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三島 由紀夫
これまで三島由紀夫を何冊か読んでまして、それなりに楽しく読めていたのですが
これはダメだった〜 、特に前半。
何度放り出しちゃおうと思ったか… 100円でよかった。
9篇の物語がおさめられています。
何が苦手だったかというとね…
美しい言葉を選び、単語の順序も美しく響くよう気を配り、などと
細心の注意を払って書いているのでしょうか? とてもとても綺麗な文章です。
だけど、比喩に比喩を重ね、修飾に修飾を施し、ってな感じで
くねくね曲がり、どこにつながっているのかわからない道を進んでいるような感覚?
いったい何が言いたいんだよ〜、キーっ
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私には難しくてわからなかったわけだが、こういうのが耽美派の神髄なんですかね?
なので文章の意味するところを考えるのは放棄し、綺麗な単語をひたすら目で追う、という
読み方に切り替えてみたら、物語としてはそれなりに楽しむことができました。
印象的だったのは、むかしむかし…的な話の数々でした。
『みのもの月/1942年』
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女から男へ、心が離れてしまったことを責めるような手紙。
男から女へ、他に好きな女性ができたことを打ち明ける手紙。
女から男へ、未練たらたらに思える手紙。
男から女へ、音信不通をなじる手紙。
通い婚って平安時代でしたっけ? これはその通い婚の話みたいで
二人には娘がいるのに、男性が女性の家に寄り付かなくなったみたいなんですよね。
前々から、通い婚って男性が飽きたらどうするんでしょ? と思っていたのですが
そうか… こうなるか… と読んでいたら、驚きのラストでした。
『中世/1946年』
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25歳にして世を去った足利義尚の父義政は、深い悲しみに暮れていたが
儀式を行わせた美しい巫女を侍らせることにする。
義尚の寵愛を受けていた猿楽の菊若は、霊海和尚を訪ね剃髪を願いでたが
菊若の美しさに魅了された和尚が拒む。
義政の前に、どこからか大きな亀が現れる。
室町時代の話?
悲しみを紛らわせる良薬が、若い女性たちをとっかえひっかえ
寝所に入れることだという発想といい、性欲に溺れる高名な聖職者といい
君主の絶対的権力といい、洋の東西を問わない中世的な内容になっております。
『軽皇子と衣通姫 -かるのみことそとおりひめ-/1947年』
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皇后が、亡くなった前天皇の陵を訪ねようとしていた夜道で
妹であり前天皇の愛妾でもあった衣通姫に出くわす。
姫は天皇の死後、天皇と皇后の長男である軽皇子と愛し合っていた。
それがもとで、軽皇子は後継の座を弟に奪われ、伊余へ流されていた。
旦那も息子も奪った妹は憎かろう… というわけで
姉と妹の壮絶バトルが繰り広げられれば面白かったのですけどね、違います。
ただ、最後の最後に勝ったのは、姉の皇后だったような気がしました。
行いの立派な人の言うことが正しい! と言っているような印象を受けました。
ノスタルジックな話が多く、面白くないテーマじゃなのですが
なにしろ読み通すことに疲れてしまいまして…
誰か削りに削った簡単な文章で書き直してくれないかなぁ、と考えたほどでしたが
三島文学、だいなし…ってことになっちゃいますよね?
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5%から8%になるっていうんで買いだめ… はしなかったんですけど、店の値札替えが死にそうだったさ!
来年また上がるんでしょー
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