17 SHORT STORIES OF TOVE JANSSON
トーベ・ヤンソン
『トーベ・ヤンソン短篇集』、『誠実な詐欺師』を読んでいる時
私はトーベ・ヤンソンって男性だとばかり思っていました。
今回この『白と黒』を読んでいて、まさか、と思いWikipediaで見てみたら
女性だったのね〜! お恥ずかしいことです。
17篇おさめられていまして、最初の方ではまったく気がつかなかったのですが
読み進むうちに、女性としか思えなくなってきました。
かたいとかやわらかいとか、そういうのでなくてテーマかな? 着眼点?
いずれにしろ、なんで今まで男性だと思い込んでいたのでしょう?
あいかわらず孤独感満載です。 孤立感とも言えるかもしれない。
でも女性とわかったことで親近感もわき、さらに好きになってきました。
女性かも? と、気付かせてくれたお話しをいくつかご紹介します。
『灰色の繻子(Gra Duchesse)/1971年』
人の死を悟ることができるマンダは、内なる声に逆らえずそのことを告げてしまいます。
それで村にいられなくなり、街へ出て刺繍で暮らしをたてることにします。
マンダはどんどん腕を上げ、モードサロン内に個室がもらえるほどになりました。
人に媚びず、誰とも馴れ合わず、黙々と手を動かして生きていく… The 職人ですね。
昔はけっこういたのでしょうけど、今の世の中、頑固な職人でいるのも難しいでしょうね。
あ、マンダのサクセスストーリーではないです。 彼女の才能はもうひとつあるのでね。
『花の子ども(Blomsterbarnet)/1978年』
美しく生まれ、とことん甘やかされ、言いよられるままに奔放に育ったフローラは
22歳の時に結婚してアメリカに渡り、華やかな暮らしを告げる便りを送ってきました。
34年後、彼女は夫の破産と死を機に帰国します。
自分だけが快楽の時代にとどまっていたわけで、まわりは現実を生きてるわけです。
「昔みたいに…」と言われても、そうそう付き合ってられないですよね。
美しい人の末路がすべてこうだってわけでなく、むしろごく稀なんだとは思いますが
ドラマティックではありますね。 一昔前のドラマですけどね。
『主役(Huvndrollen)/1978年』
最高の大役ですが、地味でさえないエレン役を手に入れた舞台女優マリアは
いとこのフリーダがエレンそのものだと気づき、観察しようと別荘に招きました。
彼女は申し分の無いエレン役の見本でしたが、家事を始めると活き活きします。
ものすごく利己的なマリアと献身的なフリーダの対比が面白い物語だと思うのですが
そんなマリアがなぜ夫の言うことはおとなしく聞いているのかいまいち不思議?
わがままな女性って得よね…少し優しさを見せると「実は善い人?」って
まわりの人が錯覚してくれるんだもの、と思えたお話しでした。
上の3篇以外に『連載漫画家(Serietecknare)』という
ものすごく印象に残ったお話しがありました。
20年間も新聞に人気マンガ『ブラピー』を描いていた作家がいきなり行方をくらまして
代わりにそのまんがを描く青年が雇われる、という内容なんですけど
『ムーミン』を描いていた本人の苦悩だったのかしら? と想像が逞しくなっちゃいました。
詳しい内容は書きませんが、作家が逃げちゃった理由を推測する他の作家が
とにかくいろいろな商品につけられる『ブラピー』の一切を自分で引き受け
細部にまで妥協を許さず…で疲れちゃったんだろう、と語るシーンがあります。
ムーミンも世界中にたくさんのライセンス商品がありますからねぇ。
全部に目を光らせていたらからだが持ちませんよね。
もし本人がそうしていたなら、タフな人だったとしか考えられません。
編者の冨原眞弓氏が四つのモチーフを設定して選んだという選集で
いろいろな表情のトーベ・ヤンソンが垣間見えますが
ひと言で言えば、生真面目で几帳面で背筋がピンとした女性の姿が浮かび上がってきました。
例によって、本当の彼女はどうだったかは知りませんけどね。
ひとことK-POPコーナー
いきなり売りきれてたテソンの『D'scover』… やっと昨日買えましたよぉ! 良いですねぇ、やっぱり声きれい
ところで、MVに蒼井優が出てて「本当に可愛いね」と思ってたら違う人なんだって!! ビックリです。
トーベ・ヤンソン
『トーベ・ヤンソン短篇集』、『誠実な詐欺師』を読んでいる時
私はトーベ・ヤンソンって男性だとばかり思っていました。
今回この『白と黒』を読んでいて、まさか、と思いWikipediaで見てみたら
女性だったのね〜! お恥ずかしいことです。
17篇おさめられていまして、最初の方ではまったく気がつかなかったのですが
読み進むうちに、女性としか思えなくなってきました。
かたいとかやわらかいとか、そういうのでなくてテーマかな? 着眼点?
いずれにしろ、なんで今まで男性だと思い込んでいたのでしょう?
あいかわらず孤独感満載です。 孤立感とも言えるかもしれない。
でも女性とわかったことで親近感もわき、さらに好きになってきました。
女性かも? と、気付かせてくれたお話しをいくつかご紹介します。
『灰色の繻子(Gra Duchesse)/1971年』
人の死を悟ることができるマンダは、内なる声に逆らえずそのことを告げてしまいます。
それで村にいられなくなり、街へ出て刺繍で暮らしをたてることにします。
マンダはどんどん腕を上げ、モードサロン内に個室がもらえるほどになりました。
人に媚びず、誰とも馴れ合わず、黙々と手を動かして生きていく… The 職人ですね。
昔はけっこういたのでしょうけど、今の世の中、頑固な職人でいるのも難しいでしょうね。
あ、マンダのサクセスストーリーではないです。 彼女の才能はもうひとつあるのでね。
『花の子ども(Blomsterbarnet)/1978年』
美しく生まれ、とことん甘やかされ、言いよられるままに奔放に育ったフローラは
22歳の時に結婚してアメリカに渡り、華やかな暮らしを告げる便りを送ってきました。
34年後、彼女は夫の破産と死を機に帰国します。
自分だけが快楽の時代にとどまっていたわけで、まわりは現実を生きてるわけです。
「昔みたいに…」と言われても、そうそう付き合ってられないですよね。
美しい人の末路がすべてこうだってわけでなく、むしろごく稀なんだとは思いますが
ドラマティックではありますね。 一昔前のドラマですけどね。
『主役(Huvndrollen)/1978年』
最高の大役ですが、地味でさえないエレン役を手に入れた舞台女優マリアは
いとこのフリーダがエレンそのものだと気づき、観察しようと別荘に招きました。
彼女は申し分の無いエレン役の見本でしたが、家事を始めると活き活きします。
ものすごく利己的なマリアと献身的なフリーダの対比が面白い物語だと思うのですが
そんなマリアがなぜ夫の言うことはおとなしく聞いているのかいまいち不思議?
わがままな女性って得よね…少し優しさを見せると「実は善い人?」って
まわりの人が錯覚してくれるんだもの、と思えたお話しでした。
上の3篇以外に『連載漫画家(Serietecknare)』という
ものすごく印象に残ったお話しがありました。
20年間も新聞に人気マンガ『ブラピー』を描いていた作家がいきなり行方をくらまして
代わりにそのまんがを描く青年が雇われる、という内容なんですけど
『ムーミン』を描いていた本人の苦悩だったのかしら? と想像が逞しくなっちゃいました。
詳しい内容は書きませんが、作家が逃げちゃった理由を推測する他の作家が
とにかくいろいろな商品につけられる『ブラピー』の一切を自分で引き受け
細部にまで妥協を許さず…で疲れちゃったんだろう、と語るシーンがあります。
ムーミンも世界中にたくさんのライセンス商品がありますからねぇ。
全部に目を光らせていたらからだが持ちませんよね。
もし本人がそうしていたなら、タフな人だったとしか考えられません。
編者の冨原眞弓氏が四つのモチーフを設定して選んだという選集で
いろいろな表情のトーベ・ヤンソンが垣間見えますが
ひと言で言えば、生真面目で几帳面で背筋がピンとした女性の姿が浮かび上がってきました。
例によって、本当の彼女はどうだったかは知りませんけどね。
ひとことK-POPコーナー
いきなり売りきれてたテソンの『D'scover』… やっと昨日買えましたよぉ! 良いですねぇ、やっぱり声きれい
ところで、MVに蒼井優が出てて「本当に可愛いね」と思ってたら違う人なんだって!! ビックリです。