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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『遠い声 遠い部屋』ビジュアル系小説

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OTHER VOICES,OTHER ROOMS 
1948年 トルーマン・カポーティ

発売当時絶賛されたそうですね。
でも、これはねぇ… 難しいです。
どの登場人物も独特というか特異な美しさを纏っている、ファンタジー色の強い一編で
面白くないわけではないのですが、好きじゃない物語。

文章は、今まで読んできたカポーティ同様、楽しんで読むことができましたし
全篇の3分の2ぐらいまでは本当に没頭して読んでいたのですが
後半はだんだん幻想の深みにはまり、ブクブク沈んでいくような感じで
私にはついていくのが困難になっていきました。

かいつまんで書いてみますと…
母を亡くし、親戚のところに身を寄せていたジョエル・ノックスという美しい少年が
会ったこともない父親エドワードと暮らすことになり
ヌーン・シティという町を訪れるところから物語が始まります。

町にはこれといって何も無く、訪れる手だてさえ無いのですが
父エドワードは、その町の近くに大きな屋敷を持つエイミイ・スカリィという女生と
再婚しているということでした。

登場人物はざっと30人ほどなのですが、大きく二つに分かれます。
ジョエルが、もともといた世界(ニューオーリンズ)に残してきた人たちと
ヌーン・シティに着いて新たに知り合った人たちです。

新たに知り合った人たちは、ほぼ全員が、一般的にノーマルと呼ぶには
人間離れした感性の持ち主のように(私には)思えて仕方がないわけなのですが
そんな人たちの中に、ジョエルは投げ込まれてしまったようなものなのね。
頼りになるはずの父親は、まったく頼りにならない状況にありました。

もうこれ以上は書かないんだけどさ…
私は最初から、このストーリーがジョエルに対して残酷だと思いながら読んでいました。
そして、好転を待ち望みながら読み続けていましたが、事態は悪くなる一方に思えました。

この展開とラストが、不幸なのか幸福なのかは見解のわかれるところかもしれませんが
というか、だいたい何を象徴しているラストなのかもはっきりしなかったわけですが
私はジョエルを不憫だと思うし、正直言ってかなり落胆しました。
できたら違う形で終わってほしかったと思っています。

どうやら、少年が大人になる過程を、抽象的に描いた話のようでもあるのですが
あまりに抽象的すぎて、ジョエルがピーターパンの変種みたいに思える。
現実的に暮らしていたニューオーリンズ時代の方が大人に思えるのは、私の気のせい?

短編集『夜の樹』で感じたカポーティ感が凝縮された中篇のような気がします。
そのラインが好きな方にはたまらない一冊かもしれません。

私にとっては、カポーティの美意識の計り知れなさを見せられたように感じた一冊でした。
マリリン・マンソンみたいなさ、白〜くてグロ美しい感じの人が
頭に浮かんでは消え浮かんでは消えっていう状態で読んでいました。
ちょいと疲れたね。

ひとこと韓流コーナー
職場のAさんが、ドラマ『主君の太陽 』を貸してくれたので観たらすごく面白くて17話一気に観ちゃったよ こらこら
ソ・ジソブ=哀愁を背負った暗い人(役)という印象でしたが、ラブコメもいけるんですね

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