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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『郊外の一日 新チェーホフ・ユモレスカ1』つくづく短編名人!

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1884年~1887年 チェーホフ

“ ユモレスカ “ が “ ユモレスク ” と同じ意味で使われているとしたら
少しこっけいなものを集めた小作品集というようなことになるのでしょうが
あまりその部分にとらわれずに読む方が良いようです。

とにかく幅広い… なんでも書いてるんですね、チェーホフ。
そこらへんを歩いてて目にした物事は、たとえば絵画で言う写生のように
すぐその場で小説にしちゃってたんじゃないかっていうぐらい
多様なテーマを扱っています。

喜怒哀楽、いろいろな感情を持って読めるお話しが31篇!
いくつか印象に残ったものをご紹介します。

『郊外の一日/1886年』
朝の8時過ぎ、靴屋のテレンチーが畑にいると、6歳の浮浪者の娘フョークラが走って来て
伯爵の森で木の洞に突っ込んだ手が抜けなくなった兄のダニールカを助けてと言います。
テレンチーは「やれやれ」と腰を上げると、村を抜けて伯爵の森に向かいます。

すっごくいい話しなのよぉ!
こういう大人がたくさんいたら、世の中はよくなりそうな気がする…
だけど、他の話しを読むとそうも思えなくなってしまうんだけど…

『花婿とパパ 現代的な或る小景/1885年』
ピョートル・ミールキンは、まわりの人々から、コンドラーシキン家の娘
ナスターシャと結婚するのかと聞かれて、誤解を解くために彼女の家に向かいます。
しかし、出て来たナスターシャの父親は、娘と結婚しろと言って一歩も引きません。

下手なのよねぇ… ピョートル・ミールキン
モームに『家探し』っていう話しがあるんだけど、こういうふうにしなきゃ!
それより(たぶん食費をうかせたいからって)その女性の家に通い続けたのがどうかと思う…

『聖なる純朴 物語/1885年』
教会の高齢の院長ジェズローフ神父のもとへ、15年ぶりに息子が訪ねて来ます。
モスクワで名高い弁護士になっている息子を料理女に自慢したい神父でしたが
息子は、破産しそうになった話しや、離婚した話しを披露します。

世代間ギャップに加え、田舎と都会で暮らすうちに生じる人生観のズレや
金銭感覚の大きな大きな違いが浮き彫りになる一編です。
こういう親子はかなり多いと思う。

『父親/1887年』
ムサートフ老人が息子のボリースのところに、またもや金の無心に来て泣き言を言います。
何も言わず金を渡すボリースに、老人は、息子が三人とも親切だと涙を流します。
しかし、送って来た息子を家に入れると、女たちの前では偉そうに振る舞います。

この話しをどう受け取ればいいのか、途方に暮れてます。
どんな親でも孝行しなさいよっていう教訓なのか、情けない父親を笑い者にした話しなのか
のんだくれで落ちぶれた老いた父親の哀愁を読み取るべきなのか… もう少し悩んでみます。

私はチェーホフの短篇集をけっこう持ってまして、中には箱入りで何十話もおさめられている
ものもあるので、もちろん重複しているも話しがあるのですが
買う度に未読のものが少なからずあることに驚きます。
しかも、チェーホフは若くして亡くなっているので、執筆期間は短いですよね?

本当に、何かの待ち時間中にちゃちゃっと書いてたとしか思えない多さ!
しかし片手間で書いたとは思えない完成度!!
ちゃんと寝ていたんでしょうか? 寝る間を削っていたんじゃないかと心配になります。
今心配してもしかたないんだが…

ひとことフィギュアスケートコーナー
羽生君、すごいよねぇ… で、グランプリシリーズ・ファイナル見てたらリンク脇日本人(女性)多かったよね?
近ツーとかJTBがツアー組みましたかね? 広告も日本のばっかりだし…NHK杯かと思っちゃったわよ

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