THE DOGS BARK
1951年〜 トルーマン・カポーティ
以前『犬は吠えるI ローカル・カラー』を読んで、とても面白かったので
すぐに購入した『犬はほえるII』なのですが、なんか雰囲気が違うようだったので
長いこと放置してました。
この間本棚で見つけて、…そういえば,的に読んだのですけど、すごく面白かった!
四つのパートに分かれています。
Part.1『砲声絶ゆる時』とPart.2『詩神の声聞こゆ』は
カポーティが、黒人キャストだけのミュージカル『ボギーとベス』のソ連公演に
同行してつづったルポルタージュ。
Part.3『お山の大将』は。映画撮影のために日本に滞在していたマーロン・ブランドの
ホテルを訪ねた時の会話を書いています。
Part.4『文体ーおよび日本人』は。日本語の美しさを褒め讃えてくれた短いエッセイです。
『砲声〜』と『詩神〜』は、ミュージカルのキャストと製作スタッフが
西ベルリンを発って、レニングラードに着くまでの道中と、到着してから上演までの数日
上演前日、初演の後、と時系列で追っていっているのですが、なにせ場所がソ連でしょ?
当時はアメリカと熾烈な冷戦を繰り広げていた国で、しかもアメリカでも異端的な
黒人だけのキャストによるミュージカルを上演するわけですよね?
まずは西側にしてみたら「なんで?」と思われるような、煩雑な手続きにはじまり
次々おこる(ありえない)不測の事態に驚きます。
そして、アメリカ人のあたふたぶりと、ソ連人の根拠なき落ち着き、
あけすけなアメリカ人とまわりくどいソ連人の言動のギャップにクスリと笑えます。
一歩間違えば急に敵に変わるかもしれない国、西側世界が怪訝な目で見ている
“ 鉄のカーテン ” の中へ乗り込んで行くのだから、実はキャストも製作スタッフも
ドキドキしているし駐ソ連アメリカ大使の言葉もいちいち不安を駆り立てるわけなんだが
ミュージカルはなんとか無事に公演初日を迎えられたわけです。
公演が成功だったのか、失敗だったのかは、神のみぞ知る… てことで…
いろいろな問題があったはずのソ連公演ですが、カポーティは概ね好意的に描いています。
草の根の国交の大事さを感じさせられたわ。
『お山の〜』は、トップスター、マーロン・ブランドがどこまです素顔を見せていたかは
わかりませんが、ナチュラルな感じは受けました。
それより、日本の少女に対するカポーティのイメージが?
1956年なんだけど、大正時代かと思っちゃうよ。
この時に撮影していた映画は聞いたことも観たこともないんですが、成功したのかな?
あんまりおもしろくなさそうよ…
とにかく、すごいと思ったのは、名声を獲得して、時代の寵児とも言われたことがる作者が
そんなものはかなぐりすてて、ルポライターに徹していることです。
たぶん「あなただから…」的な対応もあっただろうし、自慢したいこともあっただろうに
一切排除して、記者がメモを記事にする程度のふくらまし方しかしてないの。
自分を特別扱いする様子も、上から目線の評論も一切無し!
あったことを、読み応えある記事に仕上げている… プロの仕事だと思いました。
でも、やはり、普通の記事にはない面白さがあるのよねぇ…さすがです。
『文体ーおよび日本人』は、日本の文体の芸術性を高く評価してくれています。
日本人以上に日本語の美しさを感じていただいているとは… 感激です。
これを読んで日本人であることに誇りを持とう!!
ひとことK-POPコーナー
TGCには行けなかったんですが、YouTubeで観たらオニュが来てて嬉しかった… 挨拶もしてた〜
おかえりなさい オニュ、本当に良かったよ〜
1951年〜 トルーマン・カポーティ
以前『犬は吠えるI ローカル・カラー』を読んで、とても面白かったので
すぐに購入した『犬はほえるII』なのですが、なんか雰囲気が違うようだったので
長いこと放置してました。
この間本棚で見つけて、…そういえば,的に読んだのですけど、すごく面白かった!
四つのパートに分かれています。
Part.1『砲声絶ゆる時』とPart.2『詩神の声聞こゆ』は
カポーティが、黒人キャストだけのミュージカル『ボギーとベス』のソ連公演に
同行してつづったルポルタージュ。
Part.3『お山の大将』は。映画撮影のために日本に滞在していたマーロン・ブランドの
ホテルを訪ねた時の会話を書いています。
Part.4『文体ーおよび日本人』は。日本語の美しさを褒め讃えてくれた短いエッセイです。
『砲声〜』と『詩神〜』は、ミュージカルのキャストと製作スタッフが
西ベルリンを発って、レニングラードに着くまでの道中と、到着してから上演までの数日
上演前日、初演の後、と時系列で追っていっているのですが、なにせ場所がソ連でしょ?
当時はアメリカと熾烈な冷戦を繰り広げていた国で、しかもアメリカでも異端的な
黒人だけのキャストによるミュージカルを上演するわけですよね?
まずは西側にしてみたら「なんで?」と思われるような、煩雑な手続きにはじまり
次々おこる(ありえない)不測の事態に驚きます。
そして、アメリカ人のあたふたぶりと、ソ連人の根拠なき落ち着き、
あけすけなアメリカ人とまわりくどいソ連人の言動のギャップにクスリと笑えます。
一歩間違えば急に敵に変わるかもしれない国、西側世界が怪訝な目で見ている
“ 鉄のカーテン ” の中へ乗り込んで行くのだから、実はキャストも製作スタッフも
ドキドキしているし駐ソ連アメリカ大使の言葉もいちいち不安を駆り立てるわけなんだが
ミュージカルはなんとか無事に公演初日を迎えられたわけです。
公演が成功だったのか、失敗だったのかは、神のみぞ知る… てことで…
いろいろな問題があったはずのソ連公演ですが、カポーティは概ね好意的に描いています。
草の根の国交の大事さを感じさせられたわ。
『お山の〜』は、トップスター、マーロン・ブランドがどこまです素顔を見せていたかは
わかりませんが、ナチュラルな感じは受けました。
それより、日本の少女に対するカポーティのイメージが?
1956年なんだけど、大正時代かと思っちゃうよ。
この時に撮影していた映画は聞いたことも観たこともないんですが、成功したのかな?
あんまりおもしろくなさそうよ…
とにかく、すごいと思ったのは、名声を獲得して、時代の寵児とも言われたことがる作者が
そんなものはかなぐりすてて、ルポライターに徹していることです。
たぶん「あなただから…」的な対応もあっただろうし、自慢したいこともあっただろうに
一切排除して、記者がメモを記事にする程度のふくらまし方しかしてないの。
自分を特別扱いする様子も、上から目線の評論も一切無し!
あったことを、読み応えある記事に仕上げている… プロの仕事だと思いました。
でも、やはり、普通の記事にはない面白さがあるのよねぇ…さすがです。
『文体ーおよび日本人』は、日本の文体の芸術性を高く評価してくれています。
日本人以上に日本語の美しさを感じていただいているとは… 感激です。
これを読んで日本人であることに誇りを持とう!!
ひとことK-POPコーナー
TGCには行けなかったんですが、YouTubeで観たらオニュが来てて嬉しかった… 挨拶もしてた〜
おかえりなさい オニュ、本当に良かったよ〜