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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『模造記憶』文系なものでね…

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WE CAN REMEMBER IF YOU WHOLESALE AND 11 OTHER STORIES 
フィリップ・K・ディック

フィリップ・K・ディックは『ウォー・ゲーム』『人間狩り』『地図にない町』
読んだことがあります。
SFが苦手なわたしでもとても楽しめたのですが、『模造記憶』はぜんぜんダメでした。

なぜか?
わたしは、科学と化学の違いもわからず数学もダメで、高校2年の時に
“ 私立文系 ” という進路を選んでから一切関わりを持たずに生きてきました。

これまでの三冊と違って『模造記憶』は、なんていうの?
“ 法則 ” とか “ 仮説 ” とか、そういう科学っぽい内容が多いのよ。
それが本当にある法則なのか嘘なのかもさっぱりわかりませんが、読んでいて
苦しかった科学・化学の授業が思い出され、感情移入するどころじゃありませんでした。

だから、わかる人が読んだらすごくおもしろいのかもしれません。
大爆笑ものの法則とか「あ〜、ありそう!」なんて現象があるのかもしれない…

あと、メンタルな病系の話しが多くて、ちょっとドンヨリしましたね。

そんなわたしでも楽しめたお話しをいくつか…

『あんな目はごめんだ(The Eyes Have It)/1953年』
ある日、誰かがバスの中に忘れて行ったペーパーバックを読んでいたわたしは
他の惑星の生物による地球侵略を知ることになった。
その生物は好き勝手にからだをバラバラにしたり顔のパーツを取り外したりできるらしい。

これは単純に笑える!! これを読んで以来いろんな描写が気にかかる…

『囚われのマーケット(Captive Market)/1955年』
土曜日、バーセルスン夫人は、自分だけが商売できるその場所へオンボロトラックで出かけ
一方、放射能灰で侵されたキャンプ地では、夫人の荷物を心待ちにしていた。
今回の荷物が届けば、地球を脱出することができる。

夫人はたぶん、核戦争で荒廃した未来に商売をしに行ってるんだと思うんだけど
商魂逞しい人でなくて、未来のことを案ずる政治家なんかが行ってれば
状況は変わるんだろうか? そうも思えない気がするんだけどね…

『ミスター・コンピューターが木から落ちた日
    (The Day Mr.Computer Fell Out of its Tree)/1977年』
ジョー・コンテンプタブルが目覚めた時からコンピューターの具合がおかしく
出てくる朝食も揃えられた洋服もメチャクチャだった。
国中がそうなっていて、ミスター・コンピューターのイタズラをやめさせるため
地中深くで暮らしているミズ・シンプソンが呼び出された。

笑い話っぽいラストだけど… だからわたしはAIは恐ろしい!! って思ってるわけよ!
人間よりはるかに知識量が多い物が、人間の操作を待たずに自分で行動しはじめたら
世の中はどうなっちゃうんだよぉぉ!

てなことを言ってる時点で科学弱すぎ!! なんでしょうね。


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