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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『リトル・チルドレン』大アメリカの小さな話し

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LITTLE CHILDREN 
1937年 ウィリアム・サローヤン

ウィリアム・サローヤンて私は3冊しか持っていないのですが
けっこう翻訳が出てますね。

アメリカががんがん成長していた時代に、移民の子として過ごした作者の
自伝的短篇集だそうでございます。

少年が主人公のもの、まわりの大人に焦点をあてているもの、様々なお話しがありますが
概ね “ 涙ホロリ ” なお話しのような気がします。

17篇の中から好きだったお話しをご紹介します。

『メキシコ人(The Mexicans)』
ホアン・カブラルは、ある日妻と5人の子供と、脚の悪いいとこと4匹の犬を連れて
おじの畑にやって来ると「仕事をくれ」といいました。
雇わないと言うおじに対しホアンは安い賃金では嫌だと言って一歩も引きません。

結局、メキシコ人「働いてやる」、おじさん「光栄です(嫌味)」ってところに
おさまるんですが、かみあわない会話が読者をニヤッとさせます。
後半、メキシコ人移民と日本人移民の比較論が展開されます。
まぁ “ ジャップ ” て言われちゃってるんだけどねぇ… 昔の話だし…

『農夫の幸せ(The Peasant)』
アルメニアのグルティクという村からやってきたサルキスは
知人のいない異国での孤独を乗り越え、農場を手に入れ、成功し結婚しました。
時は経ち、子供たちは巣立ちし、生活は贅沢と言っても良いほど豊かになりましたが
サルキスは故郷のグルティクが恋しいままでした。

一昔前、アメリカンドリームを手に入れた異国人は、故国では羨ましがられる人でしたよね。
大国の威信は薄れたとは言え、今でもアメリカでヒットしたという物事は
ニュースになるほどです。
それでも貧しさのあまり後にしたという故国が懐かしいという思いが涙を誘います。

『撲は礼儀知らずなんかじゃない
        (Where I Come from People Are Polite)』
ある朝事務所に行くと、簿記係のミセス・ギルプリーが泣いていました。
ミセス・ギルプリーは自ら辞めたのだと言いましたが、会社が給料の安い自分を選び
彼女をクビにしたということがすぐにわかりました。
せっかく得た良い仕事でしたが、ミセス・ギルプリーを犠牲にするわけにはいきません。

仕事に対するアメリカ人のドライぶりが印象に残っている私としては
おとぎ話し、あるいは昔ながらの話としか思えませんが、まぁ、いい話ではあります。
皆自分の生活、家族の生活がかかっていますのでなかなかできることではありませんが
アメリカっぽい、O・ヘンリ的正義感が感じられる話ではありました。

もともと移民の国でありながら、後々やって来る移民には冷たいイメージがあるアメリカ。
そんな国の片隅で新興移民としてやって来た人々の小さな苦労や幸せをちりばめた
心温まるとはいきませんが、心を冷まさない一冊でした。

すごく面白いとは言いませんけど、読んで良かったとは思います。
他の2冊も読まもうと思っていますが、さしあたって増やす予定はありませんけどね…

ひとことK-POPコーナー
今日のBGMはBEASTのナイスミニアルバム Midnight Sunです。
MidnightのPVは韓国語バージョンも日本語バージョンも、どちらも良いですね

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