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Channel: まりっぺのお気楽読書
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『斜陽 他一篇』強い女はお嫌い?

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1947年 太宰 治

日本の小説の書き出しといえば、川端康成の『雪国』が有名ですが
私は『斜陽』の書き出しの方が印象的で好きなのです。
ちょっと書いてみますね。

 朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
 「あ。」
 と幽かな叫び声をお挙げになった。

この一文に惹かれて買った『斜陽』なのですが、読むにつれて気分

私は没落の物語はけっして嫌いではなくて、むしろ好きなジャンルなのですが
この話はどうも入り込むことができませんでした。

敗戦後、経済的に苦しくなった家庭の娘、かず子が主人公の物語です。
かず子は一度結婚したことがあるのですが離婚して
今は、貴婦人の典型のような優美で可愛らしい母と暮らしています。
父は亡くなり、弟は戦争で南方へ行ったきり行方知れずになっています。

東京での生活がたちゆかなくなり、伊豆の山荘に移り住んだ母子ですが
母の弟の和田の叔父からの仕送りもあり、編み物なぞしてみたり
食糧の足しにちょっと畑仕事をしてみたりして日々を送っています。

けれども、生活はだんだんきつくなる一方。
母は日に日に体が弱くなり、かず子は慣れない家事に追われ
和田の叔父からは仕送りが難しくなったと言われ
遊び人だった弟は、南方でさらに身を持ち崩して帰国し…と
お嬢様育ちのかず子の肩には、一家の生活と運命がのしかかってきます。

私はお嬢様育ちじゃないから知らないけどさ〜
日本のお嬢様は、淑やかで従順で風情があって、知性と美徳を兼ね備えている、だけど
Survive ! するための何かが、完全に欠落しているような気がしてならない…
勝手な印象だけを言っていますけどね。

海外の物語でも、没落して路頭に迷ってしまう主人公は少なくないのですが
どんな手を使っても生き抜こうとするメンタリティの強さとガッツが垣間見えて
主人公がこの世を渡っていけそうな気にさせられます。
でも、かず子のような主人公が路頭に迷ったその後は想像できない…生きていけなそう…

例えば(例えるのもどうかと思うが)『風とともに去りぬ』も没落のお話しですね。
スカーレット・オハラは、様々な困難にぶちあたって、なんとか打破しようと頑張るけど
ことごとく裏目にでちゃう、という女性でした。
どっちかっていうと、身から出た錆的な不幸が多かった気もするけどね。
でも最後まで前向きな女性でありました。

スカーレットが、方法はどうであれ、明日に向かってもがき、ぶちあたるタイプだとすると
かず子はおとなしく誰かを待っているタイプ?

私は、苦境にある女性が頑張って、幸せになって、あー、良かった!という話が
良いと言っているわけではありません。

しかし、かず子ったら、生きていく上で、どこかネジがゆるんでいる気がするわ。
かず子が遅ればせながらした決心もどうかと思うよ。
自分一人でもこれからどうなるかって時に、さらに読者を心配させるラスト…
和田の叔父も頭痛の種が増えるというものです。

たぶん、太宰治はうちのめされた女性が強く立ち直っていく姿や、
弱々しい女性が苦境をはねのけるために生まれ変わっていく様を
描きたいわけではなかったのでしょうね?

たしかに「もうどうでもいいや」と無気力になる時は少なくないですよね。
「なんとかなるだろう」と、立ち向かわないままやり過ごすことも多いしね。

そう考えると、『斜陽』は、なんだかんだ言っても無力な人間の
正直な姿が描かれているのかもしれないですね。
こちらの方が、リアルといえばリアルなのでしょうか?
でも、自分がこの立場におかれたら、かず子と同じ選択はしないと思うな… やっぱり

もう一篇の『おさん』は、以前書いたので割愛します。

ひとことゲームコーナー
ほしの島のにゃんこ、Androidはもう最新版にアップデートできるらしいんだけど、iPhoneはまだなのね〜
だから豆腐屋が手に入らないのよ〜! 音楽のダウンロードは上手くいかないし… IPhoneに変えなきゃよかったよぉ

ミラノ 華麗なる貴族コレクションに行って来ました

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今さら…って感じですが、ゴールデンウィーク終盤、Bunkamuraザ・ミュージアムに
ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション を観に行って来ました。
期待に胸ふくらませ…

このコレクションのことをかいつまんで言うと…
ミラノ有数と言われた貴族ペッツォーリ家の、ジャン・ジャコモ・ポルディが
先祖代々の美術品とともに莫大な財産を受け継ぎまして
自分でも美術品蒐集をするかたわら、自宅を美術館にのように改修したそうなのね。

そして彼の死後、彼の遺言によって自宅は美術館として解放され
世界大戦などの危機を、ミラノ市民の支援によって乗り越えて
現在では、ヨーロッパで最も優雅な邸宅美術館と言われている… ということらしいです。

莫大な財産て、本当ぉぉぉに莫大だったんでしょうね! 想像もつかないほどに…

今回日本にやってきている美術品は、もちろん “ ほんの一部 ” なわけですよね。
収集品のジャンルは絵画のみにとどまらず、甲冑・磁気・ガラス・金銀細工と幅広く
絵画もイタリアのルネサンス期のものを筆頭に、他国からも幅広く集められています。

ボッティチェッリなんかもありましたよ。

しかも、邸宅の部屋を各コレクションに合わせて改修していて
装飾とかステンドグラスとかもすごいのよ!

豪遊と美女たちにつぎ込むよりははるかに崇高だったとはいえ
下々の者たちから見れば、そのグラスひとつで2ヶ月ご飯が食べれるのにぃ…という
貴族ならではの無頓着なお金の使いっぷりですよね。

私は以前リヴァプールで、やはり個人が邸宅を開放している美術館というのに行き
田舎の領主様のお宅みたいなところで、先祖の肖像画とか、昔の家のまわりの風景画とか
風情はあるが華やかさはないアンティークの家具などを観たことがあります。
お金はあんまりかかってないと思うの…そりゃあもう、こじんまりしてたわよ。

邸宅美術館といってもいろいろあるのね…

それはさておき、お金がかかっているこちらのミラノ貴族コレクションは
素晴らしいものなのでしょうが、私はあまり…

本当に先祖伝来のものとか、家族のエピソードが垣間見える絵画や調度品などを観て
当時の貴族のゴージャスな生活が見られると思って行ったので
聖母像ばっかり何枚も見せられましてもね…もともと宗教画が苦手なんだし。

そういえば、たしかに “ コレクション ” って書いてますね。
私の目的が根本的に間違ってました… すみません。

ひとことラーメンコーナー
久しぶりに夫婦で渋谷に行ったので、とんこつラーメン食べよー!ってことになり一蘭に行ったのですが、ビックリ!
前後左右、韓国と中国の方々ばかりで私まで店員さんに英語で話しかけられる始末…アジアはとんこつブームなの?

『小さな土曜日』タイトル買い、失敗

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GOD WAS HERE BUT HE LEFT EARLY
アーウィン・ショー

可愛らしい題名で、ニューヨークのいい話っぽい短篇集かしらと思っていましたが…
今まで読んだアーウィン・ショーの短篇集は、どれも好きだったのですが
これはどうも好きになれない一冊でした。

各々がそれぞれに言いたいことを含んでいるとは思うのですが
何が言いたいのかはっきりしないのよね。
そしてそのわりにはヘヴィなのよ。

感想はあまりないので、入ってる5篇すべて書いておきます。

『神、ここに在ませり、されど早や去りたまいぬ
                (God Was Here But He Left Early)』
いくつもの嘘を考えていたのに、バートの紹介で訪れたスイスの精神病院で
結局ローズマリィは正直に話してしまって、中絶は認められなかった。
パリで子供の父親に会ったが、なんの解決にもならなかった。

『賢く公正なるものすべて伝わるところ(Where All Things Wise and Fair Descend)』
気分よく目を覚ました日、スティーヴは恋人とランチの約束をして教室へ向かった。
教室では、先週兄を事故で亡くしたクレインが、黒板に詩を書いていた。
クレインに声をかけるとドライブに誘われた。

『混迷の中のささやき(Whispers in Bedlam)』
窓際のアメフト選手ヒューゴーは、耳の負傷でチームメイトのサインが聞き取りづらい。
ヒューゴーは意を決して耳の手術を受ける。
すると、敵のささやきまで聞こえるようになってしまった。

『マニコン溶液(The Mannichon Solution)』
研究所で、さえない部署にいるマニコンは、実験の過程で不思議な反応を見つけた。
マニコンが二人の花形研究者に話をもちかけると、彼らは協力を承諾した。
しかし二人には大きな野望があった。

『小さな土曜日(Small Saturday)』
背が小さいことがコンプレックスのクリストファーは、夢のせいで安眠できなかったが
土曜日に「今夜5フィート8インチ以上の女とセックスするように」という声を聞き
真剣に相手を探し始めた。

のんきに始まるわりに、だんだん重い感じになっていくのはどれも同じです。
あまりに現実的ではない展開のような気もするし
ドラマティックに仕立てすぎという気もする…
今まで読んだアーウィン・ショーとはかなり印象が違うので戸惑いました。

5篇とも、主人公は普段はありえない行動をおこしているんですよね。
ローズマリィは酔った勢いで子供ができちゃった
スティーヴはたいして仲も良くないクレインとのドライブをOKしちゃった
ヒューゴーはガンガン活躍するようになって一目おかれるようになった
マニコンはいきなり花形研究者と一緒に仕事をするようになった
クリストファーはいきなりラブハンターになっちゃった…というわけで
多かれ少なかれ、非日常的な行動をしているわけです。

それがどういう結果を招くかということが、この本を読む楽しみだと思いますが
すみません、私が好きな終わり方ではなかったんですよね。

教訓はなんだろう?
背伸びしないで真面目に生きなさいっていうことかしら?
平凡な毎日が幸せってこと? 普通が一番ってことかな?
アーウィン・ショーが教訓をたれるタイプの作家なのかどうかは知りませんけどね。

ひとことK-POPコーナー
先週2回行ってきた… 韓国ミュージカル『宮』。 実は私はミュージカルが苦手なのですが、すごく楽しかったわ
6列目と2列目だったので〜 テミンペンのRちゃんの目はでしたが、あまりの近さに私までになりそうだった!

『崩壊 フィッツジェラルド作品集3』フィッツジェラルドならではの一冊

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SHORT STORIES BY F.SCOTT FITZGERALD 
スコット・フィッツジェラルド

この本には11篇の小説と6篇のエッセイらしきものがおさめられています。
やはり『バビロン再訪』はいいですね〜、何度読んでも。
それ以外は未読でした。

私は、小説の方は本当に面白く読めたのですが、エッセイはダメでした。
だって、この人は作家になって本当に幸せだったのだろうか? とまで思えるほど
苦悩が紙面上を覆っているようなもんで、こっちまでどんよりしちゃってね…
でも、ものすごくよい編集だと思いました。

表題の『崩壊』はエッセイです。
面白かった小説の方からいくつかご紹介します。

『異国の旅(One Trip Around)/1930年』
二十代のネルソンとケリー夫妻は、中東の旅の途中で感じのいい若夫婦を見かけた。
2年後、ケリー夫妻はモンテカルロにいてパーティーに明け暮れる毎日を送っていた。
ネルソンの浮気がわかった日、二人は以前中東で見た若夫婦を再び見た。
ケリー夫妻はその後パリへ、そしてスイスへ移り住む。

若くして大金を手にした好奇心いっぱいの夫婦が、大金故にどのように変貌していくか…
宝くじに当たったら… 大きな遺産が入ったら…
きっと皆さん、有意義な使い方を思い描いていると思いますが、しょせんあぶく銭なのね〜
人間は弱いものだなと思わされます… それでも当たってほしいけどさ。

『遠すぎた出口(The Long Way Out)/1937年』
若く幸福なキング夫人は、二人目の子供の出産後、長い昏睡状態に陥った。
目覚めてからも長い回復期を経て、やっと夫との小旅行に出かけられるまでに回復した。
出発の日、夫人が準備をすませて、入院している病院のホールに降りて行った頃
夫は交通事故に遭い、2〜3時間しかもたないだろうと言われていた。

これはね、もちろん奥さまも可哀想なのですが、まわりの病院スタッフが気の毒でね。
実は主人公はキング夫人じゃなくて、病院スタッフなんじゃないかしら?
最後に、人間ってこんなもの…という真理をグサッと突く一文があります。

『金づるフィネガン(Financing Finnegan)/1938年』
エージェントのキャノン氏の事務所でも、出版者のジャガーズのところでも
フィネガンはちょっとツイていないが、もうすぐ良い作品が書き上がると聞かされた。
そして二人とも、相当の金をフィネガンに貸しているらしい。
数ヶ月後、フィネガンは北極旅行に出かけ消息を絶った。

どっちかっていうと、金ずるはキャノン氏やジャガーズのことを言うんじゃないの?
貸す方も後には引けなくなっちゃってるという、おかしくも哀しい話しですけど
フィッツジェラルドも原稿料の前借りをけっこうしていたというから
貸してくれた相手をちょっと茶化してるような気がしないでもない…

主人公が作家だったり脚本家だったり、売れっ子だったり落ちぶれてたり
舞台がハリウッドの映画会社だったりパリだったり、というのは
勝手知ったる… という感じですよね。

それから、大金を手にして放埒になる夫婦の話、精神を崩していく妻、
アルコールが手放せない絶望的な男、というのも体験談に近いものがあります。

小説とはいえ、けっこうフィッツジェラルドの人生とリンクする一冊ですね。
売れっ子からすべり落ちかけている時期だったのでしょうか?
ユーモアを交えてはいますが、悲愴なつぶやきみたいです。

巻末の年譜と解説にけっこうな量が割かれています。
私はもちろんちゃんと読んでないのですが、パラパラーとめくってたら
1940年に亡くなっているのですね?
エッセイは1936年〜37年に書かれています。
精神的にも経済的にも苦しい時期に書かれていたわけですね。
あの暗さと重さ… なんとなく納得…

自分が得意なテリトリーを題材にしている作品も、過去を懐かしむというより
金策のために短編を多産しようとテーマを選んでいたのかしら?と考えると
かなりせつないものがあります。

でも単純に作品として読めば、(小説部分は)本当に楽しめる一冊でした。

ひとことゲームコーナー
ほしの島にゃんこがやっとバージョンアップできて、他の人の島に行けるようになったのね
そしたら皆さんすごくて、自分の島がやけに殺風景に思える… いろいろアイテムを購入しなければならないかも

『この世界の女たち アン・ビーティ短篇傑作選』こじれてもLet It Go

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THE BEST OF ANN BEATTIE 
アン・ビーティ

つい流行にのっちゃった…

アン・ビーティは、名前は知っていましたが読んだのは初めてです。
なので、この一冊に限ってということになりますが、好きな感じでした。

けっこう濃密な内容が展開されているわりに、唐突にスパッと終わるので
読者は(私は)道の上に放り出されて置いて行かれるような気がしてオロオロしますが
文章も落ち着いているし、登場人物が皆年配ということもあって
取り乱さず、沈着なペースで物語が進むのも読んでいて好ましかった。

この一冊に出てくるような家族が、The U.S.Aなのかどうかはわかりませんが
アメリカっぽいな〜という印象を(ほぼ偏見ですけど)受けました。

離婚も再婚も軽々こなして、連れ子も義理の兄弟姉妹も当たり前の存在で
親子ではなく対等な関係で会話しようとする子供たちがいて
つらい出来事の後でもホームパーティは開かなきゃ…
ちょっとイヤなことがあったからマリファナ吸っちゃおうかな…キミもどう? って感じ。

ひとつの物語にテーマがふたつみっつあって同時進行的に進むので
短篇とはいえけっこう複雑でした。
好きだキライだとはっきり言えないのですが、特に印象深かったお話しを紹介しますね。

『かわりを見つける(Find and Replace)/2001年』
父の死から6ヶ月を記念すると母から言われて、空港からレンタカーで家へ向かった。
母はいきなり近所に住むドレイク・ドレオドゥスと一緒に暮らすことにすると言う。
一度は空港へ向かったが、母を説得するつもりで引き返す。

『コンフィデンス・デコイ(The Confidence Decoy)/2006年』
フランシスは、亡くなった伯母の別荘から引っ越し屋たちと自宅へ戻る途中で
彼らのひとりが作っているデコイを買おうとアトリエに行き、財布がないことに気づく。
別荘に引き返したフランシスは、ふと、息子の恋人が妊娠していることを確信した。

『ウサギの穴(The Rabbit Hole as Likely Explanation)/2004年』
母は、わたしの最初の結婚式に招待されていないと言い張る。
父には別の家族がいて、わたしはその家族の子だと言い続けている。
母が施設に入った日、オハイオから弟がガールフレンドとやって来る。

さらっと書いちゃいましたけど、どのお話しにも問題がいくつも転がっています。

ほとんどが家族の中でくすぶる不安とか、疑心などなど…
そして、登場人物たちはそれらの問題に向かって果敢に挑むわけでなくて
なんか放ったらかしなのよ… 焦燥感とか無力感を抱くだけ。

でも、自分を振り返ると、やっぱり問題って放ったらかしにするよね。
なんとかなるだろうと思っているうちに、なんだかかたづいているものもあれば
深みにはまっちゃってるものもあり…

一度こじれると一番やっかいそうなのが家族関係ですね。
憎い、嫌いだ、と思っていても、家族だからという理由で修復を強要され
関係を維持することを求められるんだもの。

そういうジレンマに溢れた一冊ではありますが、登場人物たちは深刻になりすぎず
脱力感を漂わしております。
どうせどうすることもできないなら、あきらめが大切ってことでしょうか?

ひとことK-POPコーナー
INFINITEの『Season 2』 ソンギュとウヒョンのソロも、HもFもあって楽しめますね
Last Romeo はMVもステージもINFINITEらしくピシッピシッピシッとキマって気持いい〜

『キス・キス』…胃のあたりがムカムカする

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KISS KISS
1953〜1959年 ロアルド・ダール

題名と表紙ははポップで楽しそうなのに… 嘘つきぃぃぃっ!

ロアルド・ダールは、以前『王女マメーリア』『あなたに似た人』を読んで
そこそこ面白かったので、本屋さんで見つけた時に即購入したのですが
なんなんでしょう? この後味の悪さは…

11話おさめられていますが、大きく分けると
侮られた人々が相手を見返すちょっと笑えるお話しと
少しファンタジーっぽい奇妙なお話し、の2パターンかな?

奇妙なお話しは全体的に苦手でしたが、中でも金輪際読まないと思うのが
『豚(Pig)』という話し。
もう、登場人物も展開も会話もラストも全部ムカムカする。
あー! ニューヨークの弁護士のやつ! 本当に吐き気がしそう…

なので、ちょっと痛快に思えるお話しからいくつかご紹介します。

『天国への道(The Way Up to Heaven)』
ミセス・フォスターは、時間に遅れることを病的に恐れ
ミスター・フォスターは、わざと遅れそうにして妻を怯えさせるようなところがある。
ミセス・フォスターが一人娘に会いにパリに発つ朝も
ミスター・フォスターは忘れ物をしたと言って家に戻ってしまった。

これはねぇ、本当は面白がってちゃいけないのでしょうが
この夫だったらこんな目にあってもしかたないのでは… なんて思える話し。
奥さんをチクチクいじめてる旦那さん、お家のメンテナンスはちゃんとしないとね。

『牧師の愉しみ(Parson's Pleasure)』
ロンドンの骨董店の店主ミスター・ボギスは、週末になると牧師に変装して田舎へ出かけ
貴重な骨董品を驚くほどの安値で手に入れていた。
その日は、農場で2万ポンドもしようかというチッペンデールの飾り棚を目にする。
農場にいる三人の男たちは、その価値がわかっていないようだ。

今までがラッキーだったと思わなきゃね! 完全に詐欺でしょ? これ。
骨董ってホントに何がどうすれば高値がつくのか、一般人にはわかりませんね。
何かないかと家の中をみまわしてみましたが、びた一文無い…

『ミセス・ビクスビーと大佐のコート(Mrs.Bixby and The Colonel's Coat)』
ミセス・ビクスビーは何年もの間、月に一度伯母に会いにペンシルヴァニアに行っていたが
実は大佐と呼ばれる男に会いに行っていた。
ニューヨークで歯医者をしている夫は何も気づいていない。
しかし、とうとう大佐から別れを告げられ、とても豪華なミンクのコートを贈られた。

“ 策に溺れる ” とはこういうことを言うのでしょうか?
もちろん奥さんは痛い目にあわされるのですが、さらにダメ押しがあって面白いの。
女性としては手をたたいちゃいけないのでしょうけど、今まで裏切ってきた報いだからね…

クスっと笑える話しの方は、以前読んだ2冊同様楽しめたのですが
そうでない方は、本当に気味が悪いの。
読んでいて自然に口もとがゆがんでしまいました。

特にグロテスクだったり残酷だったりする描写はほとんど無いのですが
どうも私がイヤだと感じるストライクゾーンにバシッとはまっちゃったとしか思えません。
他の方が読んだら、そんなにムカムカしないかもしれないです。

とはいえ、久しぶりにイギリスの作家の本を読んだので
随所に現れる英国っぽさに触れる心地よさは味わえました。

ひとことK-POPコーナー
Kちゃんが大好きなU-KISSのMVが物議を醸してるっていうので観てみたけど、曲もMVもカッコいいと思うけどね…
ま、私は年食ってるのでまったく影響を受ける心配はないけど、お若い方には影響が大きいということでしょうか?

『ティンブクトゥ』犬の人生(?)もいろいろ

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TIMBUKTU 
1999年 ポール・オースター

『最後の物たちの国で』『ブルックリン・フォリーズ』の2冊で
すっかりオースター・ファンになってしまい、また読んでみました、が…

とにかく予測のつかない作家ですね、オースター。
以前読んだ2冊とは、またもやまったく違う印象を受けました。
前半は語って語って語り倒す…っていう感じで、少しうるさい〜と思いましたが
後半は落ち着きを散り戻し、やっと感情移入することができました。

主人公はミスター・ボーンズ… 犬です。

ミスター・ボーンズが、破滅型で狂気を孕む放浪の詩人ウィリー・G・クリスマスと
ニューヨークからはるばるボルチモアまで、徒歩で! やって来たところから
物語が始まるのですが、その時点でウィリーは瀕死状態。

ウィリーは高校時代の恩師ビー・スワンソンに、ミスター・ボーンズの世話と
ロッカーに預けてある作品のことを頼もうと最後の力をふりしぼってやって来ました。

この願いが聞き入れられたかどうかはおいといて…
ミスター・ボーンズの飼い主はこの後2回変わります。
暮らしはウィリーといた時より安楽で平和になったみたい。

けれども結局ミスター・ボーンズの心を支配していたのは
長年片時も離れずにいて一緒に放浪を繰り返してきたウィリーだったのね。
最後には… あ、これは書いちゃダメだ、ネタバレになっちゃう。
書きたいけどぉぉぉ…

あ! 題名の『ティンブクトゥ』ですけど、これは、ウィリーがミスター・ボーンズに
死後に行く来世として語り聞かせていた場所の名です。
ミスター・ボーンズは、ウィリーがそこへ行くなら自分も行って
永遠に一緒に暮らしたいと、ずっと願っていました。
この題名からお察し下さい。

犬が主人公といえば、ジャック・ロンドンの『荒野の呼び声』『白い牙』が有名で
どちらも人間に対する犬の感情が見事に描かれています。

『ティンブクトゥ』でもそういった感情が描かれているのですが
ミスター・ボーンズがバックやホワイト・ファングと完全に違っているところは
人間の言葉を理解しているところです。

よく飼い主が「わかってるみたい」とか「きっとわかるんだよ」と言いますが
彼は本当に理解していて、ウィリーもそれを確信していて人間を相手にするように語ります。
後に飼い主になった二人にもなんとなくそれがわかり
ミスター・ボーンズがまるで友人でもあるかのように心配事や愚痴を話します。
しかし、ある意味それがミスター・ボーンズにとっての不幸だったような気もする…

普通の飼い犬なら汲んでやる必要の無い、複雑な飼い主たちの感情まで抱え込んで
応えてあげようとしなきゃならないんだからね。
これは人間の言うことを忠実に聞くというのとは訳がちがいます。
疲れるね〜、ミスター・ボーンズ。

『白い牙』を読んだ時にも感じましたが、犬は恩を忘れない反面
新しい主人にもすぐに忠実になれる順応性を持って生まれてきているのでしょうか?
注いだ愛情を愛情で返してくれるなんて、こんなに嬉しいことはありませんね。

でも、何度も言いますが、私はネコ派!!

それにしても、オースター、次に何を読めばよいでしょう?
きっとまた驚かされることでしょう。
しかし、作品の世界観や表現方法がまったく違っていたとしても、どれも好きです。
何がオースターっぽいのかは掴めずにいますが、現実と虚構のほどよいバランスが
心地よいかなぁ… なんて思っています。
ま、たった3冊しか読んでいないので、今のところはってことになりますけど…

ひとことK-POPコーナー
きっと皆さん “ 声帯ポリープ ” をググられたことでしょう! 生活に支障がないということなのでとりあえず一安心ですが
オニュ〜 きちんときちんと治して、また美しくて癒される歌声を聴かせてね。 待っています。

『ビラヴド』語りつぐことの難しさ

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BELOVED 
1987年、2004年 トニ・モリスン

『パラダイス』『ジャズ』に続いて読んでみました。
早川書房のトニ・モリスン・セレクションの一冊。

私は、この作家の物語には、内容の好き嫌いはともかく静かに圧倒されます。
かなりのファンタジー性をはらんでいるのにまったく非現実を感じさせない…
不思議な魅力にどっぷりはまっていってしまいます。

いきなり “ 幽霊が棲んでいる家 ” という現実離れした設定から始まり
さらに実際には考えられない展開をする物語なのですが
なんと! 残酷で哀しい実話を下敷きにしているということです。

例によって舞台と時代が行ったり来たりで、語り手もどんどん変わるので
あらすじを追っていくのは相当難しい…
難しいから裏表紙の紹介文を肉付けするだけにします。

奴隷解放が始まっていた1850年前後のアメリカのオハイオが舞台になっています。
セサと娘のデンヴァーは、赤ん坊の怨念が渦巻く家で暮らしていました。
その赤ちゃんは、18年前にある事件で命を失ったセサの子で
その家に耐えきれなくなったセサの息子二人は、すでに家を逃げ出し行方も知れません。

ある日、その家にひとりの男がやって来ます。
セサと夫のハーレと一緒にスウィートホーム農場で働いていたポール・Dでした。
ハーレは農場を脱走する時にセサとはぐれてしまい、生死もわかっていません。

18年ぶりに会ったセサとポール・Dはその夜結ばれ
一緒に暮らすことになったポール・Dが子供の霊に打ち勝って追い出します。

けれども、18年ぶりに平穏を取り戻した家にいきなり若い女が現れ
そのまま居ついてしまいました。
彼女の名は “ ビラヴド(BELOVED)”
それは、セサが死んだ我が子の墓に刻んだ一文と同じでした。

彼女の登場が、これから平穏に暮らせそうだったセサとデンヴァー、そして
やっと巡り会えたセサとの将来を考えていたポール・Dの人生を狂わせていきます。

ビラヴドが何者かってことは書きませんけど、だいたいおわかりでしょうか?

物語の内容はこれぐらいにして、実話を紹介しますね。
1865年、追手に囲まれた逃亡奴隷の女性が4人の子供を道連れに死のうとして
まず3歳の娘を殺した時点で捕まるという事件があったそうです。
その女性がセサ、殺された娘がビラヴドのモデルとなっています。

物語の中でセサは、農場へ連れ戻されるぐらいなら死んだ方がましだし
子供たちもあんな目に遭うぐらいなら死んだ方が幸せだったと考えていて
自分がやったことは間違っていないと言い続けます。

どんな目に遭うかというと、自分や女の子は “ 交尾させられ ” て “ 繁殖に使われ ” て
男の子はバラバラに “ 売られて ” 行き、一生顔をみることができなくなる…
実際セサの母親もハーレの母ベビー・サッグスもそうやって生きてきました。
殴られ、脅され、跪かされ、反抗が過ぎれば首を吊るされるか黒こげに焼かれる…
連れ戻されるぐらいなら… と考えても不思議じゃないですよね。

たぶん、トニ・モリスンは史実をもとに足しも引きもせず書いているのだと思います。
奴隷解放に努め、脱走奴隷の世話をしてくれる白人や
どんなに白い目で見られても人として黒人を扱おうとする白人も登場させて
フェアであろうとしているんだと思います。

だけど、かなり引き込まれる物語になっているだけに、そして表現力が豊かなだけに
奴隷制に関係がない日本人の私でも「ああ、なんて酷い!」という思いが募っていきます。
たとえそれが当時アメリカで当たり前のことだったとしても…

戦争・侵略・虐殺… 人がおこした悲劇は語りついでいかなければならないと思う…
思うけど、どうやって伝えていくのか、ものすごく難しいですね。

淡々と語っているようでも、ある表現が人々を煽ってしまう場合があるだろうし
年数と計数だけを述べるだけでは悲劇の根本が伝わらないでしょう?

本人による経験談が一番効果的だとは思いますが
主観が勝ってしまうことがあってもけっしておかしくはないし
その後継者の話しとなると別人の主観が混ざることで違う色を帯びてしまう場合もある…
本当に本当に難しいですね。

と、いつになく真剣に考えてしまったわけですが
トニ・モリスンの、現実と虚構…というより幻想世界の絶妙なバランスを持つ物語を
またひとつ読むことができて、とても幸せでした。

ひとことゲームコーナー
ほしの島のにゃんこはモチベーションを下げつつ続けていますが、オノはまだしもツルハシって300本も使うのぉ?
しかもまだまだ出続けている… 使いみちがなく途方に暮れている今日この頃です

ポーランド公ヘンリク4世妃 マティルダ

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略奪婚?妄想が膨らむ妃
ヘンリク4世妃 マティルダ・ブランデンブルシュカ

1270〜1298/在位 1288〜1290

モヤモヤを残しつつ表舞台から去っていったコンスタンツィアと離婚後が死別後に
ヘンリク4世が再婚したのは、ブランデンブルグ=ザルツヴェーデル辺境伯オットー5世の娘
マティルダです。
         
同じくオットー5世の娘でマティルダの姉あたるベアトリクスが
マティルダに先立ってピアスト家のシュフィドニツァ公ボルコ1世に嫁いでいます。
このことがマティルダの縁談を大きく後押ししました… ってことなんですけど
一説によれば、ヘンリクとマティルダは結婚前から関係があったということです。

ボルコ1世とベアトリクスは1284年に結婚しています。
マティルダがその時にポーランドを訪ねたとして、ヘンリク4世の目にとまっちゃったとして
誘惑に負けちゃって… どんどん想像が膨らんじゃうわ…

ヘンリク4世とマティルダが離婚した年ははっきりしていませんが
もし、1284年以降だとすると略奪婚の可能性は大きいですね。

姉も嫁いでいるぐらいですから両家の政治的な思惑は十分あったでしょうけど
正妻を陥れて離婚させ王妃の座に座るなんて、悪女伝説にもってこいですよね。
特にコンスタンツィアが、語りつがれているように惜しまれて亡くなったとすると
悪役にもってこいのキャラクターですけど… 肖像画はそう見えませんね。

1290年にヘンリク4世が突然亡くなりました。
これは毒殺らしいです。

マティルダは結婚後2年ほどで未亡人になり、故郷に帰りました。
まだ20歳前後の若さだったと思うのですが再婚した形跡はなく、1298年に亡くなりました。

悪女としてでもいいから、何かエピソードが残っているとよいんですけどね。
本人はイヤかもしれないけど…


幸福でなによりです
プシェミスゥ2世妃 リクサ・シュヴェシュカ

1273〜1293年/在位 (王妃)在位せず (公妃)1290〜1293

ヘンリク4世の遺言により最高公の座を継承したプシェミスゥ2世は3回結婚しています。
一人目の妃は、メクレンブルク家のリュドガルダで、1273年に結婚しました。
しかし10年後リュドガルダは急死しまして、これはプシェミスゥの仕業という説もあります。
ずっとお子様ができなかったのね…

その2年後の1285年にスウェーデン王ヴァルデマーの王女リクサと再婚しました。
           
なーんのエピソードも残っていないのですが、言い伝えでは幸せな結婚生活だったそうです。

没年は不明ですが、1293年にプウシェミスゥがリクサの碑文を発注したそうなので
そのあたりではないかと言われています。
ボズナンの大聖堂に葬られました。
墓所だけでもわかっていてよかったですね。

プシェミスゥ2世は久々にポーランド王の座についた君主ですが
即位が1295年なのでリクサは即位していません。

リクサはプシェミスゥ2世に唯一の子供、リクサ・エルジェビエタを残しています。
エルジェビエタは、ボヘミア王ヴァーツラフ2世に嫁いだ後未亡人になり
同じくボヘミア王のルドルフ1世と再婚するんですけど、このボヘミア王二人は
プシェミスル家とハプスブルク家と、家系が違う王様です。
エルジェビエタも中世らしい複雑な人生を歩んだ王妃と言えそうですね。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
今さら…なのですが、この前私が働いている商業施設にVIXXがイベントで来てて、なんと!スタッフ通路で2回も遭遇
キレイな顔でした〜やっぱり。 あまり詳しく知らないのですが、親近感がわいたのでまずは名前から覚えようっと

『華麗なるギャツビー』映画化される?

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THE GREAT GATSBY 
1925年 スコット・フィッツジェラルド

表紙がディカプリオ版じゃないのよ、レッドフォード版なの…年代物ね!

実は先日、C・D・B・ブライアンの『偉大なるデスリフ』という小説を読んで
たぶん『グレート・ギャツビー』へのオマージュ的な作品なんだろうけど
どのあたりがそうなんでしょう? と思い、すっかり内容を忘れてしまったギャツビーを
ゴソゴソ探し出して再読してみたわけです。

フィッツジェラルドの出世作で、多くの人を虜にしたと思われる不朽の名作…だよね?
だけど、小説の感想は… つまらなかったんだよぉ
この小説、あるいは映画のファンの皆様、ごめんなさい。

映画は観ていないのですが、きっとキレイな映像で、オシャレだったと思うわ。
読んでいてその場面が脳裏に浮かぶという表現力はさすが! だと思うけど…

例えばデイズィ・ビュキャナンとジョーダン・ベイカーが居間の寝椅子にいる
冒頭のシーンとか、ギャツビー邸の夜な夜な開かれるパーティーの様子なんか
すごく鮮明に思い描けて、映像にしやすかったのではないでしょうか?

だけど、これ、映画化する話しかな?
不気味なほど執着心が強い虚栄心の塊のような男と、金に目がない綺麗なだけの女の
ラブストーリーというには心がソワソワしない、ブルーな気分になる物語だし
リアリティが無いわりにファンタジックな胸の高まりもない…
うーん… やはりビジュアルに頼りすぎている気がする。

あらすじは、みなさんかなりご存知だと思うので、ささっと書きますね。

語り手はニック・キャラウェイという若い証券マンで、ジェイ・ギャツビー邸の隣人です。
ギャツビー邸では頻繁に盛大な夜通しのパーティーが催されていて
ニューヨークから有名人が大挙して訪れていました。

ニックのまたいとこデイジィは、ニックのイェール大の同窓生トム・ビュキャナンと結婚し
岬の反対側の高級住宅地の邸宅で暮らしています。
トムはとんでもない大富豪の息子で、大学時代から金の使いっぷりが話題でした。

トムを訪ねて行ったニックは、そこで女性ゴルファーのジョーダン・ベイカーに出会います。
ジョーダンはギャツビーのことを知っているようでした。
また、トムにはニューヨークに女がいてデイズィも知っていると教えてくれました。

ある夜、ニックはいきなりギャツビーのパーティーに招かれます。
そして何度か通った後、ジョーダンを通してギャツビーからある依頼を受けました。
それはデイジィをお茶に誘い、その席に自分も呼んでほしいということでした。

明らかになるデイズィの過去とギャツビーの過去、デイズィとギャツビーの未来
ギャツビーを取り巻く黒い噂、トムの嫉妬とトムの女の嫉妬と女の夫の嫉妬… などなど
面白げな要素は揃っているんですけどねぇ… 何かが気に食わないんですよね。

その原因がわかりました! 私は完全にデイズィが嫌いだ!!
そして、それ以外の登場人物にも好感が持てませんでした。

小説に出てくる、美貌を売りにした女性も、金に目がない女性も、冷酷な女性も
たいてい嫌いじゃないですよ、私は。
彼女たちのガッツやなりふり構わなさはある意味爽快だわ。

だけどデイズィはさ、なんのアクションもないわけなのよ。
誰かの財産に目が眩んでフラフラ〜、こっちの財産に目が眩んでフラフラ〜、
フラフラ〜フラフラ〜、しかも「愛」なんて言い出すよ。
悪女としてのポリシーとコンセプトが感じられない!!

あらら、ちょっと興奮しちゃいましたね。
熱烈なファンもいらっしゃると思うので、デイズィの悪口はこのへんまでにしておきます。

リメイクされたぐらいだから映画は面白いのかもしれませんね。
いつか観てみましょう… (口ばっかり

ひとことK-POPコーナー
こないだ武道館に行って来ましたよぉ すごくいい席でテソン目の前!! Fantastic Babyまで聞けて最高でした
風邪大丈夫かな… と思っていたらジヨンとヨンベとワイン飲んでたので治ったみたいね

『ナイフ投げ師』少年のノスタルジーに浸る…膝下ぐらいまで

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THE KNIFE THROWER AND OTHER STORIES 
1998年 スティーヴン・ミルハウザー

スティーヴン・ミルハウザーは『夜の姉妹団』『and other stories』におさめられていた
『イン・ザ・ペニー・アーケード』しか読んだことがなかったのですが
ちょっと気になっていたので、この本を見つけた時に即買って読んでみました。

面白かったです。
12話から構成されていますが、現実離れしているというか夢みがちな少年の妄想というか…
ざっとあげてみても、ナイフ投げ師でしょ、大きなカエルを妻に持つ男でしょ、決闘、
空飛ぶ絨毯、夢のような百貨店、気球、見たことないような遊園地…などなど
想像するだけで楽しそうでしょ?
ただそれが単純なおとぎ話に終わっているわけでもないんだよね…不思議だ

印象に残った話しをいくつかあげてみます。

『夜の姉妹団』は再読ですが、前回とは違う印象を受けました。
前回は頭が完全にカルトとか噂話しの恐ろしさ&根も葉もなさなんかにシフトしてましたが
今回は少女たちの無意味に見える行動の、なぜなぜ?どうして?を探りながら読みました。

たしかに十代のころの付き合いって、どうだっていいよ!なルールとか
訳わかんない約束事がゴロゴロしてましたけど、それはそれで大事で真剣なものでしたね。

『新自動人形場(The New Auotmaton Theater)』
多くの自動人形劇場を誇るべくして誇っている私たちの市でも
特に名匠と言われたハインリッヒ・グラウムは、子供の頃から天才と言われ
若くして成功したが、長い休養の後驚くべき劇場を造り上げた。

趣味でドールハウスをやっていますので、小さい物の事を書かれると心が弾むわ!
微に入り細を穿つって感じで人形の精巧さを書いていて、思い浮かべるだけでワクワクです。
だけど、弾むだけで終わらないのが、良い作品を生み出す作家のすごいとこですね。

『月の光(Claire de Lune)』
眠れなくなった15歳の夜、外に足を踏み出し、同級生のソーニャの家まで歩いた。
ソーニャは庭でクラスメイト三人と、ウィフルボールをやっていた。
男の子のような恰好の四人は、学校で会う時とは違って見えた。

ついフラフラと向かう… 好きな女の子の家なんでしょうね?
ものすごくアメリカっぽい、ものすごく健全なストーリーって感じです。
そして、すごく綺麗なお話しだと思う。

『私たちの町に地下室の下(Beneath the Cellars of Our Town)』
私たちの町の地下深くには、迷宮のような通路が広がっている。
その地下通路にはいろいろなエピソードがあり、なかなか会えない点灯夫がいる。
町を離れ、地下のない町にしばらくいると、地下通路が懐かしく思えてくる。

地下の町をテーマにしたものは、小説に限らずけっこうありますが
わりとダークな感じに描かれていることが多いですよね。
でもこの町の地下街は、神秘的でありながら秩序が保たれているようで憧れます。

とにかく、細かく描写することが好きな人のようで、百貨店の売り場説明とか
遊園地のアトラクションなども、ひとつひとつ手を抜かず書いています。
デパート関係者が読んだら「そんな売り場が流行るかよ!」とか
コストがどーのこーのと言いそうですけど、それはそれってことで
こんな百貨店があったら見てみたいと思わせてくれます。

けっして子供向けなわけではなくて…そうねぇ、1%ぐらいオカルトチックな部分もあり
全体的な印象としては暗いのですが、なぜか、少年少女の心を思い出す自分がいるという…
それから、オールディーズっぽい映画を観ているような懐かしさも感じられました。

テーマの無邪気さと、暗めな読後感のギャップが面白くてクセになりそうです。
白水uブックスではスティーヴン・ミルハウザーの短篇集が何冊かあるみたいなので
見つけたらきっと買ってしまうでしょう。

ひとことK-POPコーナー
SHINeeの韓国でのカムバックがなさそうなので『I'm Your Boy』を心待ちにしている今日この頃…
テミンが大人になってどんどんヒョンたちから巣立って行く〜 嬉しいような寂しいような…

『猫のパジャマ』前書きは後まわしで…

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THE CAT'S PAJAMAS 
2004年 レイ・ブラッドベリ

可愛いタイトルじゃない? 即買いしました。
詩を含む21篇がおさめられていますが、SFのジャンルを超えた幅広い…というか
幅広すぎるテーマにお腹いっぱいです。

今回は印象に残ったお話しが数多いので、前置きはこのくらいにしておいて
さっそく紹介しますね。

『ふだんどりにすればいいのよ(We'll Just Act Natural)/1948年』
スーザンはポーチに立ち、長年仕えていた家の幼かった息子で、今は立派な作家になった
リチャード・ボーデンがやって来るのを待っている。
娘のリンダは、成功した彼が黒人のスーザンに会いに来るはずはないと言い張る。

ブラッドベリなりの人種差別問題の提起なのですかね?
スーザンのはかない望みが叶ってくれるだけで良い話しだったのに…哀しい結末でした。

『屋敷(The House)/1947年』
長い阪を上がり、吸血鬼でも棲んでいそうな古びた屋敷を見た時
マギーは愕然とするがウィリアムは興奮してはしゃいでいる。
翌日ウィリアムの友人ベスがやって来て、屋敷を入れたウィリアムをしきりと羨む。

幽霊屋敷の話しだと思う? いいえ、価値観の違う男女をを描いた話しです。
けっこうありがちな話しで、一応ハッピーエンドですが、私はこれからの二人が心配よ。

『猫のパジャマ(The Cat's Pajamas)/2003年』
カリフォルニアの9号線のど真ん中で、捨てられた仔猫が身づくろいをしていると
東へ向かっていた車と、西へ向かっていた車が急ブレーキをかけ同時にドアが開いた。
降りて来た男と女は、その仔猫が自分のものだと言って一歩も引かない。

とっても可愛いお話しです。 ドラマみたいな出会いってこういうことね。
ありえなーい!とは言いきれないけど、なかなかあるわけじゃありません。

『ルート66/Sixty-Six)/2003年』
むかしルート66と呼ばれていた道路を巡回していた白バイ隊員が語る。
ある日、道に沿った畑で、三人の男と一人の女と二人の子供の死体を見つけた。
彼らは現代人とは思えないような農民の服装で、皆餓死寸前のように痩せていた。

ファッショナッブルだったら何やっても良いという奢りへの怒りをぶつけた作品です。
スタインベックの『怒りの葡萄』にはかなり衝撃を受けたので
オーキーに注目したこのストーリーは興味深かったです。

『雨が降ると湯鬱になる -ある追想-
   (I Get the Blue When It Rains -A Remembrance-)/1980年』
35年か40年前、いつものように自作の朗読会をしようと作家たちがドルフ・シャープの家に
集まっていた夜、グレンナードが “ 雨が降ると憂鬱になる ” をピアノで弾きだした。
皆で歌い始め、その後何曲も歌った。

わかるわ〜! 同じ歌でも歌う状況で、抱く感情がまったく変わってくるものよね!
成功した大の男たちが、おおはしゃぎで歌ってる高揚感が楽しげに浮かび上がると同時に
ものすごく哀愁が漂う読後感がたまらない一話でした。

私が書き出した話しは、『ルート66』以外は、ブラッドベリ特有のSFや
ファンタジー色がほとんどなくて、どちらかというと普通の小説ですが
この一冊には、もちろんタイムスリップものや奇想天外な話しもおさめられています。
ただそう言うテーマには私がついていけなかったというだけのことでして…

好きな話しと好きでない話しのギャップが大きかったですが
ブラッドベリが描く日常的なストーリーはかなり好きですね〜
そういうのばかりを集めた一冊を読んでみたい気がします。

本人が前書きを書いていて、おさめられている話しをどうして書こうと思ったかという
動機を各々述べているのですけど、どちらかというと、知らずに物語に入っていった方が
面白かったのではないかしら… と、前書きを読んだことをものすごく後悔しました。
だって前書きだって言うからさ〜
お好みによりますけど、飛ばして読むことをおすすめします。

ひとことゲームコーナー
飽きもせず続けているほしの島にゃんこ… わたしは釣りをないがしろにしていたんですけど
今日寿司屋が登場したので、空き時間には必死に釣りをしております。めんどくさいよぉ

『シルヴェストル・ボナールの罪』古くさいんですのじゃ

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LE CRIME DE SYLVESTRE BONARD MEMBRE DE L'INSTITUT 
1881年 アナトール・フランス

まぁ、1800年代に書かれている物語に新しさを求めるのは無理ってものですが
あまりにも古い、古すぎる! 風情はありますけどね。

最初は難しい本の話しばかりが書かれていて、つまらない話し!と
イライラしながら読んでいましたが、後半にいくにつれて盛り上がりました。
すごーくゆるやかにですけど…

主人公はシルヴェストル・ボナールという年老いた学士院会員で
この、学士院会員というのはけっこう高い地位のひとみたい…調べてないけど。

彼はセーヌ河畔のアパルトマンの一室で本に埋もれて暮らしています。
一緒に暮らしているのは、長年勤めているお手伝いの口やかましい老女テレーズと
ボナール家で一番偉そうにしている猫のハミルカルです。

お話しは二部構成で、第一部は『薪』
うーんと… 説明するのが難しいんですが頑張ってみます。
アパルトマンの上の屋根部屋にお情けでおいてもらっている本のセールスマンのココズと
その妻子の存在に、ボナール氏が気づいたのが発端です。
その後何年もの時がたち、ボナール氏が探し求めていた本の目録を探しにシチリアに旅して
悔しい思いをし、フランスに戻ってきて… という流れになっています。

すごーくザックリ言うと『鶴の恩返し』的物語。 『笠地蔵』でもいいや。

第二部は『ジャンヌ・アレクサンドル』で、物語としてはこちらが断然面白かったです。

ポール・ド・ガブリー氏が受け継いだ蔵書の目録を作成するために
リュザンヌに滞在することになったボナール氏は、ひとりの少女に出会います。
それがなんと! 忘れられぬ初恋の人の孫娘ジャンヌ・アレクサンドル。
今は不遇の身のジャンヌの世話をしたいと思うボナール氏でしたが、そこには数々の障害が…

ガチガチのコチコチの出不精で、クレマンチーヌとの叶わぬ初恋以降は
わが家と本だけを愛してきたボナール氏が俄然アクティブになりますよ。

この物語は、本の虫だった作者が自嘲をこめて書いたらしいのですが
今で言うオタクっぽさは、キライじゃないですよ、私は。
いいじゃない? 本の虫… それで暮らしていけるならぜひそうなりたいよ。

本筋とはまったく関係ないけれど、テレーズみたいな境遇もいいですね。
趣味に没頭してて家の事は一切構わないご主人様の下で好き勝手! 生涯勤めたいね。
アイドルの合宿所のおばさんっていうのもいいか… あらやだ… 妄想が…

復刻版だからか、文体もセリフももってまわった感じがしてめんどくさいのよね。
冒頭から四分の一ぐらいまではグッタリすると思います。
内容はけっしてつまらなくないので、現代風に書き直していただくと読者が増えるかもよ。
できたら古い本の説明は省いていただきたい。
ただ、アナトール・フランスらしさが台無し!ってことになりかねないですけど…

ひとことグルメコーナー
『孤独のグルメ』見てます? わが家は最近になって見はじめて、かなりハマっています。
次の日同じようなメニューが食べたいんだけど、なかなか見つからないところがつらいですよね

『ヒューマン・コメディ』静かに思い返したい名著

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THE HUMAN COMEDY 
1943年、1971年 ウィリアム・サローヤン

『リトル・チルドレン』『ディア・ベイビー』に続き
なぜか家にあったサローヤン三冊の最後の一冊を読んでみました。

『リトル〜』も『ディア〜』も面白く読めましたが、ものすごく心に残ったかというと
そうでもなかったのにくらべて、この一冊はとても心に残りました。
どこがどうというのではなくて、全体的に… ひとつの世界観が思い浮かびます。

短篇のような構成になっていますが、登場人物は同じで
主人公は、カリフォルニア州イサカ市のあまり大きくないと思われる町に住んでいる
マコーリー一家です。

マコーリー家は2年前に父親を亡くしていますが
寡婦のマコーリー夫人は三人の息子と一人の娘を立派に育てているようです。

4歳のユリシーズは好奇心おう盛なわんぱく盛りです。
14歳のホーマーは学校に通いながら、夜は電報局で配達人の仕事を始めました。
ベスはマコーリー夫人を助けながら、仕事を見つけようとしています。
長男のマーカスは、招集されて戦争に行っています。

ユリシーズが町中でおこす可愛らしい事件や
ホーマーの電報の配達先の人々、マコーリー家を取り巻く人々のエピソードを
39章の短い物語の中にちりばめてあるのですが
楽しい話しにも哀しい話しにも共通して、物語の根底に流れているものがあります。

どう説明すればいいのかわからないけど、一本の川の上で物語が進行していて
物語の足下をずっとせせらぎのようなものが流れているっていう感じかな?
立ち止まっている場所は違っていても、流れている水は同じ…という印象。
上手く言えなくてごめんなさい

いずれにしても、全篇の足下に戦争という水が流れています。
とてものどかそうに平和そうに暮らしている小さな町の、一人の少年の成長記のようでいて
そこここに戦死した青年の母親や、トラックで運ばれていく少年兵たち姿が垣間見え
読み進むにつれて、少しづつ物語に落ちている影を濃くしていきます。

もちろん環境や個人の性格もあるのでしょうが、14歳の男の子が
急激に大人にならなければならなかった事情を想像すると、とても悲しいものがあります。

『ヒューマン・コメディ』は、楽しみながら読んだ後で
いくつかのシーンを思い出しては、しん…と考えさせられる物語でした。

どうやら私は、ひとつの町を舞台にして何人かの人たちが絡み合いながら進む短篇小説集が
ものすごく好きみたいです。

スタインベックの『キャナリー・ロウ』『天の牧場』は大好きだし
アンダスンの『ワインズバーグ・オハイオ』も忘れられない。
最近だと『奇跡も語る者がいなければ』『オリーヴ・キタリッジの生活』
とても面白かったです。

ぜひ他の作家の作品も探して読んでみたい!!

ひとことK-POPコーナー
久しぶりに三人そろったJYJを見ましたけど… ドラマもよいけど歌ってる姿を見るのはペンでなくても嬉しいですね
ジュンス痩せた? なんかすごくカッコいいんだけど…

『犬は吠える II 詩神の声聞こゆ』カポーティを見直す一冊

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THE DOGS BARK 
1951年〜 トルーマン・カポーティ

以前『犬は吠えるI ローカル・カラー』を読んで、とても面白かったので
すぐに購入した『犬はほえるII』なのですが、なんか雰囲気が違うようだったので
長いこと放置してました。
この間本棚で見つけて、…そういえば,的に読んだのですけど、すごく面白かった!

四つのパートに分かれています。

Part.1『砲声絶ゆる時』とPart.2『詩神の声聞こゆ』は
カポーティが、黒人キャストだけのミュージカル『ボギーとベス』のソ連公演に
同行してつづったルポルタージュ。

Part.3『お山の大将』は。映画撮影のために日本に滞在していたマーロン・ブランドの
ホテルを訪ねた時の会話を書いています。

Part.4『文体ーおよび日本人』は。日本語の美しさを褒め讃えてくれた短いエッセイです。

『砲声〜』と『詩神〜』は、ミュージカルのキャストと製作スタッフが
西ベルリンを発って、レニングラードに着くまでの道中と、到着してから上演までの数日
上演前日、初演の後、と時系列で追っていっているのですが、なにせ場所がソ連でしょ?

当時はアメリカと熾烈な冷戦を繰り広げていた国で、しかもアメリカでも異端的な
黒人だけのキャストによるミュージカルを上演するわけですよね?

まずは西側にしてみたら「なんで?」と思われるような、煩雑な手続きにはじまり
次々おこる(ありえない)不測の事態に驚きます。
そして、アメリカ人のあたふたぶりと、ソ連人の根拠なき落ち着き、
あけすけなアメリカ人とまわりくどいソ連人の言動のギャップにクスリと笑えます。

一歩間違えば急に敵に変わるかもしれない国、西側世界が怪訝な目で見ている
“ 鉄のカーテン ” の中へ乗り込んで行くのだから、実はキャストも製作スタッフも
ドキドキしているし駐ソ連アメリカ大使の言葉もいちいち不安を駆り立てるわけなんだが
ミュージカルはなんとか無事に公演初日を迎えられたわけです。

公演が成功だったのか、失敗だったのかは、神のみぞ知る… てことで…

いろいろな問題があったはずのソ連公演ですが、カポーティは概ね好意的に描いています。
草の根の国交の大事さを感じさせられたわ。

『お山の〜』は、トップスター、マーロン・ブランドがどこまです素顔を見せていたかは
わかりませんが、ナチュラルな感じは受けました。
それより、日本の少女に対するカポーティのイメージが?
1956年なんだけど、大正時代かと思っちゃうよ。
この時に撮影していた映画は聞いたことも観たこともないんですが、成功したのかな?
あんまりおもしろくなさそうよ…

とにかく、すごいと思ったのは、名声を獲得して、時代の寵児とも言われたことがる作者が
そんなものはかなぐりすてて、ルポライターに徹していることです。
たぶん「あなただから…」的な対応もあっただろうし、自慢したいこともあっただろうに
一切排除して、記者がメモを記事にする程度のふくらまし方しかしてないの。

自分を特別扱いする様子も、上から目線の評論も一切無し!
あったことを、読み応えある記事に仕上げている… プロの仕事だと思いました。
でも、やはり、普通の記事にはない面白さがあるのよねぇ…さすがです。

『文体ーおよび日本人』は、日本の文体の芸術性を高く評価してくれています。
日本人以上に日本語の美しさを感じていただいているとは… 感激です。
これを読んで日本人であることに誇りを持とう!!

ひとことK-POPコーナー
TGCには行けなかったんですが、YouTubeで観たらオニュが来てて嬉しかった… 挨拶もしてた〜
おかえりなさい オニュ、本当に良かったよ〜

ポーランド王プシェミスゥ2世妃 マルガリェタ

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                 肖像画が無いので苦肉の策…
                   祖母のクリストファ1世妃マルグレーテ

久々の王妃だけど家系図だけ・・・
ポーランド王プシェミスゥ2世妃 マルガリェタ・ブランデンブルシュカ

1270〜1315/在位 1295〜1296

プシェミスゥ2世の三人目の妃は、肖像画もないし、個人的なエピソードもあんまりないけど
家系図だけは描き甲斐がありました。

最初の妃リュドガルダは後継ぎを遺さず、二人目の妃リクサが生んだのは王女だけ…
ということで、後継ぎが欲しかったプシェミスゥ2世は三度目の結婚に踏み切ります。

再婚相手に選ばれたマルガリェタは
ブランデンブルク=ザルツヴェーデル辺境伯アルブレヒト3世と
デンマーク王クリストファ1世の王女マチルダの娘です。

しかし、プシェミスゥ2世もマルガリェタもボヘミア王オットカル1世の曾孫だったので
ローマ教皇の特免状が必要でした。

いつも思うんだが、この “ 親戚関係だから特免状が必要 ” っていうのは
当時の王侯貴族なら誰でもひっかっかったんじゃないのかしらね?
うるさく言われる結婚とそうでもない結婚の差はどこに…?
ローマ教皇に目をつけられてるとか、よその国が黙ってないとか、そういうこと?

で、家系図です。
             
描かなかったけど、家系図内のミェシュコ3世とヘンリク2世は遡ると
ボレスワフ2世で繋がります。
ヘンリク2世は一人目の妃ズビシュワヴァの息子ブワディスワフ2世の子孫で
ミェシュコ3世は二人目の妃シャロメアの息子です。

マルガリェタは、リヘザ・ロタリンスカ以来のポーランド王妃でしたが
その在位は1年と短いものでした。
なんと! プシェミスウは1926年に、マルガリェタの実家の家臣に誘拐され
殺害されてしまいます。
これもポーランド国内の権力争いが絡んでて、実家が敵方についたからなんだけど
娘を嫁がせた相手を殺しちゃうっていうのは… 中世ですわね。

マルガリェタはしばらくポーランドに残っていましたが故郷に戻り
ロストック卿ニコラウスと婚約しました。
しかし、この縁談は中止され、1302年にザクセン公アルブレヒト3世と結婚します。
マルガリェタは32歳ですが、その後二人の男の子を生んでいます。
当時の初産としては高齢出産ではなかったのでしょうか?

1308年にアルブレヒト3世が亡くなってから7年後に亡くなり
ラッツェンブルク大聖堂に葬られました。

けっこう激動の人生だったのはわかりましたが、彼女のパーソナリティは
なにひとつ垣間見えませんね。
ひとつでもエピソードがあれば、そこからどんどん妄想しちゃうんだけどなぁ…

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことテレビコーナー
デヴィッド・スーシェ出演のポアロ・スペシャルは、本当によかった〜! さすが世界の人気テレビシリーズ!!
それなのに〜ファイナルシーズンの第一話を録画し忘れるという大失態 すぐ再放送してくれないかね?

ポーランド王ヴァツワフ2世妃 グータ

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どっちかっていうとボヘミア王妃
ヴァツワフ2世妃 グータ・フォン・ハプスブルク

1271〜1297/在位 (ボヘミア王妃)1285〜1297 (ポーランド王妃)1291〜1297

カジミェシュ2世の血をひくヴワディスワフ(1世)と争ってポーランド王についた
ヴァツワフ2世のひとり目の妃は、ドイツ王ルドルフ王1世の王女グータです。

         

ヴァツワフ2世の父オトカル2世と、ドイツ王ルドルフ1世は
神聖ローマ皇帝の座を争っていましたが和平条約を結び、子供同士の結婚が決まりました。
でもヴァツワフもグータも5歳なのよ! 結婚すると言ってもね…
というわけで、婚約は8歳の時で、結婚は14歳の時でした。

しかし、挙式のすぐ後にルドルフ1世はグータをすぐにドイツに連れ帰りました。
理由は「若すぎるから」… そんなことわかってんじゃないのよぉ!
しかも14歳で嫁いだ王妃は少なくないと思うけどね、良い悪いは別にして…

オトカル2世は、二人の結婚の1年前に戦死していて
ヴァツワフは13歳の若さで王についていました。
立場の強さを利用して、娘を少しでも長くそばにおいておきたかったのかもしれませんね。

それから、実際は母親のクニグンダが摂政としてボヘミアを取り仕切っていたのですが
ルドルフ1世は、クニグンダと一緒に国政を牛耳りこっそり結婚までしていた
フランケンシュタイン卿Zavishを嫌っていました。
「こんな淫らな宮廷に娘をおけるか!」という思いだったのかもしれません。

いずれにしても、グータが不参加だったせいで、ヴァツワフの戴冠式は中止になりました。

父王のZavish嫌いはグータにも伝わったらしく、グータも彼を嫌っていました。
クニグンダの死から5年後のZavishの裁判と処刑もバックアップしています。

ヴァツワフ2世は、もともとボヘミア王で、ポーランド王といっても名ばかり…
ほとんどポーランドにはいませんでした。

だからグータもほとんどポーランドにはいなかったってことで…
プラハの宮廷のドイツ化に努め、文化的に向上させることに励みました。
政治的には、兄のアルブレヒト1世とヴァツワフ2世を和解させることに成功し
ヴァツワフのポーランド王位継承も強く支持していました。

なかなか精力的な女性のようですね。
それにとても美しく、高貴で貞淑な女性だったそうです。 悪いとこなし!

さらに健康にもなんの問題もなかったそうなのですが、なにせ10年続けて妊娠してまして
そりゃあ疲れるってば… 10人目の子供の出産の時に亡くなりました。
中世には珍しい相思相愛の夫婦だったのかもしれませんけどね。

28歳の若さだし、とても美しかったということですから
かなり惜しまれて世を去ったのではないでしょうか? だとしたら救われますね。

余談なんだけど、ヴァツワフ2世の母クニグンダの妹グリフィナから
かなり時がたっているような気がしたけど、20年ぐらいしかたってないですね?
王様変わりすぎじゃないか? いつまでたってもポーランドが終わんないよぉ

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
Kちゃんのお誘いでU-KISSの日本武道館に行ったんだけど、なんとまたアリーナ10列目… なんか運良すぎでこわい
ニュー・マンネも噂のヨジャダンサーズも見れたし、ケビンはかわいーし! 楽しかったです

『偉大なるデスリフ』

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THE GREAT DETHRIFFE 
1970年 C・D・B・ブライアン

題名からうすうす察してはいましたが、フィッツジェラルドの『華麗なるギャツビー』
大きく影響を受けている作品かと思われます。

内容はもちろんまったく違うものですが、ギャツビーからの引用も多々ありましたし
こちらの登場人物をギャツビーの登場人物に重ね合わせることもできます。

物語は二部に分かれています。
一部が『アルフレッドの書』で、これはアルフレッドという青年が語り手となり
幼なじみのジョージ・デスリフとジョージの妻アリスについて書いています。
また、自分の恋愛についてや、クスリで身を持ち崩した兄ウォーカーに会いに
ハワイを訪ねた時のエピソードがつづられています。
何年かなぁ? 2〜3年かな? かなり長い期間にわたる物語です。

二部は『ジョージ・デスリフの書』で、こちらはジョージ自身が
自分の結婚生活について記しています。

役どころとしてはアルフレッドがニック・キャラウェイ、ジョージがギャツビィ、
アリスがデイズィ、アルフレッドの恋人(実は人妻)のモデル、テディが
ジョーダン・ベイカー、という感じかしら?

上流階級の青年ジョージは、アリス・タウンゼントという女性に恋をし結婚します。
アルフレッドは若い頃のアリスを知っていて、結婚前に忠告をするんだけども
ジョージは結婚相手はアリス以外にないと言います。

二人はめでたく結婚しフィレンツェに新婚旅行へ行くんだけども
ちょうどローマを訪れていたアルフレッドはジョージから招待されて二人を訪ねます。

行ってみると二人はなにやら険悪なムードで、しかもアルフレッドはアリスにこっそり
二人の前からいなくなってほしいとお願いされちゃいます。

言われた通りにイタリアを去りスペインに向かったアルフレッドはそこで二年を過ごし
兄ウォーカーに会いに行き… というふうに話しが続いていきます。

ハワイでの話しは、もはやデスリフのデの字も出てこないわけなんだが
私はここのパートが一番好きだったかなぁ…

で、『デスリフの書』に突入して、ジョージとアルフレッドは何年かぶりに再会しますが
もう、ここからはジョージのグチのオンパレードだとお考え下さい。

もし書いてあることが事実だとすれば、アリスはひどい妻で母親で
アリスがいない暮らしはなんて平穏なんでしょう! ということになるんですけど
もともと顔だけで選んどいて今さらそんなこと言ったってぇ… と思うわ。

たしかに『アルフレッドの書』の時から、アリスは人をウンザリさせるような
タイプに思えたし、二人の結婚生活が上手くいくとは思えなかったけど
他の富豪の青年はアリスの本性を見抜いて結婚を拒んでいたというのに
まんまとひっかかちゃった自分はどうなのよぉ?

それよりも、ニューヨーク郊外の若い成功者が暮らす高級住宅地の荒れっぷりに驚くよ!
ホームパーティーにダンスパーティー、ゴシップ につぐゴシップ、
華やかに見える反面、陰口を恐れ体面を保つことに追われる日々… 疲れそうな毎日ね。

アリスとの関係を修復しようと努力するジョージですが、アリスは果たして?
(でもね、修復しようとしてるように見えて、実はそんなに真剣じゃないんじゃない?って
 私には思えたんですけどね… ジョージ)

最後はちょっとぞっとする終わり方でしたが、この夫婦の今後は興味ないや。

『華麗なるギャツビー』では、デイズィがフラ〜フラ〜したあげく
ギャツビィが不幸な最後を迎えるでしょ。
作者はもしかすると、ギャツビィの仕返しをしてあげたかったのではないかしら?
デイズィがギャツビィの不幸を忘れて、何もなかったかのように暮らすなんて許せないという
ニック・キャラウェイが感じた怒りのようなものを晴らそうとしたのでは?
というのは、あくまでも私の願望なので、あまり気にしないで下さい。

ひとことゲームコーナー
ほしの島にゃんこ(あきたと言いつつまだやってる… ) とうとう500本のツルハシと250本のオノが役にたつ時が!
でも土地を全部開拓するにはあと一週間ほどかかりそうです… そのあいだにまたあきちゃうね

『夜と灯りと』国家統一・・・その後

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DIE NACHT,DIE LICHTER 
2008年 クレメンス・マイヤー

本屋さんに行くと必ずチェックする新潮クレストのコーナーで
作家が旧東ドイツ出身という一点のみに興味を抱いて買った一冊です。

く、暗い… 私は暗い話しはキライじゃないけど、この本にはドーンと滅入ったね。

旧東ドイツ出身というところから、統一後のドイツの高経済についていけない、あるいは
民主主義そのものについていけない人々の悲哀を描いたものだという先入観があって
そういう観点から読んでいましたが、どうやらそれはあまり関係ないみたいです。

薬物中毒者・犯罪者・受刑者・無職・手当受給者などなど、負け組、かつて負け組、
負け組予備軍という人たちが主人公の12篇がおさめられていますが
舞台は別にドイツでなくても、どこにでもあてはまる物語でした。

暗いながらも印象に残った物語をいくつかあげてみます。

『南米を待つ(Wartan auf Sudamerika)』
電気を止められた母の家を出て自分の家に戻ると、一通の手紙が来ていた。
消印はキューバで、古い友人ヴォルフガングからのものだった。
彼は、昔家を出て行った父の遺産を手に入れて、ブラジルを目指して旅しているという。

男の友情ってこういうものなんですかね?
自分はどん底の手当生活なのに、ぜいたくな旅行の様子が書かれた手紙を読んで
友人の幸せを祝ってあげられるとは…
女はどうしても他の女性の幸せを手放しで祝ってあげることってできないからね…でしょ?

『通路にて(In den Gangen)』
大型スーパーの商品整理係の夜勤になって職場にもだいぶ慣れてきた。
菓子類担当の可愛いマリオンは人妻だが夫に問題があるらしい。
フォークリフトを教えてくれたブルーノは郊外で農場をやっていて、皆に慕われていた。

夜のスーパーに職を得た人たちの、そっけないけれど親しみのある付合いが描かれていて
暗い本の中にあって少し望みが持てる物語だと思っていたら…がーーーん
なぜなのぉ? なんの解決もみないまま終わってしまられては…

『君の髪はきれいだ(Du Hast Schones Haar)』
彼は研修にやってきた来た日に娼婦の少女ズィスィと出会い、妻と貯めた金を全額引出した。
その日以来、ズィスィに会いに行くことと、今後彼女と暮らすことしか考えられない。
彼は毎日リトアニア語が話せる男を探す。ズィスィに「君の髪はきれいだ」と言うために…

バカじゃなかろーか! それとも男のロマン?
クラブとかスナックに行って、愛想よくしてくれる女性に本気になっちゃう人がいるけど
本気なわけないじゃないよ~! 粋に遊びましょうよ。
この主人公は遊び慣れてなかったのね、きっと。 だから最後そうなっちゃうでしょうが…

私はさっき舞台はどこでもいいって書きました。
だけど、もしかしてこの独特感は旧東ドイツ出身の作者ならではなのかしら?

たとえば同じような話しをニューヨークの作家が書いたとするとかなり違っていたかも。
古くから競争主義と快楽の情報を知りつくしていた国の作家なら、それらを反映して
もう少しライトでユーモアが感じられる書き方をしていたかもしれません。
登場人物の会話に哀しげなジョークが織り交ぜられたりして
気の抜きどころがあったかもしれないですね。

新たにやってきた主義と情報を使いこなせないまま生きている人々を
正直に描写しようとするとこういう風に仕上がるのかもしれないですね。
勝手に言ってますけど…

なにしろ笑いどころゼロ! クスッとも笑えない生真面目さで書かれてます。
哀しい物語を書くならちゃんと哀しく書きましょう、という感じで
こちらも固い椅子に座って、心して読まねば… という気になりそうでした。

場面や時間が小刻みに行ったり来たり、急に変わったりするので
少し読みづらいところもありました。

内容は嫌いではないのですが、慣れないと楽しんで読むことはできないかな?
慣れるようにあと何冊か読んでみようとは、今は思えないですけど…

ただ、統一がなければ優秀な作家の作品が東ドイツ内だけの需要で終わり
しかも、国が認めた物だけしか書けないという悲劇に見舞われていたわけですよね。
作家たちが自分の書きたいことが書けて、世界で活躍できるということだけ考えても
統一は大きな意義があったのだと言えるのではないでしょうか?

ひとことK-POPコーナー
今年はSMTOWNに2日とも行けて浮かれていたのですが、EXOに続いてSUPER JUNIORのニュースに驚いたさ!
カワイコちゃんソンミンが誰よりも早く結婚とは!! 気が早いけどパパドル・ソンミンも見てみたいような…

『ぼくのともだち』ガンバレ! 私はムリなタイプだけど・・・

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MES AMIS 
1924年 エマニュエル・ボーヴ

歯ぎしりするほどじれったい… という小説を久しぶりに読みましたよ。

表紙の雰囲気からも連想されるでしょうが、ちょっと情けない青年を
ユーモアを交えて描いている物語です。
ですが、読んでる私は面白いなんて思えず「あ!また」「だめ~!」って感じで
ハラハラ、イライラする保護者にされてしまった気分。

裏表紙から引用すると “ とびきり切なくとびきり笑える(中略)ダメ男小説の金字塔 ”
ということなのですが、とんでもないぞ。

主人公は帰還兵の青年ヴィクトール・バトンです。
戦争で腕を負傷したため年金をもらって暮らしています。
3ヶ月に一度もらう年金での生活はギリギリで、アパートの部屋は狭くて陰気くさく
着る物もくたびれはて、いつも金持ちになることを夢みています。

ヴィクトールは、自分はハンサムの部類に入ると思っているみたいで
女性と知り合うことでお金持ちになれるんじゃないかといろいろ妄想してるのね。

モーパッサンの『ベラミ』の主人公と似通っている部分がありますが
二人の決定的な違いは行動力ですね。

なにしろヴィクトールはものすごい小心者で、気ばかり使って裏目に出るという性格。
そんなわけで友だちがひとりもません。
なんとか心が許せる友だちがほしいというのが、ヴィクトールのもうひとつの夢です。

この物語は、そんなヴィクトールが友だちにしよう(なろう)とした人々との
エピソードを各章で書いています

各章の登場人物を紹介します。

『リュシー・デュノワ』
ヴィクトールがよく行くカフェの女主人で、ビール太りしている未亡人です。

『アンリ・ピヤール』
薬局のトラブルを取り巻く人ごみの中、ヴィクトールの隣に立っていた小男です。
身なりはよく、ヴィクトールに酒をごちそうしてくれました。

『船乗りのヌヴー』
人々の同情を引こうと、セーヌ川岸で自殺志願者を装っているところへ現れた自殺志願者。
ヴィクトールを「一緒に死のう」と誘います。

『ムッシュー・ラカーズ』
リヨン駅でヴィクトールをポーターと間違えた実業家。
ヴィクトールを気に入り、職を世話してくれようとします。

『ブランシェ』
ゲーテ通りで出会った、カフェで歌っている歌手。

これらの人々に、ヴィクトールは「友だちになれるかも…」と涙ぐましい努力をしたり
そりゃダメでしょ! ということをしでかしたりします。
上手くやれば友だちになれそうな人もいたんだけど、結局誰とも友だちにはなれません。

ヴィクトールは、どうやらお人好しすぎるみたいね。
私なら絶対に断ることも、友だちになりたいばかりに聞き入れてしまうんだもの。
それも会ったばっかりの人に… おばかさん?
そんなに友だちってほしい? 私は友だちはものすごく少ないが毎日楽しいけどね。

たしかに話し相手がほしいというのはわかります。
でも、話し相手=友だちというのは、ちょいと違うのでは?と思いますけどね。

友だちを作るのが上手な人っていますよね。
ヴァイタリティがあるとかユーモアがあるとか、理由はいろいろでしょうが
たぶん自分のさらけ出し方が上手なんだと思う。
それから話し上手なだけでなくて聞き上手であること、あとデリカシー、これは必須ね。

そして、愛してくれる人がいる反面、敵もいるということがわかっている人だと思います。
全ての人に愛されるなんて、絶対無いとは言わないが、かなり難しいことよね。

ヴィクトールはさ、嫌われることを恐れてなかなか発言できないの。
それから、自分のことを聞いてくれる人ばかりを求めているのね。

最後にヴィクトールは、自分はなにも悪いことしてないのになんでこんな…という
目に遭ってしまいます。
これまでの友だち作りを反省して改善し、なんとか人付き合いがよくなって
思い通りのお友達が見つかるといいですね…て、私は本気で言ってないですけどね。
だって私は彼とはゼッタイ友だちになりたくないもの。

実はこのところ、どーんよりする本ばかり読んでいたので、少し笑いたかったのですが
ドンヨリの上塗りをしてしまった…
ただ不思議なことに、この作家の他の本が読みたくてたまらなくなっています。

ひとことK-POPコーナー
なんだかKポ界がいろいろ大変なことになってますけど… イジュン、チョンドゥン、やめないでぇぇぇ
MBLAQの歌が好きで、さらに完成されてきたなぁって次も楽しみにしてたのよ。いい報せが聞けますように…
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