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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『魅せられて四月』映画にぴったり!の夢物語

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THE ENCHANTED APRIL 
1922年 エリザベス・フォン・アーニム

本棚を整理していたら見つけた一冊です。
たぶん映画化された時に買っていたんでしょうけど
作家は知らないし、内容はまったく覚えてないし… というわけで再読してみました。

で、前書きを読んで驚いた エリザベス・フォン・アーニムは
私の大好きな作家キャサリン・マンスフィールドの従姉妹だそうです。
期待が膨らみましたよ!

そして期待はずれでしたよ〜ん

出だしは嫌いじゃなかったんですけどね…

夫や夫の家族に見下され、毎日の家事に疲れた主婦ロッティは
ある日買い物に向かう途中でイタリアの古城を貸し出すという広告を見かけます。
「夢みたいな話」とは思ったものの、やはりその広告に目を留めていた
初対面のローズという女性を、衝動的に誘ってしまいました。

ローズは夫の職業(有名な愛妾の伝記作家)を恥じていて
宗教活動に身を投じています。
かなり迷ったのですが、ロッティの熱気に圧されてその気になりました。

二人は賃貸料をまかなおうと、同行者を募りました。
応募してきたのは二人、過去の栄光に浸っている気難しいフィッシャー夫人と
孤独を求めている美しい貴婦人のキャロライン・デスターです。

年齢も境遇も趣向もまったく違う4人の女性はイタリアへと旅立ちます。

サン・サルヴァトーレの古城は素晴らしい眺めの心地よい所でした。
しかし、4人の旅人は気が合わず、話もかみあわず、ぎくしゃくした日々を送ります。

という感じでスタートする物語なんですけどね。

その後、ロッティを従順な家政婦みたいに思っていたご主人メラーシュと
教会のことにかかりきりのローズをまったく省みなかったご主人のフレデリックが登場。

メラーシュは妻の勝手にブリブリ怒りながらも、弁護士の自分に有利な相手がいるかも、と
期待してやって来ました。
フレデリックは以前からキャロラインに魅せられていて
まさか妻がいるとは思わずに現れてビックリ! です。

さらに古城の持ち主ブリッグスも古城に顔を出しました。
彼はロンドンで一度自分を訪ねて来たローズのことが印象に残っていました。

歪み合うというよりいつまでも理解し合えない女性たちのもとに
何だか不埒な思惑を抱えた男性が集まって… さぁ、物語はどうなる?
もう、ものすごーく良い感じに展開していきますよ

なんというか… 屈託とか憂いとがほとんど感じられない話なのよね。

風光明媚で雰囲気満点な異国へ行きゃあ、誰もがハッピー!
閉ざしていた心を開けばみんなが笑顔!!
妻が美しく見え、夫が頼もしく思えて、冷めていた夫婦愛も甦るってどうよ?

確かに旅行に出かける人は出かけない人より寿命が長いといいますが
このストーリーのご陽気さはどうかと思うよ。

でも、景色もキレイそうだし、(フィッシャー夫人以外は)美しいみたいだから
映像で見るにはもってこいかもしれないですね。
映画はハッピーエンドの方が、見終わって気が重くならず楽しめますもんね。

女性が輝きを取り戻し、前向きに生きていくきっかけを掴むお話しです。
いいですね! 決して貶すつもりはございません。
マンスフィールドの従姉妹だという一点に期待を寄せた私が悪うございました。

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