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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『ヒューマン・コメディ』静かに思い返したい名著

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THE HUMAN COMEDY 
1943年、1971年 ウィリアム・サローヤン

『リトル・チルドレン』『ディア・ベイビー』に続き
なぜか家にあったサローヤン三冊の最後の一冊を読んでみました。

『リトル〜』も『ディア〜』も面白く読めましたが、ものすごく心に残ったかというと
そうでもなかったのにくらべて、この一冊はとても心に残りました。
どこがどうというのではなくて、全体的に… ひとつの世界観が思い浮かびます。

短篇のような構成になっていますが、登場人物は同じで
主人公は、カリフォルニア州イサカ市のあまり大きくないと思われる町に住んでいる
マコーリー一家です。

マコーリー家は2年前に父親を亡くしていますが
寡婦のマコーリー夫人は三人の息子と一人の娘を立派に育てているようです。

4歳のユリシーズは好奇心おう盛なわんぱく盛りです。
14歳のホーマーは学校に通いながら、夜は電報局で配達人の仕事を始めました。
ベスはマコーリー夫人を助けながら、仕事を見つけようとしています。
長男のマーカスは、招集されて戦争に行っています。

ユリシーズが町中でおこす可愛らしい事件や
ホーマーの電報の配達先の人々、マコーリー家を取り巻く人々のエピソードを
39章の短い物語の中にちりばめてあるのですが
楽しい話しにも哀しい話しにも共通して、物語の根底に流れているものがあります。

どう説明すればいいのかわからないけど、一本の川の上で物語が進行していて
物語の足下をずっとせせらぎのようなものが流れているっていう感じかな?
立ち止まっている場所は違っていても、流れている水は同じ…という印象。
上手く言えなくてごめんなさい

いずれにしても、全篇の足下に戦争という水が流れています。
とてものどかそうに平和そうに暮らしている小さな町の、一人の少年の成長記のようでいて
そこここに戦死した青年の母親や、トラックで運ばれていく少年兵たち姿が垣間見え
読み進むにつれて、少しづつ物語に落ちている影を濃くしていきます。

もちろん環境や個人の性格もあるのでしょうが、14歳の男の子が
急激に大人にならなければならなかった事情を想像すると、とても悲しいものがあります。

『ヒューマン・コメディ』は、楽しみながら読んだ後で
いくつかのシーンを思い出しては、しん…と考えさせられる物語でした。

どうやら私は、ひとつの町を舞台にして何人かの人たちが絡み合いながら進む短篇小説集が
ものすごく好きみたいです。

スタインベックの『キャナリー・ロウ』『天の牧場』は大好きだし
アンダスンの『ワインズバーグ・オハイオ』も忘れられない。
最近だと『奇跡も語る者がいなければ』『オリーヴ・キタリッジの生活』
とても面白かったです。

ぜひ他の作家の作品も探して読んでみたい!!

ひとことK-POPコーナー
久しぶりに三人そろったJYJを見ましたけど… ドラマもよいけど歌ってる姿を見るのはペンでなくても嬉しいですね
ジュンス痩せた? なんかすごくカッコいいんだけど…

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