JUVENILIA
ジェイン・オースティン
副題が『ジェイン・オースティン初期作品集』となっていて
長短とりまぜ、18編の作品がおさめられていますが、初期っていっても、あなた!
オースティンが12歳から18歳にかけて書いた物らしいです。
だから、いきなり恋に落ちたりとか、唐突に “ 終わり ” と書かれていたりとか
幼く見える部分もありますが、皮肉たっぷりの人物描写やセリフ
当時の上流社会のおつきあいの難しさや軽薄さの描き方はすごいっす!
恋愛や結婚についても、容姿だけでなく、階級とか家柄含め、すごくシビアで
十代がこんなこと考えて毎日過ごしてたら恐ろしーわ! と思えます。
これが、18世紀の上流の少女たちなら当然持ち得ていた処世術を素直に書いたものなのか
オースティンならではの、おませな観察力によるものかは、正直わかりません。
とは言っても十代の少女が、そんなに広く世間を見ていたとは思えないので
モデルになる女性や、近所のウワサが反映されているはず…
子供だからって、油断して目の前でなんでもおしゃべりしちゃいけないわね。
どの作品でも、後年オースティンの名を世に知らしめた『分別と多感』とか
『高慢と偏見』などに登場する、イヤ〜な感じの人物の、イヤ〜なところを強調した人が
主人公になっていると思っていただいていいと思います。
そうねぇ… 悪口が好きで、うぬぼれてて、条件の良い男性ばかりを気にしてる感じ?
まぁ、女性は本来そういうタイプが多いと思うし、自分がそうでないとは言いません。
オースティンは、それを目一杯、ユーモアたっぷりに描いてます。
小説、書簡小説、戯曲といくつかのタイプがありますが、内容のほとんどが
他の女性の悪口か、結婚相手になりそうな男性の自慢と言えます。
そんなわけで、けっこう笑えます。
とても短い作品も多いので、紹介は省きますが、ひとつだけ気になったものを…
『イングランドの歴史(The History of England)/1790年』
ヘンリー1世からチャールズ1世までの王を、オースティンなりに説明している作品。
書かれていることが本当だとしたら、オースティンは、ランカスター家とテューダー家が
大嫌いで、ヨーク家びいき、ということになります。
また、スコットランド女王メアリー・ステュワートにとても同情的で
エリザベス1世を嫌悪していたということになります。
エリザベス1世のことを書いたところを少し書いてみるね。
“ ヘンリー(8世)の唯一のとりえは、娘のエリザベスほどのひどい悪者ではなかった… ”
“ 人類に対する侮辱、あるいは社会に対する災いともいえるエリザベスによって王位が… ”
ね! 激辛でしょ?
ただ、この作品の中で、オースティンはカトリックをひいきにしていると書いていてますが
お父様とお兄様は牧師なのよね? 牧師はプロテスタントの聖職者ですよね?
だから、どこまで本気かよくわかりませんし、マルッと嘘かもしれないです。
以前読んだ『サンディトン』は、構想メモ的な要素が高かった気がしますが
こちらの一冊におさめられているのは、家族や親しかった人々に捧げられていて
いちおう “ 終わり ” まで書いていますので、少女時代のオースティンが
頭をひねって完成させた、将来のための習作の数々だと考えたいです。
オースティンを研究する方がにとっては好材料だと思いますが、
読み物としてどうなのかという点も含め、よい作品集なのかどうかはわかりません。
でもとても楽しい一冊でした。
ひとこと韓流コーナー
ぜんぜん知らなかったんですけど、ドラマ『深夜食堂』に韓国版があったと知って興味しんしんよぉ!
キム・スンウ様が出てるっていうじゃないのぉ! なぜ視聴率が悪かったんでしょう? BSでやってくれないかな…
ジェイン・オースティン
副題が『ジェイン・オースティン初期作品集』となっていて
長短とりまぜ、18編の作品がおさめられていますが、初期っていっても、あなた!
オースティンが12歳から18歳にかけて書いた物らしいです。
だから、いきなり恋に落ちたりとか、唐突に “ 終わり ” と書かれていたりとか
幼く見える部分もありますが、皮肉たっぷりの人物描写やセリフ
当時の上流社会のおつきあいの難しさや軽薄さの描き方はすごいっす!
恋愛や結婚についても、容姿だけでなく、階級とか家柄含め、すごくシビアで
十代がこんなこと考えて毎日過ごしてたら恐ろしーわ! と思えます。
これが、18世紀の上流の少女たちなら当然持ち得ていた処世術を素直に書いたものなのか
オースティンならではの、おませな観察力によるものかは、正直わかりません。
とは言っても十代の少女が、そんなに広く世間を見ていたとは思えないので
モデルになる女性や、近所のウワサが反映されているはず…
子供だからって、油断して目の前でなんでもおしゃべりしちゃいけないわね。
どの作品でも、後年オースティンの名を世に知らしめた『分別と多感』とか
『高慢と偏見』などに登場する、イヤ〜な感じの人物の、イヤ〜なところを強調した人が
主人公になっていると思っていただいていいと思います。
そうねぇ… 悪口が好きで、うぬぼれてて、条件の良い男性ばかりを気にしてる感じ?
まぁ、女性は本来そういうタイプが多いと思うし、自分がそうでないとは言いません。
オースティンは、それを目一杯、ユーモアたっぷりに描いてます。
小説、書簡小説、戯曲といくつかのタイプがありますが、内容のほとんどが
他の女性の悪口か、結婚相手になりそうな男性の自慢と言えます。
そんなわけで、けっこう笑えます。
とても短い作品も多いので、紹介は省きますが、ひとつだけ気になったものを…
『イングランドの歴史(The History of England)/1790年』
ヘンリー1世からチャールズ1世までの王を、オースティンなりに説明している作品。
書かれていることが本当だとしたら、オースティンは、ランカスター家とテューダー家が
大嫌いで、ヨーク家びいき、ということになります。
また、スコットランド女王メアリー・ステュワートにとても同情的で
エリザベス1世を嫌悪していたということになります。
エリザベス1世のことを書いたところを少し書いてみるね。
“ ヘンリー(8世)の唯一のとりえは、娘のエリザベスほどのひどい悪者ではなかった… ”
“ 人類に対する侮辱、あるいは社会に対する災いともいえるエリザベスによって王位が… ”
ね! 激辛でしょ?
ただ、この作品の中で、オースティンはカトリックをひいきにしていると書いていてますが
お父様とお兄様は牧師なのよね? 牧師はプロテスタントの聖職者ですよね?
だから、どこまで本気かよくわかりませんし、マルッと嘘かもしれないです。
以前読んだ『サンディトン』は、構想メモ的な要素が高かった気がしますが
こちらの一冊におさめられているのは、家族や親しかった人々に捧げられていて
いちおう “ 終わり ” まで書いていますので、少女時代のオースティンが
頭をひねって完成させた、将来のための習作の数々だと考えたいです。
オースティンを研究する方がにとっては好材料だと思いますが、
読み物としてどうなのかという点も含め、よい作品集なのかどうかはわかりません。
でもとても楽しい一冊でした。
ひとこと韓流コーナー
ぜんぜん知らなかったんですけど、ドラマ『深夜食堂』に韓国版があったと知って興味しんしんよぉ!
キム・スンウ様が出てるっていうじゃないのぉ! なぜ視聴率が悪かったんでしょう? BSでやってくれないかな…