LES FAUX-FUYANTS
1991年 フランソワーズ・サガン
ひさびさにサガンを読んでみましたが、やっぱり面白いですね!!
『逃げ道』は、サガンお得意の恋愛模様や恋人たちの心理より
究極の状況下におかれた人たちの人生観と言うのかしら?
価値観と言った方がいいのかしら? そんなものがテーマになっている作品に思えます。
1940年、パリ陥落から1週間後のフランス南部の農村が舞台です。
パリの上流社会に長い間君臨してきたプライドが高いディアンヌ・レッシング
富豪の若妻で、優しく利己心の無いリュース・アデール
破産した元良家の息子で、リュースのジゴロになっているブリュノー・ドロール
外務省で30年間働いてきた社交界好きのロイ・レルミット
この四人が、パリを脱出する人々の大渋滞に巻き込まれている国道に
ドイツ空軍の轟音が鳴り響きます。
空爆で四人は運転手と高級リムジンを失います。
翌日までに、リュースの夫がアメリカ行きの船を手配している
リスボンに行かなければならない四人は途方に暮れます。
そこへ荷車に乗った逞しい農夫モーリス・アンリが通りかかり、助けを申し出ます。
他に選択肢が無いと悟ったロイは、他の三人を説得してアンリの農場に向かいます。
農場には、威圧的だけれど筋が通ったアンリの母親アルレットと
寝たきりでしゃべれないモーリスの祖父がいました。
なにせパリという最先端の大都会で、しかも上流社会でしか暮らしたことがない四人。
「こんなところにいられるか!」と考えるのも無理がありませんよね。
けれども行く所は無い、出て行く手段も無い、食べ物も飲み物も無い、ということで
しぶしぶアンリ農場にお世話になることにします。
寝泊まりするだけでも不本意なのに、アルレットは、働かざるもの食うべからず!
という主義で、四人に金ではなく労働を要求します。
ここから先、あらすじは書きませんね。
イヤイヤながら農場の仕事に手をつけたセレブの皆さんですが
一人を除いて、だんだん農場の暮らしに愛着がわいてきます。
雄大な自然と美しい夕暮れを見ているうちに今までの人生を振り返ったり
恋に落ちて、初めて本当の愛の喜びを知ったり
田舎の人々の素朴さになんとなく惹かれたり… 理由はいろいろです。
そうこうしているうちに、刈り入れが終わりました。
フランスはドイツに降伏し、兵士になっていたモーリスの父親と兄が帰ってきます。
アルレットはボロ車を手配し、四人に遠回しに出発を促します。
明らかに後ろ髪を引かれている二人、バカンス気分でもう少しいたいと思う一人、
すぐにでも出て行きたい一人… そして、出て行ってほしくない一人、さぁ、どうする?
もちろん、出て行くか残るかの選択が人生最大級の分かれ道と言えますが
実は小さな選択肢はいろいろなところにあって… 例えば
あぁ、もっと早くパリを出ていれば!というのもありますし
モーリスについて行かなければ違っていたかもしれないし
あと一泊、せめて夕食を食べてからの出発にしていれば… とか
そんなことで大きく人生が変わっていたかもしれません。
人は、自分でも気づかないうちに大小様々な分かれ道を通って来ているのかもしれませんね。
うちの旦那さんがよく「なんで東京に出て来たんだよ」とか
「なんで転職してきたんだよ」とか言います。
そしたら出会わずにすんだのになぁぁ… ってことらしい 失礼な!
それにしても、このラストは〜! 驚いた!!
サガンはそれが一番幸せだと思って書いたのかしら? いや、そうじゃないと信じるね。
最大級の皮肉を込めたラストに見えます。
意地が悪〜い! サガンたら。
ただ、一番ドラマティックではあると思いますけどね。
ひとことK-POPコーナー
今うちの夫婦はAilee に夢中! ってわけで、韓ラブ音楽祭に行くべきかどうか悩み中です
『Heaven』の日本語バージョン聞きましたけど… いいんだけど、韓国語の方が聞き慣れているせいか好きかな?
1991年 フランソワーズ・サガン
ひさびさにサガンを読んでみましたが、やっぱり面白いですね!!
『逃げ道』は、サガンお得意の恋愛模様や恋人たちの心理より
究極の状況下におかれた人たちの人生観と言うのかしら?
価値観と言った方がいいのかしら? そんなものがテーマになっている作品に思えます。
1940年、パリ陥落から1週間後のフランス南部の農村が舞台です。
パリの上流社会に長い間君臨してきたプライドが高いディアンヌ・レッシング
富豪の若妻で、優しく利己心の無いリュース・アデール
破産した元良家の息子で、リュースのジゴロになっているブリュノー・ドロール
外務省で30年間働いてきた社交界好きのロイ・レルミット
この四人が、パリを脱出する人々の大渋滞に巻き込まれている国道に
ドイツ空軍の轟音が鳴り響きます。
空爆で四人は運転手と高級リムジンを失います。
翌日までに、リュースの夫がアメリカ行きの船を手配している
リスボンに行かなければならない四人は途方に暮れます。
そこへ荷車に乗った逞しい農夫モーリス・アンリが通りかかり、助けを申し出ます。
他に選択肢が無いと悟ったロイは、他の三人を説得してアンリの農場に向かいます。
農場には、威圧的だけれど筋が通ったアンリの母親アルレットと
寝たきりでしゃべれないモーリスの祖父がいました。
なにせパリという最先端の大都会で、しかも上流社会でしか暮らしたことがない四人。
「こんなところにいられるか!」と考えるのも無理がありませんよね。
けれども行く所は無い、出て行く手段も無い、食べ物も飲み物も無い、ということで
しぶしぶアンリ農場にお世話になることにします。
寝泊まりするだけでも不本意なのに、アルレットは、働かざるもの食うべからず!
という主義で、四人に金ではなく労働を要求します。
ここから先、あらすじは書きませんね。
イヤイヤながら農場の仕事に手をつけたセレブの皆さんですが
一人を除いて、だんだん農場の暮らしに愛着がわいてきます。
雄大な自然と美しい夕暮れを見ているうちに今までの人生を振り返ったり
恋に落ちて、初めて本当の愛の喜びを知ったり
田舎の人々の素朴さになんとなく惹かれたり… 理由はいろいろです。
そうこうしているうちに、刈り入れが終わりました。
フランスはドイツに降伏し、兵士になっていたモーリスの父親と兄が帰ってきます。
アルレットはボロ車を手配し、四人に遠回しに出発を促します。
明らかに後ろ髪を引かれている二人、バカンス気分でもう少しいたいと思う一人、
すぐにでも出て行きたい一人… そして、出て行ってほしくない一人、さぁ、どうする?
もちろん、出て行くか残るかの選択が人生最大級の分かれ道と言えますが
実は小さな選択肢はいろいろなところにあって… 例えば
あぁ、もっと早くパリを出ていれば!というのもありますし
モーリスについて行かなければ違っていたかもしれないし
あと一泊、せめて夕食を食べてからの出発にしていれば… とか
そんなことで大きく人生が変わっていたかもしれません。
人は、自分でも気づかないうちに大小様々な分かれ道を通って来ているのかもしれませんね。
うちの旦那さんがよく「なんで東京に出て来たんだよ」とか
「なんで転職してきたんだよ」とか言います。
そしたら出会わずにすんだのになぁぁ… ってことらしい 失礼な!
それにしても、このラストは〜! 驚いた!!
サガンはそれが一番幸せだと思って書いたのかしら? いや、そうじゃないと信じるね。
最大級の皮肉を込めたラストに見えます。
意地が悪〜い! サガンたら。
ただ、一番ドラマティックではあると思いますけどね。
ひとことK-POPコーナー
今うちの夫婦はAilee に夢中! ってわけで、韓ラブ音楽祭に行くべきかどうか悩み中です
『Heaven』の日本語バージョン聞きましたけど… いいんだけど、韓国語の方が聞き慣れているせいか好きかな?