MY NAME IS ARAM
1940年 ウィリアム・サローヤン
買っちゃったですよ、やっぱり、村上柴田翻訳堂、そりゃ買いますよねぇぇぇ…
作者が生まれ故郷を舞台に書いたという『撲の名はアラム』ですけど、長篇ではなくて
『ヒューマン・コメディ』同様、一家族をクローズアップしている
短篇集と考えていただけばいいと思います。
同じく自伝的短篇集と言われている『リトル・チルドレン』よりは
話しにつながりがあると思います。
この中の一篇『ザクロの木(ざくろ園)』は以前紹介しているのですが
一話づつでも、十分短編として楽しめるお話しばかり、14篇がおさめられています。
カリフォルニア州フレズノという町で暮らしている
アルメニア系のアラムという少年が語る、ガログラニアン一族のお話しです。
おじいさん、おばあさん、お母さん、たくさんのおじさんやいとこが登場します。
とにかく、14篇全部面白いんですよ!!
でも全部紹介するわけにもいかないし… 選ぶのも難しいんだけど…
一族の様子が垣間見える、おじさんが登場するお話しを書いてみますね。
そういえば『ザクロの木』もメリックというおじさんが主人公でしたね。
『ハンフォード行き(The Journey to Hanford)』
来る日も来る日も、木陰でチターを弾いている情けないジョルギおじさんが
一夏ハンフォードでスイカ獲りをして働くことになり、付き添いを決めることになった。
おじいさんが、子供たち、孫たちの中から撲を選んだ。
しかしハンフォードにつくと、おじさんは「スイカは獲り終わった」と言われてしまう。
『五十ヤード走(The Fifty-Yard Dash)』
12歳の時、クーポンを送ったニューヨークのストロングフォートから再三優しい手紙が届き
強くなるプログラムを値引きしてくれると言うので、ジコおじさんに相談しに行った。
当時おじさんは、ヨガにはまっていて、瞑想し、絶食し、酒も街をふらつくのもやめていた。
そしてストロングフォートをペテン師だと言ったが、お金は貸してくれた。
『アメリカを旅する者への旧世界流アドバイス
(Old Country Advice to the American Traveler)』
ある年、おじさんのエリクがニューヨークへ旅行に出かけるというので
おじさんのおじさんガルロがやって来て、旅の危険について語った。
ガルロおじさんが教える、危険を避ける方法すべてに、エリクおじさんは
イエス、サー、と返事する。
どのエピソードも、おじさんのパーソナリティーが表れていて面白いです。
これ以外にも、クセのあるおじさんやいとこがたくさん登場します。
一族を率いるおじいさんとおばあさんのやりとりも笑えます。
一話目から、とにかく自分たちが貧しかったと書かれています。
一族全員が貧困にあえいでいて、どうして食べていけるのか不思議だったと…
でも、一冊を通して、そんな印象はあまりうけませんでした。
それよりも、こんな一族に囲まれて、騒々しい、退屈するヒマもない
少年にとってはおもしろ可笑しい毎日だっただろうと想像できます。
でも事実は少し違っていたようです。
カリフォルニア州フレズノで生まれて育ったのは間違いではないようですが
生い立ちからして、まわりにこんなに親戚がいたのかどうかは疑問です。
作者の序文を読んでから作品を読むと、完全に自伝的小説だと思ってしまうのですが
もしかしたら、偉大なる想像の産物なのかもしれない…
そうだとしたら、少し寂しい気がします。
でも、思い出が反映されていようと、完全なるフィクションだろうと
小説としての面白さには変わりはないわけで、読んで良かった! と思っています。
ちなみに、アラムというのはサローヤンの息子さんの名前らしい。
自分の幸福な想像が、現実となって息子さんに与えられればいいな… なんて
考えながら書いていたのでしょうか?
ひとことバレーボールコーナー
学生時代バレー部でして、ずっと見てきていましたが、男子バレーボールがこんなにすごいことになっていたとは…
グッズがアイドルなみ… 負けちゃいましたが気持ちを切り替えて頑張ってほしいですね
1940年 ウィリアム・サローヤン
買っちゃったですよ、やっぱり、村上柴田翻訳堂、そりゃ買いますよねぇぇぇ…
作者が生まれ故郷を舞台に書いたという『撲の名はアラム』ですけど、長篇ではなくて
『ヒューマン・コメディ』同様、一家族をクローズアップしている
短篇集と考えていただけばいいと思います。
同じく自伝的短篇集と言われている『リトル・チルドレン』よりは
話しにつながりがあると思います。
この中の一篇『ザクロの木(ざくろ園)』は以前紹介しているのですが
一話づつでも、十分短編として楽しめるお話しばかり、14篇がおさめられています。
カリフォルニア州フレズノという町で暮らしている
アルメニア系のアラムという少年が語る、ガログラニアン一族のお話しです。
おじいさん、おばあさん、お母さん、たくさんのおじさんやいとこが登場します。
とにかく、14篇全部面白いんですよ!!
でも全部紹介するわけにもいかないし… 選ぶのも難しいんだけど…
一族の様子が垣間見える、おじさんが登場するお話しを書いてみますね。
そういえば『ザクロの木』もメリックというおじさんが主人公でしたね。
『ハンフォード行き(The Journey to Hanford)』
来る日も来る日も、木陰でチターを弾いている情けないジョルギおじさんが
一夏ハンフォードでスイカ獲りをして働くことになり、付き添いを決めることになった。
おじいさんが、子供たち、孫たちの中から撲を選んだ。
しかしハンフォードにつくと、おじさんは「スイカは獲り終わった」と言われてしまう。
『五十ヤード走(The Fifty-Yard Dash)』
12歳の時、クーポンを送ったニューヨークのストロングフォートから再三優しい手紙が届き
強くなるプログラムを値引きしてくれると言うので、ジコおじさんに相談しに行った。
当時おじさんは、ヨガにはまっていて、瞑想し、絶食し、酒も街をふらつくのもやめていた。
そしてストロングフォートをペテン師だと言ったが、お金は貸してくれた。
『アメリカを旅する者への旧世界流アドバイス
(Old Country Advice to the American Traveler)』
ある年、おじさんのエリクがニューヨークへ旅行に出かけるというので
おじさんのおじさんガルロがやって来て、旅の危険について語った。
ガルロおじさんが教える、危険を避ける方法すべてに、エリクおじさんは
イエス、サー、と返事する。
どのエピソードも、おじさんのパーソナリティーが表れていて面白いです。
これ以外にも、クセのあるおじさんやいとこがたくさん登場します。
一族を率いるおじいさんとおばあさんのやりとりも笑えます。
一話目から、とにかく自分たちが貧しかったと書かれています。
一族全員が貧困にあえいでいて、どうして食べていけるのか不思議だったと…
でも、一冊を通して、そんな印象はあまりうけませんでした。
それよりも、こんな一族に囲まれて、騒々しい、退屈するヒマもない
少年にとってはおもしろ可笑しい毎日だっただろうと想像できます。
でも事実は少し違っていたようです。
カリフォルニア州フレズノで生まれて育ったのは間違いではないようですが
生い立ちからして、まわりにこんなに親戚がいたのかどうかは疑問です。
作者の序文を読んでから作品を読むと、完全に自伝的小説だと思ってしまうのですが
もしかしたら、偉大なる想像の産物なのかもしれない…
そうだとしたら、少し寂しい気がします。
でも、思い出が反映されていようと、完全なるフィクションだろうと
小説としての面白さには変わりはないわけで、読んで良かった! と思っています。
ちなみに、アラムというのはサローヤンの息子さんの名前らしい。
自分の幸福な想像が、現実となって息子さんに与えられればいいな… なんて
考えながら書いていたのでしょうか?
ひとことバレーボールコーナー
学生時代バレー部でして、ずっと見てきていましたが、男子バレーボールがこんなにすごいことになっていたとは…
グッズがアイドルなみ… 負けちゃいましたが気持ちを切り替えて頑張ってほしいですね