THE KNIFE THROWER AND OTHER STORIES
1998年 スティーヴン・ミルハウザー
スティーヴン・ミルハウザーは『夜の姉妹団』と『and other stories』におさめられていた
『イン・ザ・ペニー・アーケード』しか読んだことがなかったのですが
ちょっと気になっていたので、この本を見つけた時に即買って読んでみました。
面白かったです。
12話から構成されていますが、現実離れしているというか夢みがちな少年の妄想というか…
ざっとあげてみても、ナイフ投げ師でしょ、大きなカエルを妻に持つ男でしょ、決闘、
空飛ぶ絨毯、夢のような百貨店、気球、見たことないような遊園地…などなど
想像するだけで楽しそうでしょ?
ただそれが単純なおとぎ話に終わっているわけでもないんだよね…不思議だ
印象に残った話しをいくつかあげてみます。
『夜の姉妹団』は再読ですが、前回とは違う印象を受けました。
前回は頭が完全にカルトとか噂話しの恐ろしさ&根も葉もなさなんかにシフトしてましたが
今回は少女たちの無意味に見える行動の、なぜなぜ?どうして?を探りながら読みました。
たしかに十代のころの付き合いって、どうだっていいよ!なルールとか
訳わかんない約束事がゴロゴロしてましたけど、それはそれで大事で真剣なものでしたね。
『新自動人形場(The New Auotmaton Theater)』
多くの自動人形劇場を誇るべくして誇っている私たちの市でも
特に名匠と言われたハインリッヒ・グラウムは、子供の頃から天才と言われ
若くして成功したが、長い休養の後驚くべき劇場を造り上げた。
趣味でドールハウスをやっていますので、小さい物の事を書かれると心が弾むわ!
微に入り細を穿つって感じで人形の精巧さを書いていて、思い浮かべるだけでワクワクです。
だけど、弾むだけで終わらないのが、良い作品を生み出す作家のすごいとこですね。
『月の光(Claire de Lune)』
眠れなくなった15歳の夜、外に足を踏み出し、同級生のソーニャの家まで歩いた。
ソーニャは庭でクラスメイト三人と、ウィフルボールをやっていた。
男の子のような恰好の四人は、学校で会う時とは違って見えた。
ついフラフラと向かう… 好きな女の子の家なんでしょうね?
ものすごくアメリカっぽい、ものすごく健全なストーリーって感じです。
そして、すごく綺麗なお話しだと思う。
『私たちの町に地下室の下(Beneath the Cellars of Our Town)』
私たちの町の地下深くには、迷宮のような通路が広がっている。
その地下通路にはいろいろなエピソードがあり、なかなか会えない点灯夫がいる。
町を離れ、地下のない町にしばらくいると、地下通路が懐かしく思えてくる。
地下の町をテーマにしたものは、小説に限らずけっこうありますが
わりとダークな感じに描かれていることが多いですよね。
でもこの町の地下街は、神秘的でありながら秩序が保たれているようで憧れます。
とにかく、細かく描写することが好きな人のようで、百貨店の売り場説明とか
遊園地のアトラクションなども、ひとつひとつ手を抜かず書いています。
デパート関係者が読んだら「そんな売り場が流行るかよ!」とか
コストがどーのこーのと言いそうですけど、それはそれってことで
こんな百貨店があったら見てみたいと思わせてくれます。
けっして子供向けなわけではなくて…そうねぇ、1%ぐらいオカルトチックな部分もあり
全体的な印象としては暗いのですが、なぜか、少年少女の心を思い出す自分がいるという…
それから、オールディーズっぽい映画を観ているような懐かしさも感じられました。
テーマの無邪気さと、暗めな読後感のギャップが面白くてクセになりそうです。
白水uブックスではスティーヴン・ミルハウザーの短篇集が何冊かあるみたいなので
見つけたらきっと買ってしまうでしょう。
ひとことK-POPコーナー
SHINeeの韓国でのカムバックがなさそうなので『I'm Your Boy』を心待ちにしている今日この頃…
テミンが大人になってどんどんヒョンたちから巣立って行く〜 嬉しいような寂しいような…
1998年 スティーヴン・ミルハウザー
スティーヴン・ミルハウザーは『夜の姉妹団』と『and other stories』におさめられていた
『イン・ザ・ペニー・アーケード』しか読んだことがなかったのですが
ちょっと気になっていたので、この本を見つけた時に即買って読んでみました。
面白かったです。
12話から構成されていますが、現実離れしているというか夢みがちな少年の妄想というか…
ざっとあげてみても、ナイフ投げ師でしょ、大きなカエルを妻に持つ男でしょ、決闘、
空飛ぶ絨毯、夢のような百貨店、気球、見たことないような遊園地…などなど
想像するだけで楽しそうでしょ?
ただそれが単純なおとぎ話に終わっているわけでもないんだよね…不思議だ
印象に残った話しをいくつかあげてみます。
『夜の姉妹団』は再読ですが、前回とは違う印象を受けました。
前回は頭が完全にカルトとか噂話しの恐ろしさ&根も葉もなさなんかにシフトしてましたが
今回は少女たちの無意味に見える行動の、なぜなぜ?どうして?を探りながら読みました。
たしかに十代のころの付き合いって、どうだっていいよ!なルールとか
訳わかんない約束事がゴロゴロしてましたけど、それはそれで大事で真剣なものでしたね。
『新自動人形場(The New Auotmaton Theater)』
多くの自動人形劇場を誇るべくして誇っている私たちの市でも
特に名匠と言われたハインリッヒ・グラウムは、子供の頃から天才と言われ
若くして成功したが、長い休養の後驚くべき劇場を造り上げた。
趣味でドールハウスをやっていますので、小さい物の事を書かれると心が弾むわ!
微に入り細を穿つって感じで人形の精巧さを書いていて、思い浮かべるだけでワクワクです。
だけど、弾むだけで終わらないのが、良い作品を生み出す作家のすごいとこですね。
『月の光(Claire de Lune)』
眠れなくなった15歳の夜、外に足を踏み出し、同級生のソーニャの家まで歩いた。
ソーニャは庭でクラスメイト三人と、ウィフルボールをやっていた。
男の子のような恰好の四人は、学校で会う時とは違って見えた。
ついフラフラと向かう… 好きな女の子の家なんでしょうね?
ものすごくアメリカっぽい、ものすごく健全なストーリーって感じです。
そして、すごく綺麗なお話しだと思う。
『私たちの町に地下室の下(Beneath the Cellars of Our Town)』
私たちの町の地下深くには、迷宮のような通路が広がっている。
その地下通路にはいろいろなエピソードがあり、なかなか会えない点灯夫がいる。
町を離れ、地下のない町にしばらくいると、地下通路が懐かしく思えてくる。
地下の町をテーマにしたものは、小説に限らずけっこうありますが
わりとダークな感じに描かれていることが多いですよね。
でもこの町の地下街は、神秘的でありながら秩序が保たれているようで憧れます。
とにかく、細かく描写することが好きな人のようで、百貨店の売り場説明とか
遊園地のアトラクションなども、ひとつひとつ手を抜かず書いています。
デパート関係者が読んだら「そんな売り場が流行るかよ!」とか
コストがどーのこーのと言いそうですけど、それはそれってことで
こんな百貨店があったら見てみたいと思わせてくれます。
けっして子供向けなわけではなくて…そうねぇ、1%ぐらいオカルトチックな部分もあり
全体的な印象としては暗いのですが、なぜか、少年少女の心を思い出す自分がいるという…
それから、オールディーズっぽい映画を観ているような懐かしさも感じられました。
テーマの無邪気さと、暗めな読後感のギャップが面白くてクセになりそうです。
白水uブックスではスティーヴン・ミルハウザーの短篇集が何冊かあるみたいなので
見つけたらきっと買ってしまうでしょう。
ひとことK-POPコーナー
SHINeeの韓国でのカムバックがなさそうなので『I'm Your Boy』を心待ちにしている今日この頃…
テミンが大人になってどんどんヒョンたちから巣立って行く〜 嬉しいような寂しいような…