役騎兵大尉が主人を務める木賃宿があります。

木賃宿というのは、どうやら宿泊費が日払いのようで、一晩寝泊まりするだけの人もいれば
住みついちゃってるような人もいますが、描かれているのは、主に後者の方です。

クヴァルダ以外は、もと教師で現在記者をやっているインテリのチトーフ
もと林務官の60歳の老人シムツォフ、もと監守のマルチャノフ
もと機械工ソーンツォフ、おとなしいキセリニコフ、もと百姓の老人チャパー
破門されたもと補司祭タラス、といった人々が登場します。

クヴァルダとチトーフ以外は、ほとんどが行商人かくず屋で日銭を稼いでいます。
行商するといっても、がらくたみたいなものとか、商店でも買えるものばっかり…
だから、彼らはギリギリの稼ぎしかないし、這い上がれる見込みもありません。

で、あらすじはおいといて、彼らがどうしてこんな身分でいるのかっていうことなんだけど
酒で身を持ち崩した人はさておき、あとは、病人・老人・学問が授けられなかった若者
前科者・出稼ぎに出て来たけど仕事が見つからない… などで
結局、そういう人間は落ちぶれるしかないのだ、という、当時の階級意識と無保証ぶりが
垣間見える内容になっております。

それでも前半は、彼らの哀しくもいきいきした生活ぶりが描かれているような気がします。
もしかしたらチトーフはここから抜け出せるかもしれない…
チャパーは本当に金持ちで、皆を救えるのかもしれない… なんて
夢みがちな考えが浮かんだりもしました。

なんだけど、木賃宿の持ち主の商人ペトゥンニコフが、その辺り一帯を工場にしようと考え
木賃宿を取り壊そうと目論んだところから、物語はガラガラと破滅に向かっていきます。

貧乏人たちの溜まり場の酒場の無学な主人ヴァヴィロフは、せっかくクヴァルダとチトーフが
知恵を授けてやっても、ペトゥンニコフ親子にさっさと丸め込まれてしまいます。

でも、勝負は最初からわかってんのよね。
持てる者と公権が、貧乏人に負けるわけないもの。
それに、貧民街があるよりは、工場がいくつか建つ方が、求人も増えて生産的だしね。

ゴーリキーは、凛とした貧乏人を描きたかったのかしら?
貴族や兵隊たちの中にではなく、貧しい人々の中に英雄を作りたかったのかもしれません。
何も持たなくても臆することなく、負けると知っていても立ち向かい
全てを失っても嘆くことをしないクヴァルダたちを見て、そんな風に思えましたが…

ひとことK-POPコーナー
f(x)ソルリ、2NE1のMINZYの脱退、KARA、4Minuteの解散と、女性グループにもいろいろ動きがあって
一抹の寂しさを感じておりましたが、Secretのソナもですかぁ…
Secretはららぽーとでイベントも見たりしたんだけどな… これからの活動も頑張ってほしいですね

ノルウェー王オーラフ5世妃 マッタ

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お裁縫好きの皇太子妃
オーラフ5世妃 マッタ・アフ・スヴェリエ

1901~1954/在位せず

今回でノルウェー王妃編は終了です。
読んでいただき、ありがとうございました。

現ノルウェー王ハーラル5世のお父様にあたるオーラフ5世の妃は
やはり北欧の王家出身のマッタです。

お父様はスウェーデン王オスカル2世王子、ヴェステルイェートランド公カールで
お母様はデンマーク王フレデリク8世王女インゲボルグです。
オーラフ5世とはいとこ同士になりますね。

         
オーラフとマッタは、こっそり婚約したそうで、その後公に発表されたそうです。
なぜなぜ? 政治的な理由? それとも親の反対を押し切った?

1929年にオスロで結婚式を挙げました。
ノルウェーでロイヤル・ウェディングが行われたのは340年ぶりだったそうです。
ずっと共治だったし、ホーコン7世とモードはバッキンガム宮殿だったしね。
盛り上がったでしょうね!

王の孫で王女の娘で皇太子の奥さまという、すごーいセレブのマッタなんですが
お裁縫が得意だったらしく、自分や子供のお洋服を縫っていたそうですよ!
庶民的で親近感がわきますね! でもすごく高い生地使ってたりして…

第二次大戦前に夫婦でアメリカを訪問し、ルーズヴェルト大統領と親しくなりました。

ドイツが侵攻して来た時、マッタは子供たちを連れてスウェーデンに避難しましたが
快く迎えてくれない人々もいました。
スウェーデンの中立が脅かされると考える人もいましたし
ドイツが国民感情を抑えるために、3歳の王子ハーラルをノルウェー王に指名し
マッタが王子を連れてノルウェーに帰るという噂もたちました。
ビックリしてしまったマッタは、ルーズヴェルト大統領の招待を受けアメリカへ向かいます。
その時夫オーラフは、父王ホーコン7世と、亡命政府とともにイギリスにいました。

ホワイトハウスに滞在した後ポートシティに落ち着いたマッタは
世界にノルウェーを印象づけようと、赤十字などで精力的に活動しました。
ルーズヴェルト大統領は「ノルウェーを見よ!」とスピーチしています。

ゴア・ヴィダルは後に、マッタは「ルーズヴェルトのとって最後の恋だった」と
どこかで書いたそうですが、どうでしょう?
頑張ってる女性を応援しただけかもよ… ロマンティックな話しに水を差して悪いけど…

夫オーラフが、ロンドンで亡命政府とともにレジスタンスをバックアップしていたように
アメリカでノルウェーのレジスタンスををサポートするために活動していたマッタは
戦後帰国すると、ヒーローとして迎えられます。

“ 国家の母 ” と呼ばれ、王太子妃として、亡くなった王妃モードに代わって
王家の女性の勤めをこなしていたマッタでしたがガンを患ってしまいます。
長い闘病生活の末、1954年に亡くなりました。

オーラフは、その3年後にオーラフ5世として即位しました。
1991年に亡くなりましたが、再婚はしていません。

もちろん、どの国の君主の妻も必死だった時代でしょうが
自分たちとともに戦ってくれている! と感じられる人がいると心強いですよね。

               
                   お美しいのでもう1枚

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
東京ドームのDVDがやってきて、ファンクラブ会員限定誌Seekがやってきて 、ティザーもあがって祭り状態の1週間!
しゃをるの皆さーん! いよいよ明日はカムバックですね〜!! もうしばらく浮かれます宣言

スペイン王フェリペ2世王女 イサベラ・クララ

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実は予告ですの…

さあ! 今回からスペイン王女編です…といきたいところなのですが
なにせ上の肖像画のイサベル1世の王女たちから、各国の王妃目白押しなんです。

一応、そのおさらいをしてから… と思ったのですが
フェリペ2世王女イサベラ・クララもけっこうエピソードフルな女性なんで
すごーく長くなっちゃうなぁ… と思い、今回は予告編にしてみました。
すみません。

ではまず、フェルナンド2世とイサベル1世の王女たちから…
長女イサベラはポルトガル王マヌエル1世妃
次女はカスティーリャ女王ファナ・ラ・ローカです。
三女マリアは、姉の後妻となってマヌエル1世妃になります。
マリアと双子の四女は死産でした。
五女カタリナは、悪名高いヘンリー8世の、ひとり目の妃になりました。

続いて、フェリペ1世とファナ・ラ・ローカの王女たち
長女レオノールはフランス王フランソワ1世妃
次女イサベラは、デンマーク王クリスチャン2世妃
三女マリアは、ハンガリー王ラヨシュ2世妃
四女カタリナは、ポルトガル王ジョアン3世妃

続きまして、カルロス1世の王女たち
長女マリアは、神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世皇后
次女ファナは、王妃ではないですが、王太子妃になりました。
三女マルガリータは、王ではないですが、フィレンツェの支配者だった
メディチ家のアレッサンドロの妃になります。

すごいっすね!!
カスティーリャとアラゴンがひとつになり、さらにグラナダを加え
ハプスブルク家と結びついたスペインの強大さを感じさせますね。

さぁ、いよいよフェリペ2世の王女たちの登場です!… って、今から準備します。

               
              なんかカワイイので、もう一枚イサベル1世を…

ひとことK-POPコーナー



7日に来ると思っていたんだけど、まだ来ないよぉ… 『 1 of 1 』 台風とかで船出てない?  ま、まさかの予約忘れ?
とりあえず全曲聞けてますが… 今のところ Don't Let Me Go をすりきれるほどリピってます  早くこないかなぁ

『アリバイ・アイク ラードナー傑作選』少年おじさんは読むべし!

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ALIBI IKE:SELECTED SHORT STORIES 
リング・ラードナー

『呪われた腕』が、どうやら手持ちの『ハーディ短篇集』と同じようだったので買わず
あとは野球とか宇宙とかがテーマだったので、やり過ごしていた村上柴田翻訳堂。
ちょっと目についたので購入てみました。

うーーーーん…
面白くないわけではないんだが,とことん男の人向けですかね?
それも、少年の心を忘れてない感じの、昔のアメリカ映画や大リーグが好きそうな…
すっっっっごく単純な思考ですみません。

野球、ボクシング、映画業界、一目おかれてる男、みたいなテーマが目立ちました。
13篇おさめられていて、どの話しもアメリカーンなジョークっぽい言葉が
ちりばめられていますが、けっこう暗い話しに思えます。
特に好きな話しはないですが、いくつか印象に残ったお話しを…

『この話もう聞かせたかね(Stop Me,If You've Heard This One)』
新進劇作家ブレイズとガーナーは、レストランで紹介された有名な旅行家のオズボーンから
有名人がらみの、数々の面白い話しを聞いた。
お返しにガーナーが、以前体験した不思議なエピソードを聞かせた。

これは、読んでいて展開が見え見えスケスケです。
有名人の中には「◯◯と仲がいい」「◯◯と自分しか知らない」っていう話題で
生き延びてる人がたくさんいるんだろうなぁ…と思えまして…

『金婚旅行(The Golden Honeymoon)』
寒い冬を暖かいところで…という娘夫婦のはからいで、フロリダへ金婚旅行へ。
そこである日、母さんが50年前結婚するはずだったハーツェルとその夫人に出会い
それ以来毎日一緒に行動するようになった。

結婚50周年をむかえた夫婦が、えっちらおっちら旅行する姿を思い浮かべて読みました。
でもこの二人、すごく元気なんだけどね…
じーさんばーさんになっても、こんなに元気に旅行ができるといいですね。

『ここではお静かに(Zone of Quiet)』
夜7時までの勤務の看護婦ミス・ライオンズは、おしゃべりをやめない。
安静にしていなければならない病人に向かってしゃべり続ける。
友人、恋人、夜勤看護婦のことから、死んでしまった以前の患者のことを。

そりゃ死ぬだろうよ!ってぐらいおしゃべりです、この看護婦さん。
しかも内容が、どーでもいいよ なわけ! それをダラダラ…
この患者はすごいお人好しだなぁ、私なら変えてもらう。

全体的に、語り手がずっとしゃべってる、という話しが多く
それ以外でもやけに会話が多いです。 ちょっとウルサく感じました。

野球の話しが四つと、ボクシングの話しがひとつあるのですが、内容はだいたい同じ。
すごい天才なんだけど、それ以外の部分が、なにか欠落してるというか
生きていくのに不適合というか、暴力的だったり…変わってんのね…

ただ、実在の球団や選手の名が出てくるので、好きな人はさらに楽しめると思います。
残念ながら私は苦手でしたが… おじさんでなく、おばさんだからか? 

ひとことノーベル文学賞コーナー
ボブ・ディランて…   選考委員会にとって、ものすごいチャレンジだったでしょうね?
世界中の、作詞に携わっている人々に勇気を与えたかもしれないですね。 でもやっぱり英語が有利なのかな?

スペイン王フェリペ2世王女 イサベル・クララ

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プロモーションを仕掛けた王女
フェリペ2世王女 イサベラ・クララ・デ・アウストリア
オーストリア大公アルブレヒト7世妃

1566〜1633/在位 1598〜1621

先日予告したとおり、今回からはスペイン王女編です。
今回はちょいと長いですよ。

フェリペ2世は4回結婚しています。
一人目の王妃マリア・マヌエラは、悲劇の王子ドン・カルロスを産んで亡くなりました。
二人目のメアリー1世との間にはお子様がおらず、三人目のイサベル・デ・ヴァロア
王女ばかり5人産んでいますが、長女と次女(双子)は流産で、五女も流産でした。

イサベル・クララは三女です。

ドン・カルロスがいるといえ、王子ひとりでは心許ないですよね?
だから絶対王子が欲しかったんじゃないかと思われるんだが
王妃イサベルを溺愛してたフェリペ2世は「息子の誕生より嬉しい」と大喜びしたそうです。

イサベル誕生から2年後、母イサベルが亡くなります。
フェリペ2世はアナ・デ・アウストリアと再婚しましたが、この人が本当によくできた人で
イサベルは両親の愛を受けて過ごすことができました。

フェリペ2世は冷たいイメージがありますが、娘たちのことは愛していたようで
おびただしい数の手紙を送っていたらしい…
手紙には“ お前たちの善き父より ” というサインが添えられていました。

イサベルは、フェリペ2世が自分の仕事を手伝うことを許した唯一の人物でした。
フェリペ2世の晩年は、病に陥る父王をかいがいしく世話していました。

こっからちょっとはしょっていきます。

イサベルは2歳の時から、神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世の皇子、つまり
義理の母の弟にあたるルドルフと婚約していましたが。ルドルフはなんだかんだとはぐらかし
結局20年以上も待たされたあげく、誰とも結婚したくない! と宣言します。
で、フェリペ2世は、その弟のアルブレヒトと結婚するなら、という条件で
イサベルにネーデルラントを与えることにしました。
       
イサベルは33歳の時にアルブレヒトと結婚し、ネーデルラントを共治します。
細かいことは省くけど、アルブレヒトとイサベルは、まだまだハプスブルク本家が力を持つ
南部ネーデルラントを、再びスペイン王領に取り入れたいと考えていました。
ふつうは軍事力に訴えるところですよね?
しかし、イサベルはここで、バロック音楽とか芸術を活用したプロモーションに出ます。

具体的にどういうことをしたのかはわかんないんだけど、ポスターとかグッズかな?
あるいは、音楽に国境はない! 的にコンサートを開いて、南部でファンを獲得したとか?
いちいちK-POPベースでものごとを考えちゃってすみませんね…
二人はこのために、ルーベンスやブリューゲルなどのパトロンもしていたそうです。

また、ブリュッセルに、政治のみならず芸術の中心とも言える宮殿を建てました。
二人の統治時代は、スパニッシュ=ネーデルラントの黄金期と言われています。

1621年にアルブレヒトが亡くなると、スペインの名代として総督になり
ネーデルラントを治めましたが、2年後に亡くなりました。

ちなみに、二人に子供がいなかったので、ネーデルラントはスペイン王の領地になりました。

ちなみに、ちなみに、フェリペ2世は、アンリ3世がお子様を残さずに暗殺されると
サリカ法があるにもかかわらず、イサベルのフランス女王の座を主張していました。

理由は下の家系図をご覧くださいな。
      
愛する娘だからこそ王にしたかったのか、愛する娘でも利用できるものはする!
ということなのか、王様の考えることはよくわからんです。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
BEAST 契約終了かぁ… 時が経つのは早いものよのぉ… ジャネーの法則により、特にそう感じてますけど…
とりあえず、解散はしないでほしいですよね! いい歌いっぱいあるんだから、5人で歌い続けてほしいです

『病短編小説集』“ 家庭の医学 ” もけっこう恐いけど…

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W・アーヴィング/W・S・モーム/J・ロンドン/F・G・スティーヴンソン
A・C・ドイル/A・ヘミングウェイ/S・P・ギルマン/O・ヘンリー/K・ショパン
F・S・フィッツジェラルド/D・レッシング/S・ウォレン/J・アップダイク
(13人中9人がアメリカ作家のため、アメリカの作家のカテゴリーにいれました)

うううぅぅぅぅ… 読んどいてなんだけど、気が滅入るわ…

古い小説には、病気の貴婦人とか紳士がよく登場します。
こっちに言わせりゃ、贅沢病みたいなものが多くて、どこまで病気なんだか… って
感じなんですけど、この一冊の中の作品は、がっつり病気を描いています。

消耗病・結核、ハンセン病、梅毒、神経衰弱、不眠、鬱、癌、心臓病、皮膚病の
九章にわかれていています。 こう書いてあるだけで、けっこう深刻そうでしょ?
各1〜2篇のお話しがあげられています。

既読のものは、モームの『サナトリウム』、フィッツジェラルドの『眠っては覚め』
ヘミングウェイの『清潔な、明かりのちょうどいい場所』の3篇でした。

で、それ以外の中から印象的だったものを…

『脈を拝見(Let Me Feel Your Pulse)/1910年 O・ヘンリー』
医者に勧められた療養所も治療法も気に入らず、南部の大農場で暮らす
義理の兄弟ジョンのところに身を寄せた。
そして病気を治すため、引退した老医者と毎日、魔法の植物を探し求めて歩いた。

メンタルな病&アル中の患者が主人公です。
最初は言葉遊びみたいなセリフが続いて、ちょっとウンザリしてたんですが
最後は(展開まるわかりでしたが)ホッとする話しで終わりました。

『黄色い壁紙(The Yellow Wall-paper)/1892年 S・P・ギルマン』
医者である夫ジョンの勧めで、完全な休養とよい空気のために、夏の間借りた大邸宅。
そしてジョンの選択で、以前子供部屋だった上の階の部屋が、夫婦の寝室になった。
しかし、その部屋のところどころ引きはがされた黄色い壁紙は、どうも気味が悪い。

神経衰弱がテーマなんですが、私は最初から、夫が怪しい!と思ったのよね。
だけど、それが当たっているのか外れているのか、だんだんわからなくなっていく
楽しくはなかったが、目が離せないお話しでした。

『一時間の物語(The Dream of an Hour)/1894年 ケイト・ショパン』
マラード夫人が心臓病を患っていることは皆知っていたので、彼女の夫の事故死を告げる時
妹のジョセフィンと夫の友人リチャーズはとても気をつかった。
夫人は泣き出すと、ひとり自室に閉じこもってしまった。

他のストーリーに比べて、あまり病気の描写は無いストーリーなんですが
結局、夫人の心臓は止まってしまうのね。 すっっごく皮肉がきいたお話しでした。

それ以外に気になったことが…
『癌 ある内科医の日記から』というサミュエル・ウォレンの作品なんですが
1830年に書かれているんですけど、麻酔っていつからあるの?
麻酔無しで手術をする貴婦人の話しで、読んでるだけで恐くて、本、投げ出しそうだったさ。

作家の方々に医療経験者がいたのか、あるいは体験談だったのかは調べてませんが
病気や治療に関することは、間違っていたり誤解を与えやすかったりすると
大変なことになりそうなので、専門書を調べたりして、それぞれ労作だったんでしょうね。

でも、あんまりリアルなものは、やはり避けて通りたいな… と思ってしまいました。

今テレビでお医者さんが出て病気の説明する番組が多いですよね?
全部あてはまってそうで恐ろしいのですが… というわけで、ほとんど見てません。

(今のところ)自分が、どの病気でもないことに、感謝しつつ… 今日はここまで。

ひとことK-POPコーナー
ヨングク、大丈夫かなぁ… パニック障害って治療にどれぐらいかかるのでしょう?
活動休止の後あんなに頑張ってて、カムバックも間近なのに可哀想… でもちゃんと休んで治してほしいですね

スペイン王フェリペ2世王女 カタリーナ・ミカエラ

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キレイなだけじゃない 自己主張王女
フェリペ2世王女 カタリーナ・ミカエラ・デ・アウストリア
サヴォイ公カルロ・エマヌエーレ妃

1567〜1597

フェリペ2世の四女カタリーナ・ミカエラの母親はイサベル・デ・ヴァロア
イサベラ・クララ同様、フェリペ2世と継母アナ・デ・アウストリア
愛に包まれて成長しました。

肖像画からもおわかりいただけると思いますが、カタリーナは大変美しかったらしい。
また、知的で、自分のステイタスを知り尽くしていたそうです。
だからかもしれませんが、かなり尊大な女性だったようです。

カルロ・エマヌエーレは、イタリアにおける領土拡大を考えていて
ぜひスペインの力を借りたいと思ってました。

そこで、ぜったい下心があったと思うけど、フェリペ2世は協力を約束して
カルロ・エマヌエーレとカタリーナの結婚が決まりました。
         
姉のイサベルよりかなり早く、18歳の時に結婚したカタリーナは
トリノで新婚生活をスタートさせますが、なにしろ横柄だったし、式典とかドレスとかに
いちいちスペイン式を取り入れようとするので、すこぶる不人気でした。

イタリア貴族に言わせりゃあ「小娘のくせに…」ってことなんでしょうが
カタリーナはすぐに政治と外交のスキルの高さを見せ始め
次第に宮廷内で尊敬が集まるようになりました。

姉のイサベルといい、カタリーナといい、王子だったらねぇ…
というか、嫁に出さずに女王にしちゃえばよかったのにね!
そしたらスペイン=ハプスブルク家の将来は違ったかもしれない。
ブルボン家にもってかれなかったかもしれないよね。

カタリーナは、父王フェリペ2世とは結婚後も仲良く手紙のやりとりをしていましたが
サヴォイに関する干渉は退け、自主性を主張していました。
トリノにスペイン軍を駐屯させたいという申し入れも拒んでいます。
フェリペの下心、台無し…

カタリーナは、夫カルロにものすごい影響力がありました。
彼女が夫を政治家として成長させたとまで言われています。 度々摂政も務めています。
また、ギャラリーをたくさん増やしたりして、文化面でも功績があります。
お子様も9人生んで、領地の将来も安泰です。

態度はでかいけど、やることはやる!! 誰も逆らえないですね。
会社のトップとかだったらいいけど、 直属の上司だったらいやかも…

              
                 お美しいのでもう1枚

カタリーナは、1597年の一に女の子を流産しますが、どうやら回復しなかったらしく
6月に亡くなりました。 30歳という若さです。 
サヴォイは惜しい人を亡くしましたよね。
夫のカルロ・エマヌエーレ1世は翌年亡くなりました。

フェリペ2世と四人目の妃アナ・デ・アウストリアには、四男一女のお子様が生まれますが
四男フェリペ(3世)以外は幼くして亡くなっています。
王女マリアも3歳で亡くなりました。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことワイルドアニマルコーナー
今日ひさびさに近所でタヌキを見ましたよ! 以前はアライグマとかハクビシンとか見たんだけどね
マンションがけっこう建っちゃって… タヌキ以外は野生と言っていいのかどうだかわかりませんが

『脂肪の塊/ロンドリ姉妹 モーパッサン傑作選』巻末で驚いた!

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BOULE DE SUIF / LES SOEURS RONDOLI 
ギィ・ド・モーパッサン

10篇中8篇は『モーパッサン全集2』で読んでたらしいんだが
『脂肪の塊』以外は覚えてなかったという…

『脂肪の塊』は、何度読んでも良い!! 本当に名作ですね。
フローベールが「後世に残る」と絶賛したと巻末に書いてありました。
さすが、モーパッサンが師と仰いだ方だけあります。

なんだけど、読み返してみて『脂肪の塊』以外はあんまりピンとこず…
もっといい作品もたくさんあると思うんですけど… 傑作選でしょおぉぉ?

印象に残ったお話しをいくつかあげてみます。

『ローズ(Rose)/1884年』
二人の若い婦人のうち「恋愛抜きの人生など考えられない」と言った婦人が語る。
四年前、英国で十年働いていたローズという娘を雇い入れた。
彼女は裁縫も髪結いもドレスの着付けも完璧で、まさに掘り出し物だった。

ちょーっとタネあかしすると、ある事からローズが男だったってことがバレるのね。
今と違っていろいろな技術が発達していない19世紀に、隠し通せるものかしら?
これがどうして恋愛と関係あるかっていうのはヒミツ…

『ロンドリ姉妹(Les Soeurs Rondori)/1884年』
1874年6月、どうしてもイタリア各地を旅行したくなり、友人を誘って出かけた。
しかし、列車の中で出会ったフランチェスカという女性から離れられなくなり
結局3週間ジェノヴァにとどまった。

こういっちゃなんだが、もう少し奥深い話しかと思って読んでたんだけどな。
最初はモームの『クリスマスの休暇』をちょっと思い出したんだけど
かなりベクトルが違ってました。 これ、笑い話なんでしょうね?

『持参金(La Dot)/1884年』
町をあげての結婚式を挙げたシモン・ルブリュマンとジャンヌ・コルディエ。
ジャンヌには約3億円の持参金があった。
甘い1週間を過ごした後、二人はパリへ小旅行に出かけた。

読み始めて早々に、物語の展開は2パターンのうちのどちらかだな… とわかりますよ。
で、すぐにどちらかに絞り込めます。
でも、わかりきっているのに、最後まで面白く読めます。

巻末に年表がついてるんですよね。
書かれた年代とか、ゾラやフローベールとの関わりが知りたくてざっと読んでみた、ら
びっくりしたぁ! 42歳で亡くなってるんですよ、モーパッサン。
こんなに作品があるのに… ものすごい書きっぷりですよね。

自殺未遂をおこして、精神病院に入れられ、そこで亡くなっています。
作品からは、そういうタイプには思えなかったんですけど。
これまでモーパッサンを、勝手に、パリ郊外のこじんまりした屋敷で執筆してるような
長閑な作家だとばかり思って読んできたわけですが、大間違いみたいです。
詳しくは調べないけどね。

ひとことK-POPコーナー



すごくすごく楽しかったけど、1曲目から泣いちゃったでしょー!! MY HEAVENとは…
きっと5人で、再び東京ドームの舞台に立つって言ってくれて、またまた涙 きっと行くからね! 足腰鍛えとく!!

スペイン王フェリペ5世王女 マリア・テレサ

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ポンパドール夫人のキューピッドになっちゃった王女
フェリペ5世王女 マリア・ルイサ・デ・ボルボン
フランス王太子ルイ妃

1726〜1746

ここからしばらく王妃が続きます。

フェリペ3世とマルガリータ・デ・アウストリアの長女アナはフランス王ルイ13世妃に、
次女は死産、三女マリア・アナは神聖ローマ皇帝フェルディナント3世皇后に、
四女は1歳で亡くなります。

フェリペ4世とイサベル・デ・ボルボーンには6人の王女がいましたが
長女から五女までは死産か幼くして夭逝、六女マリア・テレサがフランス王ルイ14世妃です。
二人目の妃マリアナ・デ・アウストリアとの間に生まれた七女マルガリータ・テレサ
神聖ローマ皇帝レオポルト1世皇后になります。八女は生まれて1週間で亡くなりました。

カルロス2世と二人の王妃マリア・ルイサ・デ・オルレアンス
マリアナ・デ・ネオブルゴには、お子様がいませんでした。

王家はブルボン家に移ります。
フェリペ5世と最初の妃マリア・ルイサ・デ・サヴォイアには、四人の王子がいました。
二人目の妃イサベル・デ・ファルネシオには三男三女で、長女マリアナ・ヴィクトリア
ポルトガル王ジョゼ1世妃になります。

ふぅぅ…長かったですね、いよいよマリア・テレサですよぉ

フランスが、ルイ15世と長女マリアナ・ヴィクトリアとの婚約を一方的に破棄したので
スペインはお怒り… だったのですが、やっぱりブルボン家どうしで結託しとかないとね!

というわけで、次女マリア・テレサが、ルイ15世の王太子ルイに嫁ぐことになりました。
同時に兄パルマ公フィリッポ1世とルイーザ・エリザベッタの縁談もまとまり
1444年、二組は同じ日に結婚しました。
         
ところが! スペインは、12歳のルイーザを連れ帰っておきながら
マリア・テレサは、母イサベルが「幼い」と主張しまして渡仏が延期されました。
ルイーザの方が1歳年下だと思うんだけど…

1年後、マリア・テレサはヴェルサイユに到着しました。
ルイ15世は、その3日後、新婚夫婦のために舞踏会を催します。
でーもー、それは口実で、本当はポンパドゥール夫人を招きたかったらしい…

マリア・テレサは、美しくて気品があり、敬虔で高い教育を授けられた、The王女でした。
また(母親のイサベルに似なかったのか)性格が良かったらしく
ルイ15世や王妃マリー・レクザンスカにもすぐに気に入られました。

夫ルイとはすぐに愛し合うようになり、できるだけ一緒にいたそうです。

だけどすごく恥ずかしがりやで、宮廷の中では孤立感を募らせていきました。
それから、信心深いだけに、義父とポンパドゥール夫人の関係が許せず
露骨に態度に表したそうです。
自分の結婚パーティーが縁結びなんて、気分悪いですよね。

マリア・テレサは、結婚から2年、ヴェルサイユに到着してから1年後の1466年
女の子を出産した時に亡くなります。
王太子ルイの悲しみはすごかったらしく、ルイ15世が自ら息子をベッドから
引き離さなければならなかったほどでした。
あと1年早くヴェルサイユに来ていたら、2年間一緒にいれたかもしれないのにね。

マリア・テレサの兄にあたるスペイン王フェルナンド6世は、すぐに
妹のマリア・アントニアとの縁談をもちかけますが、ルイ15世は断りました。
王太子ルイは、ポーランド王アウグスト2世の王女マリー・ジョゼフィーヌと再婚して
この方が、ルイ16世、ルイ18世、シャルル10世のお母さまになります。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとこと大統領コーナー
よその国のことなのでね、なんだかんだと言えませんが、あの大国の選択が、まさかっ!! って感じでした
奥さんがサミットとかで他のファーストレディと仲良くできるのか気になる〜

スペイン王フェリペ5世王女 マリア・アントニア

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見た目じゃないのよ夫婦ってものは
フェリペ5世王女 マリア・アントニア・デ・エスパーニャ
サルディーニャ王ヴィットリオ・アメデーオ3世妃

1729〜1785/在位 1773〜1785

マリア・アントニアは、フェリペ5世とイサベル・デ・ファルネシオの三女です。
最初にルイ15世王太子ルイと縁談が持ち上がったのはマリア・アントニアでした。

しかし、母イサベルが「幼い」と言って、結婚を先延ばしするよう主張したため
3歳年上のマリア・テレサが嫁ぐことになりました。

マリア・テレサが亡くなると、兄フェルナンド6世が「妹のマリア・アントニアは
どうかしら?」と持ちかけますが、ルイ15世が「(義理の妹との)近親相姦になるから」と
拒否します…へんなとこでカタいのよね、ルイ15世。

21歳の時に、マドリッドとトリノの協力関係を強めるために
サヴォイ公ヴィトリオ・アメデーオと結婚します。
この結婚でトリノの宮殿は改装され、オペラも作曲されるという盛り上がりぶり。
                
二人の肖像画を見るとそんなことはないと思えるのですが
夫婦は周囲から、あまりお似合いだと思われていなかったようです。
どちらかの肖像画がかなりレスポンス入っているのかしら? もしかして二人とも?

でも、お二人は終生仲睦まじかったらしいですよ。
夫婦を見た目で判断しちゃダメ!ってことね。

二人は政治的な思想も同じだったのか、近代思想家や政治家を侍らせていました。
また、敬虔なマリア・アントニアは宮廷にスペイン式作法を取り入れました。

で、肖像画+エピソードから、目立ちたいタイプかと思ったら
すごく恥ずかしがりやで、気だるそうなタイプの人だったそうです。
もしかしたら、政治家に囲まれて嬉しそうにしてたのも、夫の手前かもしれないですね。

王子のカルロ・エマヌエーレ4世はマリーア・クロティルデと結婚します。
姑と嫁はすごく仲が良かったそうです。 うらやましいことね…
マリーア・ジョゼッピーナが、後のルイ18世に
マリーア・テレサが、後のシャルル10世に嫁ぎました。

見事な政略結婚ぶりをどうぞ
     
マリア・アントニアは1785年に56歳で亡くなりました。

ヴィットリオ・アメデーオ3世は59歳で、再婚も考えられる年齢でしたが
男やもめのまま11年を過ごし亡くなりました。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことフェスコーナー
ジミー・ペイジが演奏しなかったってことで、逆にもりあがっちゃってる感がある
THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016 + LIVEですが、豪華な顔ぶれでしたよね?
まぁ、ジミー・ペイジのソロ見たさに30万のチケットを買った方の気持ちはわからないでもないですけど…
主催者側の「出演者たちの年齢を考慮し…」ってところにビミョウにウケてしまった

『現代アイルランド女性作家短編集』愛蘭女性交々

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CONTEMPORARY SHORT STORIES BY IRISH WOMEN WRITERS 
E・オブライアン/M・ケリー/J・ジョンストン/J・オフェイロン/C・ボイラン
M・モリッシー/A・エンライト/E・ドナヒュー

この本を書店の棚で見つけて飛びついたところを想像していただけます?
すごく嬉しかったね!

8人の女性作家の14篇がつまっています。
とてもおもしろかったです。
しかし、アイルランドというと、どうしても『ダブリン市民』的なものを求めてしまう
私の悪いクセが…

ジェニファー・ジョンストンとアン・エンライトは『フィンバーズ・ホテル』
クレア・ボイラン、エマ・ドナヒュー『レディたちのフィンバーズ・ホテル
名を連ねていますが、どれを書いたかはわかんない… でも、想像しやすくなりました、

革命がらみのお話しは、やはり、ちょっと苦手でしたが、女性が抱える問題や不安を
いろいろな角度から読むことができて、とても楽しかったです。

ほとんどのお話しを紹介したいのですが、そうもいかないので…

『幻燈スライド(Lantern Slides)/1990年 エドナ・オブライアン』
ダブリン郊外で催されたおしゃれな集まりは、ベティの誕生日を祝うパーティだった。
コンロイ氏に誘われてやってきたミス・ロウレスは、その町の名士たちに出会う。

これはもう、『死せる人々』を彷彿とさせて、大好きでしたね! コンロイ氏だし…
上の空状態のミス・ロウレスは、コンロイの妻グレタを思い出させ、演説と喝采シーンも!
ぜったいにワザと書いてるんだろうけど、おもしろかった。

『便宜的結婚(A Marriage of Convenience)/メアリー・モリッシー』
ジュディスは、エル・キスタドールでの一人旅の五日目の朝食の時
ウェイターのバチュアスから声をかけられ、ガイドを頼み、関係を持った。
帰国の二日前、バチュアスはジュディスに、国を出るため偽装結婚してほしいと言う。

旅先で利用されちゃう? そういう女性には見えないんだけどなぁ〜
そして男性にもなにか訳がありそうで、男女の温度差の広がりが
これからどうなっていくのか気になるラスト… 続きを書いて、せめて中篇にしてほしい。

『対価(The Cost of Things/2006年 エマ・ドナヒュー』
猫のクレオパトラの年齢は、ソフィーとリズが関係を始めてからと同じで5歳になる。
生活に困りだした二人が、5周年を祝うパーティーをした翌日、クレオパトラの具合が悪くなり
何日も物を食べなくなる。

このお話しはねぇ… 身につまされる、または、身に覚えがある人が多いはず。
“ そういうこと” を聞く方と聞かせた方、どちらを不快に思うかは、読者次第でしょうね?
私は、聞いた方にイラつかされましたが…

メイヴ・ケリーが書いた2篇、クレア・ボイランの『処女-おとめ-について』なども
とてもおもしろく読めました。

作家やテーマが違っても、作品から受ける全体的な印象に大きな隔たりは無く
アイルランドの女性は… というイメージがなんとなくできあがりそうなんだけど
物語が変わると、女性像もガラッと変わって結局はできあがらなかった… という一冊でした。

どの物語も、けっしてハッピーエンドというわけでなく
むしろアンラッキーなエンディングをむかえてるんですが
全体から醸し出される雰囲気が、ものすごく心地よい短篇集だったなぁ…
けっして古くさいわけではないんだけど、アナログ感が漂っていたような気もします。
何人かは、一冊まとめてその作者の作品を読んでみたいな… と思っています。

ひとことK-POPコーナー
BTOB プニエル… 勇気あるなぁ… 人気絶頂の今、どんな手を使ってでも隠し通す事ができただろうに… 男らしいね!
しかも韓国… 整形同様、皮膚を移植してフッサフサに、という技術も進んでるとうかがっていましたが…
カラーチェンジを繰り返し、MVでムチャなスタイルにしたりするから、人ごとながら心配しております

スペイン王カルロス3世王女 マリア・ホセファ

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肩身が狭い実家で暮らし続けた王女
カルロス3世王女 マリア・ホセファ・デ・エスパーニャ

1744〜1801

フェリペ5世を一瞬継いだルイス1世と王妃ルイサ・イサベル・デ・オルレアンスには
嫡子がいませんでした。
さらに、弟フェルナンド6世とバルバラ・デ・ポルトゥガルも嫡子なしでした。

その弟カルロス3世とマリア・アメリア・デ・サホニアには、次々と王女が生まれましたが
三女までは5歳まで育ちませんでした。 マリア・ホセファは四女です。

妹のマリア・ルイサがトスカーナ大公レオポルドの妃として嫁ぐと
マリア・ホセファは、ナポリ・シチリア・スペイン三国の王女として
宮廷で最高位の女性になりました。
       
それで居心地が良くなってしまったのかしら? 結局未婚でズルズルと…

実はルイ15世王妃マリー・レクザンスカが1768年に亡くなった時
マリア・ホセファとの結婚話が持ち上がったのですが、58歳のルイ15世が
「若い彼女を怒らせることになるだろう」と拒否したそうです。
ルイ15世〜、なにをおっしゃいますやら!
翌年にはデュ・バリー夫人を愛妾にしちゃうくせに〜

1788年に父のカルロス3世が亡くなって、弟カルロス4世が即位すると
王妃マリア・ルイサが宮廷を支配するようになります。

44歳のマリア・ホセファと、37歳のマリア・ルイサは、仲が悪かったらしい。
たしかに、気が合わなそうな二人ですよね。

でも行き場が無かったのか、王女としてのプライドがそうさせたのか
マリア・ホセファは宮殿に居座り続けました。
カルメル派の修道女を援助するなどの活動はしていましたが
派手な義妹マリア・ルイサのせいで、あんまりパッとしたエピソードはありません。

弟のカルロス4世が、廃位・追放になる前の1801年に亡くなりました。
追放先にまで一緒に行くわけにもいかなかっただろうから、良かったかもしれませんね。

亡くなった後のことは自分でアレンジしていて、聖テレサ修道院に埋葬されましたが
1877年にエル・エスコリアル修道院の王廟に移されました。

               
                お若い頃でしょうか? 真面目そうですね

仲睦まじかったカルロス3世とマリア・アメリアには、六男七女のお子様が生まれていますが
王女の中で成人したのは、マリア・ホセファと、五女マリア・ルイサだけで
六女マリア・テレサと七女マリア・アナは1歳で亡くなっています。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
ファンミ行って来ましたぁ! さいたまスーパーアリーナへ!!
SHINee 5th Anniversary Party 楽しかったなぁ… でも 1 of 1 のコールはまだまだ練習しなければ!
最後にテミンが言った「明日もお仕事頑張ってください」で、今日1日頑張れた気がする…

『ジュリエット』映画も気になりますが…

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RUNAWAY 
2004年 アリス・マンロー

最近、飛びつく本が多くて困っちゃうね…
『ジュリエット』だから飛びついたわけではないですよん(SHINeeネタ)

おもしろかった、というのとはちょっと違うのですけど、なんと言えばいいのか…
目が離せない? どっぷり浸かる? 興味深い? どれも当てはまらない。
でも、とにかく、空き時間には続きを読まずにはいられなかった一冊です。

表題の『ジュリエット』という話はありません。
『チャンス(Chance)』『すぐに(Soon)』『沈黙(Silence)』という
三部作があって、その主人公がジュリエットという名前です。

その三部作もすごく印象深いのですけれども
がっっっつり印象に残ったお話しをいくつかご紹介します。

『家出(Runway)』
雨の日が続き、乗馬の生徒が減って、カーラの夫クラークは機嫌が悪く
相変わらず他人とぶつかってばかりいる。
そんな中、隣人の未亡人シルヴィアがギリシャから帰って来た。
翌日、カーラはシルヴィアに呼ばれて掃除をしに隣家を訪れる。

『罪(Trespasses)』
ハリーとアイリーンの娘ローレンは、小さな町に越してから友人はいなかった。
ホテルで働くデルフィーンという女性と知り合ったローレンは
親に内緒で、多くの時間をホテルで過ごすようになった。
ある日、デルフィーンは、子供を養子に出した知人の話を始めた。

『トリック(Tricks)』
病弱の姉と暮らすロビンは、年に一度シェイクスピアを観るために日帰り旅行をした。
25歳の時、ロビンは芝居の後バッグを無くし途方に暮れていてダニエルに出会った。
彼は時計屋を営んでいる移民で、翌年また店で会おうと約束した。
しかし、1年後にロビンが訪ねて行くと、彼は無言で店のドアをぴしゃりと閉めた。

もう、どの話も、誰がどんな役割を担っていて、どんな展開になるのか見当がつかず
ハラハラドキドキが募る一方でした。

同じように、家族間の緊張感を描いていながら、今まで新潮クレストで読んだ
『イラクサ』『林檎の木の下で』『小説のように』『ディア・ライフ』『善き女の愛』
どれよりも、日常的でないスリルが感じられた気がします。
だからといってまるっきり絵空事ではなく、身近に転がっていそうな気もするという
不思議な不思議な雰囲気の一冊でした。

『ジュリエット』は、スペインのペドロ・アルモドバル監督映画『ジュリエッタ』から
邦題にしたそうです。

先ほど書いた三部作がテーマだと思うんですけど、どう撮るかなぁ?
『チャンス』の時のジュリエットは21歳、『すぐに』では25歳で、これはなんとかなるとして
『沈黙』は44歳から(たぶん)50代後半までを描いています。
20年ぐらいスポーンと飛んでるし、スパンは長いし、過剰な表現は似会わなそうだし
映画になり得るんだろうか?
見りゃいいんだけどね… たぶん見ないと思う。

普通に暮らしていればいるほど共感できると思います
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


ひとこと「なんなんだよぉ〜!」コーナー
ビール酒税統一だとぉぉぉ!
酒造メーカーの皆さんの努力と庶民のささやかな幸せを踏みにじる気ね!!!
政務活動費とか、他に見直すところはいっぱいあるだろうよ! って言いたいわ

スペイン王カルロス4世王女 マリア・アマリア

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やぶれかぶれ婚の果てに…
カルロス4世王女 マリア・アマリア・デ・ボルボン
ラルロス3世王子アントニオ・パスキュアル妃

1779〜1798

これから書く、彼女のエピソードを暗示してるような肖像画なんですけど…
他に無いものかと探してはみたんだけど、見つからなかったのよぉ!
昔のポートレートといえばお見合い写真みたいなものじゃない?
もう少しなんとかならなかったのだろうか? 

気をとりなおしまして…

カルロス4世とマリア・ルイサ夫婦は(誰の子かってことはおいといて)
八男六女の子だくさんでしたが、7人は幼くして亡くなっています。
王女で成人したのは、長女・三女・四女・五女です。

長女カルロッタ・ホアキナは、ポルトガル王ジョアン5世妃になります。

三女マリア・アマリアの結婚相手は、母マリア・ルイサがアレンジして
従兄のルドヴィーコに決まりました。

1794年、マリア・アマリアが15歳の時に、21歳のルドヴィーコがスペインに到着し
結婚準備に入りました。
が、しかし! ルドヴィーコは、結婚相手を四女マリア・ルイサにチェンジ希望!!
        
マリア・アマリアは陰気で恥ずかしがりや、そして、取り立てて魅力がない少女でした。
一方マリア・ルイサは、13歳で、朗らかで、容姿も “ マリア・アマリアよりは ”
良かったということです。

カルロス4世とマリア・ルイサは、お婿さん候補の突然の心変わりを容認したものの
さー! 落ち込んだマリア・アマリアはどうするよ!? と、焦ります。
とにかく、妹が姉の元婚約者と先に結婚するという屈辱だけは避けなければ!と
相手選びに躍起になりました。

そこで選ばれたのが、カルロス4世の弟、つまり、マリア・アマリアにとっては叔父の
アントニオ・パスキュアルでした。
なにしろ時間が無かったので、ものすごく手近なところで選んじゃったって感じですね。

お父さんの弟ですからね… 歳はぐっと上の39歳。
あまり知的とは言えず、ガーデニングと農業と狩猟ばかりやって過ごしてました。
ま、兄(カルロス4世)も兄だし…

で、マリア・アマリア&アントニオと、マリア・ルイサ&ルドヴィーコは
なんと、同じ日に挙式し、その後もスペイン宮廷で生活してました。

どうなんだろう…? 仲良くやってたのかな? いがみ合ってたのかな?
妹やその夫を見るたび、屈辱感とか敗北感とか感じなかったのかな?
王子の妃だから、マリア・アマリアの方が宮廷では位が上なのかしら?
気になるわ〜

1798年秋、マリア・アマリアは初めての出産をします。
ものすごい難産で、子供の肩がつかえて、医師が取り出すこともできませんでした。
王子は死産で、マリア・アマリアも2日後に亡くなりました。
直訳すると “ 悶絶の末 ” ということです。つらかったでしょうね。

なんのための18年間だったのか… 結婚が決まる15歳までは幸せだったかも…
幼い頃のエピソードが無いので、そういうことにしておきましょう。

              
             もう1枚見つけたので… 少し微笑んでますね

さて、姉の夫を奪ってしまった妹マリア・ルイサは… つづく

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
相次ぐグループの解散には驚かなくなってきていたんだが、2NE1は驚いた!
最も成功した女性グループのひとつなのにね… それぞれの道で輝き続けてほしいですね

             

『異国の出来事』トレヴァー・オーヴァー・ザ・ワールド

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A SELECTION OF STORIES 
ウィリアム・トレヴァー

飛びついた本第三弾!! 良かったよぉ〜

今まで『アフター・レイン』『アイルランド・ストーリーズ』『聖母の贈り物』
『密会』と、何冊かトレヴァーの短篇集を読んできましたが、また新しい魅力を知りました。

表題どおり、主に海外、あるいは旅先での出来事がテーマになっています。
イタリアが舞台になっているストーリーが多いようです。
意外な気もしますが、トレヴァーのお気に入りの地なのでしょうか?

どのお話も素敵なのですが、特に印象深かったお話しをいくつか…

『家出(Running Away)/1986年』
ヘンリエッタは、結婚して20年以上になる夫ロイを、夫の教え子シャロン・タムに奪われた。
みすぼらしいシャロンは、いつも夫婦の家を訪れて不幸な家庭のことを語っていた。
ヘンリエッタはイタリアへ渡り、一人暮らしを満喫する。

このラストを、夫婦の絆ととらえるか、しがらみと見るか微妙なところです。
読むサイドの年齢やライフスタイルが、印象を大きく左右しそうな内容だと思います。
私自身は… 黙っとく…

『三つどもえ(A Trinity)/1989年』
ドーンとキース夫婦は、ドーンの雇い主で同居している “ おじさん ” という老人に
費用を出してもらい、フィレンツェに旅行に行く事になった。
しかし、夜遅く二人が到着したのはスイスだった。

旅行に不慣れな夫婦のドタバタ劇にもってけそうな出だしではあるのですが
トレヴァーですからね、そんなことありません。
夫婦の頭からどうしても離れない他人である “ おじさん ” の存在と
「うまくいってんの?」と思わせる夫婦のやりとりが独特なストーリーです。

『娘ふたり(Virgins)/1986年』
イタリア旅行中のローラは、いきなり女性から声をかけられマーガレッタだと気づく。
第一次大戦中、ローラはイングランドから、母の知人であるアイルランドの
ヒースリップ家へ疎開し、娘のマーガレッタと親友になった。
ローラは、二人でド・クーシー家を訪れた時、病弱なラルフと出会った。

このお話しが、この一冊の中で一番、私が今までトレヴァーに抱いていた印象に
近いような気がします。 アイルランドが舞台だからだろうか?
50代後半の男性が、こんなにもみずみずしく少女の気持ちを描けるというのが驚きです。
目の前に二人の姿が浮かぶみたい… すごいとしか言えない。

奇しくも先日読んだマンローの『ジュリエット』にも『家出』という話があって
内容は違うけど両方とも好きですねぇ… 家出したいのか? 私は…

それはさておき、マンローもトレヴァーも、老いてますます…という感じで
新しい印象を与えてくれるのが嬉しいです。

老若男女、すべてのキャラクターになりきり、様々な土地・時代・人々の物語、
様々な感情を、私たちに与え続けてくれる、素晴らしい書き手の作品を
手に取れる幸せがあって本当に良かった…

そういえば、トレヴァーっていうと短篇のことしか思い浮かばなかったのですが
いくつか長篇があるんですよね! 読まねば…

旅するトレヴァー・ワールド… 新鮮で楽しい
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー


日本にいながらにしてソウルコンが見れるなんてーーー!! 嬉しすぎる! というわけで
SHINee WORLD V in JAPAN に行って来ましたよぉ!
全曲韓国語のセトリとコール、会場のギュウギュウづめ感と警備員の少なさ… 日本にいるってことを忘れそうだったよぉ
今日(2日目)は、追加も立ち見も当日も外れてションボリ家で過ごしてますが、明日再びはじけて来まーす!!


    
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