Quantcast
Channel: まりっぺのお気楽読書
Viewing all articles
Browse latest Browse all 350

『女が嘘をつくとき』この世に嘘をつかない人がいる?

$
0
0
СКВОЗНАЯ ЛИНИЯ 
2008年 リュドミラ・ウリッカヤ

本屋さんに行くと必ずチェックする新潮クレストコーナー。
ジャケ買い、タイトル買いなんですけどね。
こちらはタイトル買いした一冊です。

序文で男の女の嘘の違いが書かれていまして、なんとなく納得。
そして6篇の嘘の物語が書かれています。

『ディアナ』
ジェーニャの3歳の息子サーシャの療養のために訪れていた保養地で出会ったアイリーン。
彼女から聞かされた半生は目まぐるしいもので、中でも二人目の夫との間に生まれ
2歳で死んでしまった女神のような娘ディアナの話に心奪われました。

『ユーラ兄さん』
ジェーニャは息子のサーシャとグリーシャの他に二人の男の子と別荘に滞在していました。
別荘のオーナーの娘ナージャは、なにかというと素晴らしい兄ユーラのことを話します。
彼女の話はスペインに招待されたことやUFOを見たことなど嘘のようなことばかりです。

『筋書きの終わり』
数多い親類の中で、息子サーシャと同じ年の13歳のリャーリャが
ジェーニャの従兄にあたる画家アルカージィと恋に落ちたと報告に来ました。
しかもアルカージィの妻で医者のミーラから避妊薬をもらって来てと頼まれます。
ジェーニャはアルカージィに忠告する決心をします。

『自然現象』
数学・化学が得意で技師を目指すマーシャは、大学教師でジェーニャの恩師の
老婦人アンナと知り合い文学に目覚めました。
マーシャはアンナが長年ノートに書きため聞かせてくれた自作の詩に感動します。

『幸せなケース』
ドキュメンタリー映画のシナリオで成功をおさめたジェーニャは
知人を介してスイスに住むロシア人娼婦たちのドキュメンタリーの依頼を受けます。
スイスで数人の女性たちに会い劇的な半生を聞きましたが、皆同じような内容です。

『生きる術』
ジェーニャは出張に行く途中事故に遭い歩けなくなってしまいました。
もうジェーニャはバルコニーまで這って行って手すりを乗り越えることしか考えられません。
しかし夫のキリルがつきっきりです。

以上、6篇の中で上の5篇の女性の話は一部、あるいはほとんど、あるいは全部嘘です。
なぜにそんな嘘をつかなければならないのかよく解らん… という首を傾げたくなる嘘です。
つかれた方にはたいした影響は無いんだけど、他愛無いとは言えない嘘。

嘘をつくほうにも事情はあろうが、できたらつかないでほしいですし
つくならバレないようにしてほしいですね。
たいして害は無くても、あんまり気分がいいものじゃないもの。

最後の『生きる術』は事故に遭うまでに、どうにもイラつく女性が三人登場します。
この話は上5篇と違って小さな嘘がちりばめられているような内容かな?
結果的に嘘になってしまったという感じかもしれません。

個人的経験から言いますと、仕事と犯罪以外の嘘はなんとかなるんじゃないかなぁ…
人間関係が上手くいくかどうかは知りませんけどね。
ただ、ひとつ嘘をついたばっかりに、どんどん嘘を作っていかなきゃいけないというのが
つらいのよね… 最近はそんなパワーが無いのでなるべく嘘をつかないようにしてます。

ひとことK-POPコーナー
なんだけど、K-pop関連のお買い物とかライブについては時々だんなに嘘をつく…
たいしたことじゃないですけどね

Viewing all articles
Browse latest Browse all 350

Trending Articles