THE MAGICIAN
1907年 ウィリアム・サマセット・モーム
モームが好きな私は『魔術師』もかなり前から持っていたのですが
裏表紙に “ オカルティズム文献を駆使し渾身の力をこめて描きあげた ” と書いてあるもので
どうも尻込みしてしまって今まで読んでいませんでした。
で、勇気を出して読んでたら、予想以上に楽しめました。
たしかに、気味が悪かったり、オカルト文献からの引用を長々読まされてグッタリしたり…
というところはありました。
でも、どちらかというと現実的なテーマを、独特の落ち着いた筆遣いで描くモームが
こういう物語も書くのか… という新鮮さも味わえました。
ちょっと紹介しますね。
自称 “ 魔術師 ” で、異様な容貌と奇異な行動で人目を引くオリヴァ・ハドゥ
評判の高い医師で、紳士的なアーサー・バードン
アーサーの婚約者で、人並みはずれて美しいマーガレット・ドーンシィ
以前マーガレットを教えていた元教師で、パリではルームメイトのスージー・ボイド
アーサーの父親の友人で、医者を引退して神秘学を研究しているポロエ博士
主な登場人物は以上5人とこじんまりしています。
あらすじはすごーくはしょっていきますよ!
パリで絵の勉強をしていたマーガレットをアーサーが訪ねて来ます。
プロポーズから2年、もうすぐマーガレットと結婚できるアーサーは幸福の絶頂にいます。
マーガレットも、父の死後世話になったアーサーを幸せにしたいと望んでいます。
そんな二人の目の前に現れたのがオリヴァです。
アーサーもマーガレットも、最初からオリヴァの神秘的な力など信じられず
嫌悪感を抱いていたのですが、それが憎悪にまで達する出来事がおきました。
ところが、ある体験からマーガレットがオリヴァを愛するようになり
とうとうアーサーを裏切って、秘密裏にオリヴァと結婚しフランスを後にしました。
アーサーはうちひしがれてイギリスに帰ります。
スージーは気晴らしに出た旅先のイタリアでハドゥ夫妻の悪い噂を聞き
モンテカルロで別人のように下品になったマーガレットを見てショックを受けます。
ロンドンで再会したアーサーとスージーは、一緒に知人のパーティにでかけ
そこでオリヴァとマーガレットとも再会してしまいます。
変わり果てたマーガレットに唖然としたアーサーですが
勇気を奮い起こしてマーガレットを訪ねて行くと、彼女の口からとんでもない話を聞かされて
いてもたってもいられず彼女をホテルから連れ出しました。
ここから話は俄然神秘的な方向へ向かっていくのですが、書くのはやめときます。
字面だけ追っていくと、やっぱり好きなタイプの物語ではなかったです。
ラストなんて、本当にモームが書いたのぉ? と軽くショックを受けてしまった気持悪さ。
なのですが、ものすごく勝手な解釈が浮かびました。
恋愛って、少なからず魔法にかかったようになるでしょ?
それをすごくオーバーに書き表したのがこの『魔術師』なのじゃないかしら?
百歩譲って、マーガレットの奇行はオリヴァの邪悪な力が影響を及ぼしていたとしましょう。
だけど、スージーの方もかなり魔法にかかっちゃってますよ。
密かにアーサーを愛するようになったスージーなのですが
マーガレットを忘れられず、彼女を助けたい一心で周りが見えないアーサーの
言いなりになっちゃってます。
そんなことまでしてあげる必要ないのにってことまで、引き受けちまって…
10年以上恋い焦がれ、尽してきた挙げ句にぺちゃんこにされたアーサーだって
マーガレットがポロリともらしたひと言で、普段の冷静沈着さをかなぐり捨てて
後先考えずに危険に立ち向かうわ、理解できない行動をするわで、これも魔法でしょ?
他人がなんと言おうと愛おしく見える容姿や表情
頭では拒もうとしても、どうしても抗えない恋しい人への想い
相手の好みに合わせようと、とんでもないイメチェンを図って失笑を買う
世間がどう見ていても許してしまうひどい仕打ち… などなど
恋心が冷めた頃にゃ〜、なんで…? と、自ら呆れたり後悔したりすることってありますよね!
もう、変な魔法をかけられていたとしか思えないよ。
モームは、自伝的小説と言われている『人間の絆』の中で
どんな目に遭わされても別れられない女性との不幸な愛を書いていますが
魔法とか魔術という理解し難いものに重ねて
そんな恋心の不思議をデフォルメしたのではないでしょうか?
まったく違ってたらすみません。
結婚して10年もたっちゃうと、いったいどこがそんなに好きだったんでしょう?ってことも
もう思い出せないのよね〜、 お互い様だと思いますけど…
でも私にもきっと、旦那の何から何までステキに見えた時期があったわけなのよ。
これを魔法と言わずしてなんと言う?
旦那に言わせりゃ、K-POPのどこがそんなにいいんだか! ってことになるらしいんだが
これも魔法にかかっちゃってる状態だとあきらめてほしい…
ひとことK-POPコーナー
BIGBANGのライブDVDにMBLAQのカムバック、SHINeeのライブDVDと楽しみが続々な今日この頃
嬉しいけどお財布が心配よぉ、消費税も上がるっていうのに…
1907年 ウィリアム・サマセット・モーム
モームが好きな私は『魔術師』もかなり前から持っていたのですが
裏表紙に “ オカルティズム文献を駆使し渾身の力をこめて描きあげた ” と書いてあるもので
どうも尻込みしてしまって今まで読んでいませんでした。
で、勇気を出して読んでたら、予想以上に楽しめました。
たしかに、気味が悪かったり、オカルト文献からの引用を長々読まされてグッタリしたり…
というところはありました。
でも、どちらかというと現実的なテーマを、独特の落ち着いた筆遣いで描くモームが
こういう物語も書くのか… という新鮮さも味わえました。
ちょっと紹介しますね。
自称 “ 魔術師 ” で、異様な容貌と奇異な行動で人目を引くオリヴァ・ハドゥ
評判の高い医師で、紳士的なアーサー・バードン
アーサーの婚約者で、人並みはずれて美しいマーガレット・ドーンシィ
以前マーガレットを教えていた元教師で、パリではルームメイトのスージー・ボイド
アーサーの父親の友人で、医者を引退して神秘学を研究しているポロエ博士
主な登場人物は以上5人とこじんまりしています。
あらすじはすごーくはしょっていきますよ!
パリで絵の勉強をしていたマーガレットをアーサーが訪ねて来ます。
プロポーズから2年、もうすぐマーガレットと結婚できるアーサーは幸福の絶頂にいます。
マーガレットも、父の死後世話になったアーサーを幸せにしたいと望んでいます。
そんな二人の目の前に現れたのがオリヴァです。
アーサーもマーガレットも、最初からオリヴァの神秘的な力など信じられず
嫌悪感を抱いていたのですが、それが憎悪にまで達する出来事がおきました。
ところが、ある体験からマーガレットがオリヴァを愛するようになり
とうとうアーサーを裏切って、秘密裏にオリヴァと結婚しフランスを後にしました。
アーサーはうちひしがれてイギリスに帰ります。
スージーは気晴らしに出た旅先のイタリアでハドゥ夫妻の悪い噂を聞き
モンテカルロで別人のように下品になったマーガレットを見てショックを受けます。
ロンドンで再会したアーサーとスージーは、一緒に知人のパーティにでかけ
そこでオリヴァとマーガレットとも再会してしまいます。
変わり果てたマーガレットに唖然としたアーサーですが
勇気を奮い起こしてマーガレットを訪ねて行くと、彼女の口からとんでもない話を聞かされて
いてもたってもいられず彼女をホテルから連れ出しました。
ここから話は俄然神秘的な方向へ向かっていくのですが、書くのはやめときます。
字面だけ追っていくと、やっぱり好きなタイプの物語ではなかったです。
ラストなんて、本当にモームが書いたのぉ? と軽くショックを受けてしまった気持悪さ。
なのですが、ものすごく勝手な解釈が浮かびました。
恋愛って、少なからず魔法にかかったようになるでしょ?
それをすごくオーバーに書き表したのがこの『魔術師』なのじゃないかしら?
百歩譲って、マーガレットの奇行はオリヴァの邪悪な力が影響を及ぼしていたとしましょう。
だけど、スージーの方もかなり魔法にかかっちゃってますよ。
密かにアーサーを愛するようになったスージーなのですが
マーガレットを忘れられず、彼女を助けたい一心で周りが見えないアーサーの
言いなりになっちゃってます。
そんなことまでしてあげる必要ないのにってことまで、引き受けちまって…
10年以上恋い焦がれ、尽してきた挙げ句にぺちゃんこにされたアーサーだって
マーガレットがポロリともらしたひと言で、普段の冷静沈着さをかなぐり捨てて
後先考えずに危険に立ち向かうわ、理解できない行動をするわで、これも魔法でしょ?
他人がなんと言おうと愛おしく見える容姿や表情
頭では拒もうとしても、どうしても抗えない恋しい人への想い
相手の好みに合わせようと、とんでもないイメチェンを図って失笑を買う
世間がどう見ていても許してしまうひどい仕打ち… などなど
恋心が冷めた頃にゃ〜、なんで…? と、自ら呆れたり後悔したりすることってありますよね!
もう、変な魔法をかけられていたとしか思えないよ。
モームは、自伝的小説と言われている『人間の絆』の中で
どんな目に遭わされても別れられない女性との不幸な愛を書いていますが
魔法とか魔術という理解し難いものに重ねて
そんな恋心の不思議をデフォルメしたのではないでしょうか?
まったく違ってたらすみません。
結婚して10年もたっちゃうと、いったいどこがそんなに好きだったんでしょう?ってことも
もう思い出せないのよね〜、 お互い様だと思いますけど…
でも私にもきっと、旦那の何から何までステキに見えた時期があったわけなのよ。
これを魔法と言わずしてなんと言う?
旦那に言わせりゃ、K-POPのどこがそんなにいいんだか! ってことになるらしいんだが
これも魔法にかかっちゃってる状態だとあきらめてほしい…
ひとことK-POPコーナー
BIGBANGのライブDVDにMBLAQのカムバック、SHINeeのライブDVDと楽しみが続々な今日この頃
嬉しいけどお財布が心配よぉ、消費税も上がるっていうのに…