古本屋さんで見つけて買った後で『アメリカ短篇24』の装丁違い?と思ったのですが
いくつか重複していたっものの、違うものでした。 よかった
こちらも24篇おさめられています。
『アメリカ短篇24』にもあった『いちご寒』『亡き妻フィービー』をはじめ
フォークナーの『乾いた九月』、モールツの『世界一幸福な男』
アンダスンの『森の中の死』など、けっこう読んだことがある話があったのですが
またまた楽しむことができました。
その他、スタインベックやヘミングウェイ、カポーティなど盛りだくさんです。
いくつかご紹介します。
『メイ・デイ(May Day)/スコット・フィッツジェラルド』
1919年5月1日、ビルトモア・ホテルをゴードンというくたびれた青年が訪れ
イェール大学の同級生だった宿泊客のディーンに面会します。
ゴードンは久しぶりに会ったディーンに借金を申し入れて断られます。
もう、ね! 金策に走る男を書かせたら、フィッツジェラルドは五本の指に入るね!!
これが彼のパーソナリティとどう関係しているかは知りませんけど…
借金の申し出を断るディーンは、決して悪い人じゃないと思います。
ゴードンが哀れだからって、ディーンを誤解しちゃいけないわ。
『特だね(A Front-Page Story)/ジェイムズ・T・ファレル』
大学を担当している取材記者は、女学生ルース・サマーの葬儀に参加して
死の真相をつきとめました。
しかし、彼には特ダネを手にしたという嬉しさはありませんでした。
この記者はすごく頑張って、なるべく感動的なストーリーに仕上げるんだけど
それでも記事にはするのよね。
たしかにその記事を読んで、私もルースの人生にホロリときました。
マスコミを嫌う人々は多いけど、良心を持って伝えている人もいるはず… と信じよう。
『ざくろ園(The Pomegranate Trees)/ウィリアム・サローヤン』
夢見がちなメリックおじが、広大な砂漠を買い果樹園を造るというので手伝うことにします。
手始めにざくろを700本植え、トラクターを買い、土地を耕しました。
しかし、どんなに頑張っても水が足りません。
カリフォルニアに畑を造った実話ってなかったですっけ?
しかし、誰か止めなかったの… 夢見がちにもほどがあるでしょうよ。
だけど男の人が夢を真剣に追い始めたら、誰にも止められないのかもね。
おじさんの老後が心配だけど、家族愛は強そうだからなんとかなるかな?
ああ楽しかった!
1900年代のものが中心ですので、人種問題にふれたものや
現代から見れば古い感じがするものもありますが、やはり読み継がれる名作だけあって
中だるみすることなく一冊読み通せました。
こういう全集は、いろいろな作家の作品が楽しめて本当にいいですね。
各出版社、どんどん出していただきたいわ。
ただ、どうしても同じ作品がかぶるのが悲しいですね。
そこをなんとかしていただいて… 復刻でもいいからお願いします。
ひとことK-POPコーナー
『SURPRISE VACATION』DVD6枚+特典ポーチが本日到着! 放送とは違う編集で新鮮ね
で、輸入盤だからしかたないけど日本語字幕がないんだよ〜 一時停止を駆使して英語字幕で頑張って見ています