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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『頼むから静かにしてくれ』チリも積もれば大きなイライラ

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THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CAEVER I 
レイモンド・カーヴァー

先日『レイモンド・カーヴァーの子供たち』を読んで
カーヴァー自身の話をあまり覚えてないな… と思い、読み返してみました。

この本には22篇おさめられていますが、覚えていたのは一篇だけでした。
初めて読む本のような気持ちで読めて得した気分。

気になったお話しをいくつかあげてみます。

『ダイエット騒動(They're Not Your Husband)/1972年』
妻をスリムにしようと協力してくれる旦那はありがたいけど、動機が不純?

『あなたお医者様?(Are You a Doctor?)/1973年』
妻が出張中の男の家に電話をかけてきた、未知の女の、強引さがすごい!
なにが彼女をそうさせるのかが不明。

『収集(Collectors)/1975年』
失業中、郵便でくる通知を待っていたら、やってきたのは掃除機のデモンストレーターで
家に入ると、強引に各部屋に掃除機をかけました、っていう話なんですけど
私はこれと同じような体験をしたことがあるんですよね! ということで印象に残りました。

『他人の身になってみること(Put Yourself in My Shoes)/1972年』
嫌がらせ半分で他人の家を訪ねたら、逆にいや〜な気分にさせられちゃう話し。

『こういうのはどう?(How About This?)/1970年』
田舎暮らしがしたい! と望んでいる人に、夢と現実の違いを突きつける一編。

とりあえずこれぐらいあげてみましたが、他の話も概ね面白く読めました。

どの話も、町中にゴロゴロ転がっていそうな事がテーマになっています。
たぶん、当事者じゃなければどうでもよくて、たいした問題じゃないエピソード。
その日のテーブルでは話題になっても、次の日には忘れていそうな事が中心で
とても共感しながら読むことができました。

反面、どの話にもちょっとイライラさせられました。
かみ合わない会話とか、いちいち気に障る人、堂々巡り
なかなか抜け出せない…ひとりだけ浮いてる…というシチュエーション、などなど…

たしかに、各々の話が面白いことは面白いのですが
22篇続けて読むと、最後の方にはイライラが大きな塊になってました。

これは、たぶん、作者がわざとそうしているんだと思うのですがどうでしょう?
そしてそれがすごく上手いの。
日々の暮らしの中にはイラつくことやムカつくことがちょこちょこありますよね。
そういう出来事の中から、面白い話になりそうな部分を上手く切り抜いて
巧妙なペンさばきで再現しているような一篇一篇でした。

カーヴァーは何冊かあるので、他の話もそうなのか読んでみようと思っています。

ひとこと漢方コーナー
高麗人参の蜂蜜づけというものを大量にいただいたのね。ものすごく体に良いのはわかっているのだが
独特の苦みがあってパクパク食べるというわけにもいかず… 食べ方をいろいろ探している今日この頃です

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