L'ECOLIERE
1905年 レオン・フラピエ
この作家は知らなかったのですが、太宰治の短篇集と同じ題名だったってことだけで
古本市で購入しました。
珍しく解説が無い本で、作家の背景はわかりませんけど
モーパッサンを読んで育ったでしょ? って感じでしょうか?
素朴な話のなかに笑いあり涙あり美しさあり… ちょっとしたドラマが潜んでします。
好きなラインですね〜
9篇の物語は、どれもが短いながらも程よく印象に残る話だったのですが
中でも特に気になったものをあげてみます。
『嫁選び』
遺産を受け継いだゴントランは結婚しようと考えます。
娘持ちのシャルルヴァン氏の邸宅に滞在し、美しい妹娘ジェルメーヌとの結婚を決めました。
しかし、次第に心優しい姉娘ルイーズに惹かれていきます。
心美しい姉(妹)と容姿端麗な妹(姉)との間で揺れ動いちゃう男性の話って
昔からけっこうあります(たいがいは心美しい方が身を引くんですよね)
そうじゃないと韓流的ドロドロになってしまふ… キライじゃないけど…
この物語も最初はそんな感じで展開するんですが、ラストで急展開! この後が知りたい!!
『女房』
中年のデュプールは役所で、女房の尻に敷かれていると有名で“坊や”と呼ばれていました。
同僚たちはそんなデュプールにハメを外させようと画策します。
まんまと酔ったデュプールを送っていったルフローは、意外な事実を知って心打たれました。
どんな奥さまが待っていたと思いますぅ?
ルフローならずとも、こんな女性が相手では言うことを聞かざるを得まいと納得です。
デュプール一家にさらなる幸あれ… なんて思えたラストでした。
『最後の光』
老いた夫婦がいます。
お爺さんはボケてしまい、お情けで工場で仕事をさせてもらっています。
夫婦の部屋からは次々と家財道具が持ち出されていきます。
とうとう夫婦の宝物だった鏡まで持ち出されることになり、お婆さんは涙に暮れます。
人生を終えようとする時に貧しさに喘いでいるという悲劇に加えて
お婆さんは長年連れ添ったお爺さんの悲しい現実を目の当りにしてしまうのね…
若い方にはわからないでしょうが、この年になるとけっこう身につまされる話なのです。
貯蓄・利回り・資産運用… なんて言葉がつい頭をよぎるわ… 元手が無いけど…
もちろん物語なので、素朴なばっかりでなく脚色や演出がされているのですけれど
良いさじ加減で容易く感情移入できます。
時代は違うけど、今でも充分共感できるお話しです。
大作は読んでいてとっても楽しいんだけど、やはり時代とか背景が大仰だから
「わかる、わかる!」とはいかないじゃないですか?
小品の楽しみとはこういうところにあるのかな? と再確認できる一冊でした。
とりあえず、太宰治の『女生徒』とはまったく違う話でした、とおことわりしておきます。
(当たり前です )
1905年 レオン・フラピエ
この作家は知らなかったのですが、太宰治の短篇集と同じ題名だったってことだけで
古本市で購入しました。
珍しく解説が無い本で、作家の背景はわかりませんけど
モーパッサンを読んで育ったでしょ? って感じでしょうか?
素朴な話のなかに笑いあり涙あり美しさあり… ちょっとしたドラマが潜んでします。
好きなラインですね〜
9篇の物語は、どれもが短いながらも程よく印象に残る話だったのですが
中でも特に気になったものをあげてみます。
『嫁選び』
遺産を受け継いだゴントランは結婚しようと考えます。
娘持ちのシャルルヴァン氏の邸宅に滞在し、美しい妹娘ジェルメーヌとの結婚を決めました。
しかし、次第に心優しい姉娘ルイーズに惹かれていきます。
心美しい姉(妹)と容姿端麗な妹(姉)との間で揺れ動いちゃう男性の話って
昔からけっこうあります(たいがいは心美しい方が身を引くんですよね)
そうじゃないと韓流的ドロドロになってしまふ… キライじゃないけど…
この物語も最初はそんな感じで展開するんですが、ラストで急展開! この後が知りたい!!
『女房』
中年のデュプールは役所で、女房の尻に敷かれていると有名で“坊や”と呼ばれていました。
同僚たちはそんなデュプールにハメを外させようと画策します。
まんまと酔ったデュプールを送っていったルフローは、意外な事実を知って心打たれました。
どんな奥さまが待っていたと思いますぅ?
ルフローならずとも、こんな女性が相手では言うことを聞かざるを得まいと納得です。
デュプール一家にさらなる幸あれ… なんて思えたラストでした。
『最後の光』
老いた夫婦がいます。
お爺さんはボケてしまい、お情けで工場で仕事をさせてもらっています。
夫婦の部屋からは次々と家財道具が持ち出されていきます。
とうとう夫婦の宝物だった鏡まで持ち出されることになり、お婆さんは涙に暮れます。
人生を終えようとする時に貧しさに喘いでいるという悲劇に加えて
お婆さんは長年連れ添ったお爺さんの悲しい現実を目の当りにしてしまうのね…
若い方にはわからないでしょうが、この年になるとけっこう身につまされる話なのです。
貯蓄・利回り・資産運用… なんて言葉がつい頭をよぎるわ… 元手が無いけど…
もちろん物語なので、素朴なばっかりでなく脚色や演出がされているのですけれど
良いさじ加減で容易く感情移入できます。
時代は違うけど、今でも充分共感できるお話しです。
大作は読んでいてとっても楽しいんだけど、やはり時代とか背景が大仰だから
「わかる、わかる!」とはいかないじゃないですか?
小品の楽しみとはこういうところにあるのかな? と再確認できる一冊でした。
とりあえず、太宰治の『女生徒』とはまったく違う話でした、とおことわりしておきます。
(当たり前です )