疲れた… 2冊続けて読んだら。
日本の錚々たる作家・著述家・芸術家が、よってたかって猫について書いた
エッセイ・小説・書簡・詩・童話などなどが、80篇!おさめられています。
あまりにありすぎて、ひとつひとつはあげられません。
『猫の文学館 I』は
1 のら猫・外猫・飼い猫 2 仔猫がふえる! 3 猫も夢を見る 4 猫には何軒の家がある?
5 そんなにねずみが食べたいか 6 パリの猫、アテネの猫
の6章にわかれていて、エッセイが多めでした。
うちの猫自慢とか、猫は高貴で優雅だ、みたいな内容が多かった気がします。
『猫の文学館 II』は
1 死んだ猫のゆくえ 2 ペット・ロス症候群 3 猫の精霊ばかりが住む町
4 化け猫と不思議な話 5 猫の一族
の5章から成っています。
サブタイトルどおり、猫にまつわるミステリアスな内容のものが大半でした。
ほぼ全ての作品の題名に “ 猫 ” “ ねこ ” がついていて、同タイトルもありました。
作家陣には、以前読んだ『猫』と重複している方々もいました。
有名どころをあげると、太宰治・三好達治・与謝野晶子・壷井栄・室生犀星・内田百閒
向田邦子・佐藤春夫・川端康成・井上靖・高村光太郎・井伏鱒二・谷崎潤一郎・村上春樹
志賀直哉・夏目漱石・吉行淳之介・三島由紀夫・筒井康隆・小泉八雲・菊池寛・星新一 etc…
特に、大佛次郎さんのものはいくつもありました。
だけど、村上春樹さん以外は、皆さん一昔前すぎる面々ですよね?
そんなわけでこの本を読んで解ったことは、昔は皆さん、猫をペットとして飼うにあたり
ネズミ退治をしてもらうという目的も大きかったということです。
今なら、ネズミどころかセミやカマキリなんかくわえてたら「バッチィでしょ!」と
あたふたしちゃう感じですが、昔は「エラいエラい」と褒められたわけですね。
それから、不妊手術などはしてなくて、どんどん生まれる仔猫を
しかたなく捨てたとか始末したという話しを正直に書いています。
だけど猫を可愛がる気持ちは今と変わらず、エッセイは自分ちの猫にデレデレの
内容になってますし、病気になればちゃんと “ 家畜病院 ” なんかに連れて行ってます。
出産や食べ物についてと、うちの子はよその猫より器量よしで賢いについては
皆さん書かずにはいられないみたいですね。
谷崎潤一郎さんは、あいかわらず「猫は外国の猫じゃないと…」と書いてます。
各作品の後に作者の説明が書かれていて、他の猫についての作品が紹介されています。
皆さん、猫についてはいろいろあるみたいで、いくつも書かれていました。
一番好きだったのは、大佛次郎さんの『猫家一族』という、フランスの墓地で見つけた
日本語に訳すと “ 猫 ” と “ 雌猫 ” という墓標から想像がふくらむというエッセイでした。
もう少し最近の作家の『猫の文学館』が読みたいですよね。
海外版も読んでみたい。 でも1冊でいいかもしれん…
ネコにどっぷりつかってみたくありませんか?
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