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『幽霊たち』ホラーじゃないのでね

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1986年 ポール・オースター

『最後の物たちの国で』『ブルックリン・フォリーズ』『ティンブクトゥ』
意表をつかれ続けてきて、今回もワクワクしながら手にした一冊でした。

とにかく出だしでやられちゃいまして… ちょっと書いてみるね。

「まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、
 そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。」

もう~、なんなんでしょう? この物語は!! と期待が膨らみましたよ。

ちょっと解説すると、主役はブルーという若い私立探偵。
ブルーにある仕事を依頼したのは、ホワイトというあきらかに変装している謎の男。
依頼の内容は、ブラックという男を向いの部屋から見張り
週に一度、ブラックが何をしたか細大漏らさず書いた報告書を作成すること。
ブラウンはブルーを仕込んだ私立探偵で、今は引退しています。

さて物語がどう展開するかというと、なにしろ動きがない物語なのよ。

ホワイトが用意した、ブラックのアパートの向かいのアパートに移り住み
窓から見張り続けるブルーでしたが、ブラックは朝起きたら机に向かって本を読むか
書き物をするか食事をするだけ。
たまに食料品の買い出しに出かけるか近所を散歩するだけ… 来る日も来る日も…

とっととかたづくと思っていた仕事は、一週間が一ヶ月になり、二ヶ月になり
三ヶ月になり… ブルーはだんだん不安や焦りを感じていきます。

結局仕事は一年以上に及びます。

これ以上内容については書きませんが、前半動きがなかった物語は
中盤、後半にいくにしたがって、どんどんアクティブになっていきます。

それは主にブルーがアクションをおこしたからなんだけど
ブラックがおこさせたものかもしれない…

謎でしょう~?
読んでても謎が深まる内容でしたが、なんだか哲学的だった気がします。
暇を持て余すブルーがツラツラ考えたことなんかがね…
哲学のなんたるか? を知らずに書いています、わたくし…

人はどこまで “ 何もしないこと ” に耐えられるのでしょうね?

私は、一週間ぐらい何もしないでボーっとしたい!! なんて考えますが
それはあくまでも、好きな時にDVD見たり、音楽聞いたり、手芸やったりという
自由な時間が含まれていることが大前提です。

だけど、例えば主人公のブルーは、ずーっと見張ってなきゃいけないから
窓から目が離せないわけ。
しかも相手はな~んにもしない… ブルーもな~んにもできない… 退屈…

だからブルーも、気が滅入ったり、気が変になりそうだったりして
依頼にはないアクションをおこしていくわけだけれども
それは依頼を受けてからかなりたってからのことです。

私だったら三日ぐらいで飽きて逃げ出しそう。

ラストは、ザックリ言うと、なんとなく予想できたものでしたが
いったいホワイトが何がしたかったのかがいまひとつ掴めないお話しでした。

今までのオースター作品みたいに大絶賛するかというとそうでもないんですけど
少しづつドキドキ感が高まっていく展開が面白かったですよ。

理不尽なことに我慢強く耐えたブルーの今後に幸あれ! と言ってあげたくなる
そんな一冊でした。

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ひとことK-POPコーナー
SHINee、BIGBANG、EXOのカムバックにかくれて地味目でしたけども、MBLAQのMIRRORもすごく良かった~ Image may be NSFW.
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三人になっちゃったけど、これからも頑張ってね

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